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長期海外分散投資を考える:第1回「外債投資」とそのリスクについて

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超高齢化社会を迎えた日本では、「人生100年時代」と言われるようになりました。
今、私たちにとって、「どうすれば、リタイア後にも現役時代と同じような生活レベルが維持できるのか」ということが、大きな課題となっています。

その解決策のひとつは、老後を迎える前に十分な資産形成を行っておくことです。
その際、より効率的に資産形成するには、投資による資産運用が近道なのですが、投資でリターンを得るためには、同じようにリスクも取ることになります。

老後の生活資金を準備するためには、リスクをしっかりと抑えて、着実にリターンを獲得する運用方法が求められます。
長引く日本のデフレと景気低迷から、国内の金融商品ではなく、海外の金融商品に投資する人が増えています。
その投資対象はFXだけでありません。


そこでこのシリーズでは、着実な資産形成に欠かせない長期分散投資の方法を、外貨建ての金融商品にフォーカスし、その際に重要なリスクコントロールについて解説してみたいと思います。

第1回は「外債(外国債券)」を取り上げます。
外債の特徴、メリット・デメリット、さらに理解しておくべきリスクについてご紹介しましょう。

「外国債券」とは

「外国債券」とは「債券の発行体、発行市場、通貨のいずれかが外国のものとなる債券」のことです。
「外債」は、国内の証券会社で口座開設すれば購入することができます。
投資家が債券を購入した資金は、国や企業などの発行体に回り、発行体(国や企業)の資金調達手段となっています。
外債は通貨発行国の金利水準に基づいているので、マイナス金利政策を続ける日本よりも、現在は利回りの高い国が多く、個人の資産運用先としても高い人気を集めています。

ここでは外国債券を取り上げていますが、「債券」は一般的に、株式などと比較すると、「安定した金融商品」と言われています。
しかし、国や企業などの発行体の違い、円、それとも外貨など通貨の違い、格付けの違いなどがあり、債券もさまざまなのです。

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外債の種類はおもに次の3つです。

・円貨建て(えんかだて)債券

元本払込みや利息・償還金の受け取りが日本円となるもの。
「サムライ債(海外の発行体が日本市場内で発行)」や「ユーロ債(日本や外国の発行体がユーロ市場で発行)」があります。

・外貨建て(がいかだて)債券

元本払込みや利息・償還金の受け取りが外貨となるもの。
「国内債券(外国の発行体が自国の市場・通貨建てで発行)」、「ショウグン債(外国の発行体が日本市場・自国の通貨建てで発行)」があります。

・二重通貨建て(にじゅうつうかだて)債券(デュアル・カレンシー債券)

元本払込みや利息・償還金の受け取りが、「日本円」と「ドル」のように異なる2種類の通貨で行われるもの。
この債券には、「デュアルカレンシー債(例:払込みと利息が日本円、償還金のみ外貨)」や「リバースデュアルカレンシー債(例:払込みと償還金が日本円、利息のみ日本円)」があります。

外債のメリット

外債のメリットは以下の通りです。

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1)国内債券より高い金利が定期的に得られる

マイナス金利政策が続く日本よりも、政策金利の高い国は海外にいくつもあります。
そのような国の債券(外債)を購入すれば、日本の国債よりも高い金利収入を定期的に得られます。

2)満期償還日に決められた金額が戻ってくる

債券が安全資産と言われる理由のひとつです。
満期償還日には元本、または決められた額面金額が戻ってくることになっています。

3)為替差益が得られる可能性

外債を購入後に為替相場が円安に振れた場合、受け取る利子や償還金に為替差益が発生する可能性があります。

4)分散投資の受け皿

一般的に債券は安全性の高い資産として認識されています。
景気後退時には、株式が売られる一方で、債券は買われる傾向があります。
株式とは違った値動きをすることが多く、資産運用においては、株式のみならず債券もリスク分散のための投資対象となっています。

外債のデメリット

メリットだけでなくデメリットもあります。
リスクという観点でみていきましょう。

1)信用リスク

発行体が財政難や業績不振に陥れば、利払いが滞ったり、当資金が満額戻ってこなかったりする事態に陥る可能性があります。

2)為替変動リスク

外債を購入後に為替相場が変動し、償還時点の為替レートが購入時よりも円高だった場合は、為替差損が発生します。
為替差損が大きいと元本割れの可能性もあり、注意が必要です

3)価格変動リスク

債券は市場で日々売買され、価格が変動しています。
償還前に売却した場合、売却価格が購入価格を下回れば損失が発生し、さらにその損失が利回りを上回ると元本割れとなります。

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4)カントリーリスク

政情不安や内戦、インフレなどが起こりやすく、政治・経済的に不安定な国や地域で発行される債券には、高利回りですが、価格暴落や元利金の支払いが滞るといったカントリーリスクがともないます。

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外債投資のリスクコントロール

上述したリスクはコントロールする必要があります。
ご存知かもしれませんが、投資には、昔からよく知られた格言があります。
「卵はひとつのカゴに盛るな」というものです。
地面にカゴをおとしてしまったときに、すべての卵が割れてしまうかもしれないからです。
つまり、ひとつの金融商品に全額を投資してしまうとリスクが高くなってしまうので、分散投資を行いましょうというものです。


分散投資にはさまざまな方法があります。
1)金融商品をFX、株式、債券、投資信託、不動産、金など値動きが異なるものに分散する。
2)日本だけでなく、アメリカ、イギリス、フランス、南アフリカなど投資地域を分散する。
3)投資のタイミングを1度に大量に投資するのではなく、何回にも分けて行う時間分散(ドルコスト平均法)などが代表的なものです。

これは外債投資に限らず、投資すべてに関わる基本的な考え方です。
そうした前提で方法を考えてみましょう。

1)複数の外債に分散投資

外債特有のリスクを抑えながら、外債運用での利回りを高めるには、値動きや種類の異なる複数の外債に分散投資することが大切です。
国や一般事業会社などの発行体、固定利付債・変動利付債などクーポンの種類、さらに債務弁済の順位の違いなどから、利回りやリスクが異なる外債を組み合せて運用することができます。

2)格付けの高い外債を選択する

外債は発行体の信用力などをベースに、ムーディーズやスタンダード&プアーズなどの格付け機関から個々に格付けされています。
高い格付けの債券は、一般的に利回りが低くなりますが、元利金の支払い能力が高く安全性が高いとされています。
発行体の信用不安などを避け、元利金支払いの確実性を高めるには、利回りとのバランスを考慮しつつ、できるだけ格付けの高い債券の組み合わせで選ぶことが重要です。

FXと外債投資の違い

最後にFXと外国債券を比較してみましょう。
両者ともに外貨で運用するので、為替差益・差損など、メリットやリスクがよく似ています。
金融商品としての違いを比べることになります。

1)売買のタイミング

FX:平日の24時間いつでも売買できます。
スキャルピングのように数秒で売買することもできれば、何年も持ち続けることもできます。

外国債券:新発ものは決められた購入期間にしか購入ができません。
発行金額が決まっていて、上限に達すると購入ができません。
既発ものはいつでも購入できますが、数量に限りがあるので、いつ購入できるかは、売りが出ないと決まりません。
購入した債券は、途中解約できるものの、償還日(満期日)が決まっていて、期間が長いものが多いです。

2)取引コスト

FX:取引手数料は無料で、通貨を売るときの価格(BID)と買うときの価格(ASK)の差をスプレッドと呼び、スプレッドがFXの実質的な売買手数料となります。
スプレッドは通貨によって異なりますが、例えば、米ドルであれば、0.2銭前後となっているFX会社が多いようです。
また、スプレッドはFX会社によって異なります。

外国債券:ある証券会社では、オンライントレードを利用しても米ドルで片道25銭でした。
往復では50銭がかかることになります。
窓口で購入するとコストはさらにかかります。

3)初期投資

FX:通貨ペアにもよりますが、レバレッジを利用すると少額投資が可能です。
例えば、最小ロットが1,000通貨のFX会社を利用すると、1米ドル=100円のときに、「米ドル/円」の通貨ペアで、1Lot取引に、10万円の保証人が必要になりますが、FXは個人であれば25倍のレバレッジが使えるので、25分の1の4,000円から投資が理論的には可能(※1)ということになります。
(※1 FXの実際の取引は余裕資金で行い、特に初心者の方々は、低レバレッジで運用することが望ましいとされています)
外国債券:銘柄により最低額面額が決められていています。
例えば米国債券で最低額面額が1,000米ドルで、1,000米ドル単位からしか買えないとすれば、10万円単位でしか、債券を購入できないことになります。

4)スワップポイントと利息

FX:通貨ペア国の金利差分から発生するスワップポイントは、毎日受け取ることができます。
ただし、取引内容次第で、スワップポイントは支払いに転ずることがあるため、通貨ペア国の金利動向には常に注意を払うようにしましょう。

外国債券:債券のタイプにもよりますが、定期的に受け取れても半年ごととか、満期になるまで受け取れないものもあります。

5)投資対象

FX:外貨で運用する点は外債と同じですが、FXは通貨ペアとなった国の通貨そのものを売買するというシンプルなものです。

外国債券:通貨国の政府が発行したり、企業がしたりする場合や他国の政府や企業がその国の通貨で発行したりするので、仕組みとしてはFXよりも複雑です。


このようにFXと外債では、外貨で運用していても、いろいろと違いがあるのです。
確かに、外国債券は安全性の高い資産として認識されている金融商品です。
日本国債にはない魅力がありますが、外債固有のリスクも存在します。
同じような外貨運用の金融商品とも特徴が異なります。
資産運用の基本は分散投資です。
特徴とリスクを十分に理解して、分散投資の対象とするべきかどうかを判断するようにしましょう。



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