総括
コロナ変異種と資源価格下落で弱い
「通貨最下位、株価2位」
「予想レンジ 南アランド円 6.6-7.1」
(ポイント)
*今週は企業信頼感指数、卸売物価 貿易収支の発表がある
*政策金利は3.5%で据え置かれた
*南ア発のコロナウィルス変異種が世界に拡散している
*従来のワクチンが南ア変異種に効くかどうかは意見が分かれる
*今年は資源価格が下落している
*通貨ランドは弱いが、株価は強い
*世銀の成長見通しは3.3%
*3Q・GDPは前期比66.1%増
*南アへの投資は順調
*予想通り格下げされる
*南アの財政赤字は対GDP比62.2%
*経済対策財源は公務員給与の昇給凍結
*IMFは、南アの2020年の成長率予想をマイナス8%に据え置く
*中銀の20年インフレ見通しは3.84%
*電力供給は不安定
(市況)
2週連続陽線となったが、12通貨中最下位は変わらず。依然、南ア発のコロナウィルス変異種が悪材料となっている。南アの伝染病専門家は、南アで検出されたコロナウイルスの変異種について、人の細胞に結合しやすく、感染力が従来種よりも強いことが生物学的に確認されたと発表した。さらに、過去にコロナに感染していても変異種に対する免疫はさほどなく、再感染する可能性があると指摘した。英国では南アの変異種について、接種がようやく始まったワクチンの効果が低下する恐れがあるとの懸念が出ているが、専門家はこの問題に対する答えは現時点では得られていないとの見方を示している。
また去年は堅調推移した南ア産出の金、銀、パラジウムなどの価格が下落しているのも売り材料(白金は上昇)。ただ今年の株価は好調で世界16市場で2位、ナスダックより強い。ランド上昇にはやはりコロナ感染の抑制が必要なようだ。
(政策金利)
南ア中銀は政策決定会合で、政策金利を3.50%に据え置いた。インフレ見通しに対する全体的なリスクは短・中期的に均衡しているとの見方を示した。
中銀総裁によると、5人の政策委員のうち3人が金利据え置きを支持、2人が0.25%の利下げを主張した。総裁は「景気回復の遅れによって今年および来年のインフレ率が目標レンジ(3-6%)中央値を下回る水準で維持される」と指摘。「金融政策によって金融情勢が緩和され、新型コロナウイルス感染症の経済的影響に対する家計や企業の耐性が強まっている」と述べた。
また「経済・金融情勢は当面の間、不安定な状態が続くだろう。この不確実性の高い環境下で、政策判断は引き続き指標次第で、見通しに対するリスクのバランスに影響されやすい」とした。
(南ア閣僚、コロナで死去 反アパルトヘイト元闘士)
ジャクソン・ムテンブ大統領府相が、新型コロナウイルス感染症に関連した合併症で死去した。政府によると、ムテンブ氏は1958年生まれ。10代から反アパルトヘイト(人種隔離政策)闘争に参加し、南ア初の黒人大統領となった故ネルソン・マンデラ氏の政権下で、95~97年に与党アフリカ民族会議(ANC)の報道官を務めた。
ムテンブ氏は今月、自身のツイッターで陽性を公表し「われわれは新型コロナ感染症に打ち勝たなければならない」と表明していた。
感染力の強い変異種が猛威を振るう南アでは、昨年12月から感染者が急増。アフリカ疾病対策センターによると、これまでに約137万人の感染が判明している。
(12月貿易収支予想、現在7か月連続黒字)
現在7か月連続黒字で12月は300億ランドの黒字予想、ランドを下支えしている
テクニカル分析(ランド/円)
ボリバン下限から中位へ反発も週末は下位、雲中へ下落
日足。ボリバン下限から中位へ反発も週末は下位、雲中へ下落。1月18日-22日の上昇ラインがサポート。1月21-22日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
週足。雲の上に出るも12月21日週-28日週の上昇ラインを下抜き下落。1月11日週-18日週の上昇ラインがサポート。かろうじて雲の上。
月足。5か月連続陽線だが中位を越えたところから下落。今月はここまで陰線。11月-12月の上昇ラインを下抜く。20年1月-12月の下降ラインが上値抵抗。10月-11月の上昇ラインがサポート。
年足、16年-19年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
茂木外務大臣が南アを訪問
茂木外務大臣が南アを訪問。パンドール・国際関係・協力大臣との間で外相会談を行った。日本は、TICAD を通じた保健分野の協力の実績を踏まえ、南アに対し、国際機関や地域機関を通じて、保健医療物資の供与、危機管理能力の強化及び保健医療体制の強化等の支援の実施したと伝えた。
南ア出発前、茂木大臣は、空港にてラマポーザ大統領からの電話を受け、同大統
領より、今回は日程の都合上直接お会いできず残念だが、茂木大臣の南ア訪問を心から歓迎し、パンドール大臣と充実した議論ができたと聞いている旨述べ、茂木大臣からは、パンドール大臣との間で非常に有意義な意見交換を行った、TICAD8 に向けた協力を進め、南アとのビジネス関係や人的往来を更に促進し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて連携していきたい旨述べた
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