総括
ボリバン上限上抜きから1週間でボリバン下限下抜きという急変
「通貨11位、株価10位」
「予想レンジ 南アランド円 5.8-6.4」
(ポイント)
*6.5への上昇は6月、7月に続き9月も阻まれた
*ボリバン上限上抜きから1週間でボリバン下限下抜きという急変となった
*今週は消費者物価と貿易収支に注目したい
*9月は資源価格の下落もランド安に繋がっている
*10月1日からロックダウンの緩和が行われる
*政策金利は据え置かれ金融緩和サイクルが停止
*インフレ率は目標範囲内に収まる
*中銀はGDPが今年8.2%縮小すると予想
*2Q・GDPは予想より悪化の51%減
*ANC内部の汚職問題が糾弾されている
*5Gは中国ファーウェイを採用 対中関係は良好
*中銀の20年インフレ見通しは3.4%
*1Q若年層の失業率は 59.0%
*17年ぶりに経常黒字
*不良債権拡大の恐れがある
(政策金利据え置きで上昇もテクニカル、世界的リスク回避で下落)
2Q・GDPが前期比で51%縮小の中でありながら、インフレが3-6%の目標圏内へ戻ったことで政策金利を据え置いたことは、新鮮味があり対円で6.5近辺へ上昇したが、6月、7月同様に6円台後半へは伸びず反落した。ボリバン上限に行きついたこともあり、世界的なリスク回避の流れで資源価格が急落したこともあった。ボリバン上限上抜きから1週間でボリバン下限下抜きという急変となった。
その中で中銀総裁は金融緩和に頼りすぎても景気回復はないとクギをさした。
ボリバン下限なのでここからさらに売るのは危険だが、反発には世界的なリスク選好の流れで資源価格が上昇することや、3Qの南アの経済が市場最悪の2Qから反発するのを待つしかない。
(今週の指標)
8月卸売物価、2Q失業率、8月企業信頼感指数、8月消費者物価、8月貿易収支などである。インフレが引き続き、3-6%のターゲット内で推移するかどうか、また貿易黒字を維持できるかどうか(グラフは最近の貿易収支で黒字が続いている。単位は百万ドル)
(資源価格の下落)
9月は世界的なリスク回避の動きで南ア産出の資源価格も下落している
(現行の金融政策)
中央銀行として需要ショックへの対応に重点を置き、以下5つの刺激策を取っているとした。
政策金利の切り下げ:2020年1月~7月に、5段階に分けて6.5%から3.5%に切り下げ
(3.5%は過去最低)
銀行への追加の流動性資産供給
銀行の流動性カバレッジ比率(LCR)などの最低水準の引き下げ
中小企業支援向け基金:最大でGDPの4%となる2,000億ランド
国債の買入:発行済みの南ア国債を計300億ランド市場から買入・保有
テクニカル分析(ランド/円)
ボリバン上限越えから一気に下限下抜き
日足。ボリバン上限越えから下限下抜きへ下落。9月24日-25日の上昇ラインがサポート。9月21日-25日の下降ラインが上値抵抗。雲の下限。ボリバン下限。5日線下向き。
週足。ボリバン上限に届かず、9月7日週-14日週の上昇ラインを下抜き下落。8月10日週-9月21日週の上昇ラインがサポート。ボリバン下位。
月足。6月、7月の長い上ヒゲで8月は下落スタートも8月は長い下ヒゲで返す。9月はここまで長い上ヒゲ。7月-9月の下降ラインが上値抵抗。5月-8月の上昇ラインがサポート。ボリバン下位。雲の下。
年足、16年-19年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
10月1日から規制緩和、日本はどうなる
ラマポーザ大統領は警戒レベル1への引き下げと10月1日からの国境の一部再開を発表した。
アフリカ諸国、および感染率が低く感染速度が遅いアフリカ域外の国々との渡航を10月1日から許可する。9月23日時点で、感染率が高い国の基準や国のリストは発表されておらず、日本が含まれているかについても不明だ。南ア政府は3月末に開始したナショナル・ロックダウンと同時に、南ア人および在住外国人の本国帰還を除いて、原則として海外渡航を禁じてきたが、ロックダウン前に政府独自の基準により「高リスク国」「中リスク国」などを定義し、出入国の制限を行っていた。この際、日本は高・中リスク国いずれにも含まれておらず、今後の詳細の発表が注目される。
なお、企業活動はほぼ全面的に再開が認められているが、政府は、在宅勤務が可能な場合は在宅勤務の継続を推奨している。
活動禁止が続く主な活動は以下のとおり。
ナイトクラブの営業
余暇を目的とした国際客船の運航
国際スポーツイベントの実施、あらゆるスポーツイベントの会場での観戦
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