総括
メキシコもリスクオフ免れず、次の焦点は4Q・GDP
(年初来通貨首位、株価4位)
予想レンジ 5.50-6.0
(ポイント)
*中国発新型肺炎でペソ、株価ともに下落も、世界水準では上位に位置している
*メキシコでも新型肺炎感染者発生か
*次の焦点は4Q・GDP
*インフレ低下継続、利下げ観測あり
*米国は新NAFTA批准、残るはカナダ
*ボリバン上限から反落、日足、週足
*米中貿易戦争はメキシコに漁夫の利となった
*自動車輸出は米国頼みである
*3Qも経常収支は黒字となった、経常収支の改善でペソは弱くはない
*成長見通し下方修正
*大型財政出動あり
*貿易収支も改善中
*海外からの直接投資が増加している
*政府はペメックスに支援、格付け会社は好感
*大統領の支持率はピークより低下し60%を割り込んだ
(市況、中国発肺炎、4QGDPなど)
中国発のコロナウィルス肺炎拡大によるリスクオフでメキシコペソや株価は下落。ただそれでもペソは年初来最強通貨であり、株価も上位にいる。暫くはWHOが「緊急事態」宣言をするかどうかに注目が集まる。
12月失業率は2.9%となり、11月から大きく改善した。次の焦点は1月30日発表の4Q・GDP。予想は前期比0.6%増、前年比0.1%増と低成長は続く。
(利下げは続くだろう)
2019年12月消費者物価指数(CPI)上昇率は、過去50年間で2番目に低い2.83%となり、インフレ・ターゲット(3%±1%)の中央値を下回った。中銀は2019年に政策金利を4会合連続で引き下げ、年初に8.25%だった金利は12月19日には7.25%になった。インフレ率が低水準に抑制されている状況を受け、今後も利下げ局面が続くという見方が強まっている。
(残るはカナダ 新NAFTA)
カナダのトルドー首相は、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の批准に向け、1月29日に関連法案を提示すると明らかにした。首相は27日の議会休会明けを前に記者団に対し「新NAFTAの議会承認はわれわれの優先課題だ」と語り、協定の迅速な批准を約束した。
(中米の移民希望者数百人がメキシコに違法流入、治安部隊と衝突)
中米諸国からの数百人の移民希望者が1月20日、グアテマラからスチアテ川を渡ってメキシコへ違法に入り込み、一部で治安部隊と衝突が発生している。米国に対して移民流入抑制を約束したメキシコのロペスオブラドール大統領にとっては、新たな難題を突き付けられた形だ。
移民希望者の大半はホンジュラス人で、「われわれはここに定住しに来たのではなく、川の向こう側に行きたいだけだ。自分の国には帰りたくない。何もなく、空腹があるだけだ」と切実な境遇を訴えた。
(メキシコにもコロナウイルス肺炎か)
ロペスオブラドール大統領は1月22日、新型コロナウイルスの感染が疑われる男性患者が北東部タマウリパス州で見つかり、確認を進めていると明らかにした。地元メディアによると、患者は大学教員の男性)で、先月下旬以降に中国・武漢を訪れていた。
保健当局は早ければ1月23日にも結果が判明する見通しだとしている。
テクニカル分析
ボリバン上限から反落
日足、ボリバン上限から反落。1月20日-23日の下降ラインが上値抵抗。1月8日-23日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
週足、ボリバン上限到達後、今週は反落。1月6日週-13日週の上昇ラインを下抜く。
12月2日週-1月6日週の上昇ラインがサポート。雲の上。
月足。19年4月-12月の下降ラインを上抜く。19年10月-12月の上昇ラインがサポート。ボリバン上限は6.16あたり。
年足。16年-19年の上昇ラインがサポート。17年-18年の下降ラインを上抜く。14年-15年の下降ラインが上値抵抗。
VAMOS MEXICO
昨年の殺人件数は3万4582件 過去最多に
メキシコ治安省は2019年に発生した殺人件数は過去最多だった前年の3万3743件を上回り、1997年の統計開始以来最多の3万4582件と発表した。1日あたり92.4人。
本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたしま す。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。 なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、FX湘南投資グループグならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。