ドル/円:短期トレンドが変化する可能性。105円台を回復すれば一段の上昇へ。 中期は“ドル弱気”変わらず。103円割れで越週した場合は一段のドル下落へ
日足は3手連続陽線引けとなり、下値を切り上げている。この間に2手前の陽線が104.10-20にあった上値抵抗をクリアして一段の上昇に繋がったことや、104.50-60の抵抗を実体ベースで上抜けており、短期トレンドが変化する可能性が生じている。直近の陽線が105.00-10の抵抗をトライしきれずに押し戻されているが、日足の形状が改善していることから、深い押しにも繋がり難いと見られる。中期トレンドが強いわけではないので上下動を繰り返す可能性があるが、103.50割れで終えない限り、押しは一旦買い場となろう。また、105.00超えに値を戻した場合は上値余地が50銭~1円程度拡がり易くなる。逆に日足が103.50割れで終えた場合は下値リスクが再び高くなる。可能性がまだ低いと見るが、103円割れの越週か102.50割れを見た場合はドルの下落幅拡大に要注意。日足の上値抵抗は105.00-10、105.50-60、106.30-40に、下値抵抗は104.20-30、103.80-90,103.50-60にある。21日移動平均線は103.72にあり反落した場合でも下値抵抗として働く可能性が高い。120日線は104.70にありこれを上抜けきれていないが、強い抵抗ではない。しかし、200日線は105.64にあり、何度か失敗する可能性も高いと見られる。 一方直近の週足を見ると陽線で切り返して上値トライの可能性に繋げている。単体では上昇エネルギーの強いものではないが、昨年3月に付けた戻り高値111.71を基点として上値を切り下げて来たレジスタンスラインから頭一つ上抜けた位置で越週しており、この反動で上値余地を探る動きが先行する可能性が高い。一方で、中期トレンドがまだ弱く、昨年2月に付けた112.23を基点とするレジスタンスラインの上値抵抗が106.50~106.80に位置しており、これを上抜けるほどの上昇にも繋がり難いと見ている。また、103.50割れで越週した場合は、上抜けが“ダマシ”に終わった可能性が点灯、103.00割れで越週した場合は戻り高値を確認した可能性が高くなり、一段のドル下落に繋がり易くなる。今週の週足ベースで見た上値抵抗は105.60-70、106.50~106.80に、下値抵抗は103.80~104.00、103.50-60、103.00-10にある。31週、62週移動平均線は105.02と106.73に位置しており、続伸した場合でも強い上値抵抗として働く可能性が高い。 一方月足を見ると、1月足は前月の陰線を包む形の陽線で切り返している。包み足の陽線は下げ渋る傾向にあるが、一方で上値を切り下げる流れには変化が認められないことや、単体では上昇エネルギーの強いものではないので、2月足の上値抵抗を抜けきれない可能性も高いと見られる。足元は下げ渋りか上値トライの動きが強まる可能性が高いが、今月いっぱいでは月足の抵抗を上抜けきれない可能性にも注意する必要がある。2月足の上値抵抗は、105.00~105.50,106.30~106.80,109.00~109.50に、下値抵抗は103.50~104.00、103.00~103.50にある。103.00割れで越月した場合は再び下値リスクが高くなる。31ヶ月、62ヶ月移動平均線は108.43と109.45に位置しており、長期トレンドは“ドル弱気”の流れに変わりない。 今週の戦略は、ドル買いは104.30-40で押し目買い。急落した場合の下値余地を103.80-90まで見ておく必要がある。損切りは下値リスクが点灯する103.40に置く必要がある。ドル売りは様子見か、104.80-90で軽く売って105.10で浅めに一旦撤退。或いは、106.30-40の吹き値があれば売り狙い。損切りは106.90で一旦撤退。これが付いた場合も107円台の抵抗を上抜けるにはまだ力不足と見ている。 上値は、104.80-90に軽い抵抗が、105.00-10に強い抵抗があるか、これをクリアした場合は短期トレンドが変化して、上下動を繰り返しながらも105.50-60、105.80-90、106.30-40,106.70-80にある強い抵抗をどこまでクリア出来るかトライする動きへ。中期トレンドがまだ弱く、107円台はまだ大きな壁となろう。下値は、104.50-60に軽い抵抗が、104.30-40、104.00-10、103.80-90にやや強い抵抗が出来ており、現状下での下値余地が限られる可能性が高い。可能性がやや低い状態だが、103.50-60の抵抗を実体ベースで下抜けて終えた場合は、再び下値リスクが高くなる。さらに103.00-10、102.70-80、102.50-60の抵抗を全て下抜けた場合は、新たな下げエネルギーを得て100~101円方向への一段のドル下落に繋がり易くなる。
ドル/円【日足】期間:2020/05/28~2021/01/29(移動平均線は21、120、200日、以下日足は同様)
ドル/円【週足】期間:2017/12/15~2021/01/29(移動平均線は31、62週、以下週足は同様)
ユーロ/円:“ユーロ強気”の流れを維持。128.00超えで終えれば一段の上昇へ。 125円割れで終えた場合は短期トレンドが変化して一段のユーロ下落へ。
日足は3手連続陽線引けとなり下値を切り上げている。127円台に実体を戻しており、短期トレンドは“ユーロ強気”の流れを変えていない。日足の形状も安定しているが、一方で、10/30に付けた121.62を直近安値として下値を切り上げて来たトレンドラインの下で推移しており、この上値抵抗が週初は127.50-60に、週末には127.80-90に上げて来ることから、128円超えに実体を戻すまでは下値リスクにも注意する必要がある。またこれを上抜けた場合でも月足の抵抗が130円台にあり、130.60超えで越月するまではユーロ急伸にも繋がり難いと見られる。一方で、先週の値動きの中で125.60-70に強い下値抵抗が出来ていることから、これを下抜けて来ないと下値余地も拡がり難い。短期トレンドは125円割れで終えない限り、変化しない。日足の上値抵抗は127.50-60,127.80-90、128.50-60に、下値抵抗は126.30-40,125.90-00、125.50-60にある。21日、120日、200日移動平均線は、126.28、124.97、123.20に位置しており、短期トレンドは“ユーロ強気”の流れにある。 一方週足は、2週連続陽線引けとなり、下値を切り上げる流れに変わりない。また、直近の週足の下ヒゲがやや長く、下値トライに失敗した形となったことから、この反動で週初から上値トライの動きが強まろう。但し、現状は高値圏での揉み合いの域を脱しきれていないことや、ユーロが対ドルで調整下げ局面にあり、1.2310-20の抵抗を上抜けて終えるまでは、上値余地も拡がり難い状態にあることから、飛びつき買いにも注意する必要がありそうだ。また、125円割れで越週した場合は短期トレンドの変化に要注意。今週の週足ベースで見た上値抵抗は、128.50-60、129.60-70に、下値抵抗は126.00-10、125.40-50、122.80-90にある。31週、62週移動平均線は124.57と122.07に位置しており、中期トレンドは“ユーロ強気”の流れに入っているが、125円割れで越週した場合は“ダマシ”となった可能性が点灯する。 一方月足を見ると、3ヶ月連続陽線引けとなり、下値を切り上げる流れを維持している。また1月足が2018年2月に付けた137.50と昨年9月に付けた127.08を結ぶレジスタンスラインから実体ベースで若干上抜けた位置で越月しており、新たな上昇トレンドに入った可能性が点灯している。単体では値幅が小さく上昇エネルギーの強いものではないので“ダマシ”に終わる可能性もあるが、昨年5月に付けた114.43を基点とする月足の下値抵抗が125.00-10に位置しており、これには跳ね返されたことから、125円台を割り込んで来ないと下値余地も拡がり難く、上値トライの可能性がより高い状態にある。一方で、2008年7月の169.96の大天井を基点とする超長期的なレジスタンスラインが130.30~130.60に位置しており、これをしっかり上抜けて越月しない限り、長期トレンドは“ユーロ弱気”の流れから脱しない。1月足の上値抵抗は前述の130.30~130.60と132.50~133.00に、下値抵抗は125.00~125.30,121.80~122.30にある。31ヵ月、62ヵ月移動平均線は123.43と124.46に位置しており、長期トレンドをサポート中だが、125円割れで越月した場合は下値リスクが点灯する。 今週の戦略は、ユーロ買いは126.50-60で押し目買い。下値余地を126.00~126.20まで見ておく必要がある。損切りは125.40で撤退としたい。ユーロ売りは様子見か128.20に浅い損切りを置くなら127.80-90の戻りを軽く試し売り程度に。 上値は127.10-20に軽い抵抗が、127.50-60,127.80-90,128.10-20,128.50-60に強い抵抗があるが、どこまでクリア出来るかトライする動きが継続しよう。下値は、126.70-80に軽い抵抗が、126.50-60,126.20-30,126.00±10銭に強い抵抗が出来ており、下値余地が限られる展開が予想されるが、125.60-70の抵抗を下抜けて終えた場合は日足の形状が悪化、125円割れで終えた場合は短期トレンドが変化して一段のユーロ下落に繋がり易くなる。この下の抵抗は124.50-60,124.00±10銭、123.60-70、123.00-10、122.40-50。(川合 美智子)
ユーロ/円【日足】期間:2020/07/14~2021/01/29(移動平均線は21、120、200日) ユーロ/円【週足】
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