総括
5円からの急落止まり反騰、軒並み経済指標改善
予想レンジ 4.5-5.0
(ポイント)
*経済指標は改善、雇用、貿易収支、企業信頼感指数、製造業PMIなど
*来週の注目は消費者物価、インフレは4%に上昇、今後も金融緩和が続けられるかどうか
*政策金利は11会合連続で引き下げられたが前回の利下げ幅は0.25%に縮小
*中銀が発表した調査では、20年の実質経済成長率はマイナス9.97%
*米、加、メキシコとのコロナ渡航制限継続
*中銀は流動性供給を延長
*ハリケーンで一時原油価格が上昇
*5月からのペソ安定は貿易黒字と海外からの送金によるもの
*債務拡大でソブリン格付けの引き下げも話題になり始めている
*株価は安い、年初来13%安
*メキシコでコロナウィルスワクチンの治験と製造が始まる
*7月自動車販売は前月比増加
*2Q・GDPは過去最大の落ち込み
*大統領は経済が4月と5月に「底を打った」と指摘
*対米貿易依存度が頗る高い
*緊縮政策で大統領支持率が急落
*2019年のGDPは10年ぶりのマイナス成長
*2019年は20年ぶりの貿易黒字
(8月失業率改善)
8月の失業率は5.2%と、7月の5.4%から改善した。新型コロナ感染による経済活動の規制を緩和したことによるものだ。
雇用者数は7月の4千970万人から5千40万人へ増加した。失業率は7月からは改善したが1年前は3.7%であった
(8月貿易収支)
8月は61.16億ドルの黒字であった。7月は57.99億ドル。前年同月はわずか4億ドルの黒字であった。月間では最大の黒字。ただ貿易取引拡大による黒字増加ではなく、輸出が前年比7.7%減少、輸入が22.2%減少と取引縮小からの黒字拡大であった。前向きな数字ではないがペソの需給は改善した。
(9月企業信頼感指数改善)
9月企業信頼感指数は40.5で8月の39.1から改善した。4月からでは最高の数字となった。コロナ感染でのロックダウンから経済が再活動したことによるものだ。
(9月製造業PMI)
9月製造業PMIは42.1と8月の41.3から改善した。雇用や製造業の年末へ向けての生産見通しが改善した
(来週は消費者物価)
来週は9月の消費者物価の発表がある、このところ4%を超えてきたので前回の利下げ幅も前回会合までの0.5%からは縮め0.25%となった。予想は4.1%
インフレ率はこのところ、総合指数もコア指数ともに約4%上昇で推移しているが、中銀は中長期的には3%を超える「安定した」見通しを想定していると指摘。ただ、インフレ軌道のリスクバランスはなお不透明とし、「インフレ、経済活動、金融市場について言及されたリスクを考慮すると、金融政策と経済全般に大きな課題が生じる」と述べた。
中銀は新たな情報に基づいて、新型コロナ危機による生産性への影響や「現在直面している金融ショックの展開」を考慮し、今後「必要な全ての措置」を講じると強調した。
(トヨタの生産4割増強へ)
トヨタ自動車は、メキシコ中部グアナフアト州にある工場を拡充する。小型ピックアップトラック「タコマ」の生産能力を現状の年10万台から、2022年をメドに13万8千台に引き上げる。投資額は1億7千万ドル。主な販売市場である米国やカナダでの需要増に対応する。グアナフアト州のシヌエ知事は「非常に満足している。500人の追加雇用が創出される」と指摘した。
トヨタはメキシコでは、北西部バハカリフォルニア州にも工場を持ち、同国内に2つの拠点を構えている。20年8月のメキシコ国内の生産台数は1万7277台と、前年同月に比べて5%減となった。新型コロナウイルスの感染拡大で生産は大きく落ち込んだが、現状はほぼ通常稼働に戻っている。
テクニカル分析
ボリバン下限下抜きから反発 雲の上に
日足、ボリバン下限でもみ合った後、上昇。雲の上へ。9月15日-18日の下降ラインが上値抵抗。9月30日-10月1日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。ボリバン下位。
週足、ボリバン下限から反発。9月14日週-21日週の下降ラインが上値抵抗。5月4日週-9月21日週の上昇ラインがサポート。
月足、8月は6月-7月の下降ラインを上抜く。6月-9月の下降ラインが上値抵抗。8月-9月の上昇ラインがサポート。
年足。16年-19年の上昇ラインを下抜く。15年-20年の下降ラインが上値抵抗。
VAMOS MEXICO
中南米の日系人施設、存続へ支援呼びかけ コロナで収入減
メキシコシティにある日墨協会は1956年の発足で、日本語学校やマンガ図書館、集会場などを備える。日系人や市民の憩いの場だったが、4~6月はレストランの営業を停止し、イベントはいまも止まったままだ。
日墨協会はネット上で資金を募るクラウドファンディング(CF)に乗り出した。日本のCF大手CAMPFIRE(キャンプファイヤー)を通じて10月下旬まで資金を募集。毎年の改修や改装に必要な400万ペソ相当の確保を目指す。
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