“リスク・オンでもドル高?”

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皆さん、今週は出来たら外為さんの“外貨ネクスト・ネオ”のドル・円の日足チャートを開き、Menu.の“テクニカル・デザイン設定”で90日と200日移動平均線を引いてこのレポートをお読み頂くと、とても分かり易いと思います。



ここ暫くのドル・円相場の騰勢には、目を見張るものがある。

90日移動平均線でもあり、大きなレジスタンス(上値抵抗線)と目された104.35をいとも簡単に上切り、次のレジスタンスと思われた200日移動平均線の105.60をも超えてドル・円相場は7連騰を成し遂げた。
今回の連騰が始まった1月27日の安値103.60から2月4日の高値の105.56まで凡そ2円の上昇を見せたが、流石に週末の2月5日は高値105.76を付けた後105.38まで反落して引けた。

前週、前代未聞のゲーム・ストップ株騒動で揃って3%近く下げたニューヨーク株式市場の3指数も、先週はダウが3.9%、ナスダックが6.0%、S&P.が4.6%とお釣りがくる以上に戻し、再び市場のセンチメントはリスク・オンへと変化した。
因みに日経平均も先週4%の上げを演じた。

ところが今まではリスク・オンとなるとドルが売られる傾向が有ったが、先週の動きは違った。
上で述べた様にドルは対円で上昇を続け、ユーロも一時1.20を割って1.1952まで下げてこちらでもドル高が進んだ。

このドル高の動きを見て、昨年末からの“2021年、ドルは20%減価する。”とのドル・ベア論(ドルに弱気の議論)は影を潜めた。

財政支出拡大、FRB.による金融緩和政策継続の二つのメイン・テーマは変わらず、ゲーム・ストップ株騒動による一時的なごたごたは兎も角再び株価は上昇し、金利上昇もシナリオ通り(?)なのに何故突然予期せぬゲーム・チェンジになってドルが買われるのか腑に落ちない。

株価が下がってリスク・オフでドル買い。
株価が上がってリスク・オンになってもドル買い、と言うのがよく分からないのである。

ドル高の背景はコロナ後の米国経済回復に対する楽観論の台頭と、それに基づく金利高と言うが楽観論は兎も角米国10年債の利回り水準は1月第3週の頃のそれと大して変わらない。
金利が上昇したと騒ぐほどの事も無いと思うのだが。

自分が“ドルが下がる。”と言う見通しを立てて相場が逆方向に動いたが為の言い訳ではないのだが、どうも市場は株式市場と同様に“いいとこ取り” =(バイデン政権が発足して、将来的な不安材料である増税や規制強化は無視している。)をして、ドルを買っているのではないのかと思うのだが..

上でお勧めしたチャートを見るとドル・円相場は90日と200日の二つの移動平均線を上切って未だ上昇しそうに見えるが、昨年の1番値動きの大きかった大統領選直後の11月9日の安値103.19から高値105.64までの2円45銭の上昇以降の大な動きを見てみると、
-11月12日から11月18日までの下げトレンド。105.47~103.65で-1円82銭
-11月20日から11月24日までの上げトレンド。103.70~104.76で+1円6銭。
-12月2日から12月17日までの下げトレンド。104.74から102.88で-1円86銭。
-12月18日から12月28日までの上げトレンド。103.09から103.89で+80銭。
-12月29日から1月5までの下げトレンド。103.81から102.60で-1円21銭。
-1月6日から1月11日までの上げトレンド。102.60から104.39で+1円79銭。
-1月12日から1月21日までの下げトレンド。104.33から103.32で-1円1銭。
そして今回の
-1月22日から2月5日までの上げトレンド。103.48から105.76で+2円28銭。

まあこじつけと言えるかも知れないがここ数年、年間10円の値幅のドル・円相場のトレンドが変化した場合の1回の値動きは大体1円から2円30~40銭と言えまいか?

今回、200日移動平均線の105.60を上切ることに失敗したことと、今回の2円28銭の値動きを見ると、上の勝手なロジックからドル・円相場はそろそろ天井を打った様な気がしてならない。

但し、テクニカル分析上は未だ上を目指しており、“Sell on dip.”と言う“相場が下がり出したら追っ掛けて売る。”と言う順張りの変則的な戦略で臨みたい。

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