総括
成長見通し上方修正も外交問題あり。19円台に定着せず
*通貨最下位、株価10位
(先週=消費者信頼感指数→今週=企業信頼感指数、経済信頼感指数 貿易収支)
予想レンジ トルコリラ/円 18.5-19.5
(ポイント)
*成長見通し上方修正、指標改善も改善。ただ19円台に定着せず
*OECDが成長見通し上方修正
*EBRDは来年のプラス成長を予想
*来年は5%成長を目指す(政府)
*1月にトルコ・ロシア首脳会談あり
*IS戦闘員を出身国に年内送還
*米トルコ首脳会談はS400購入問題を除けば実りあるものとなった
*経常収支は黒字が続く、貿易赤字は改善
*9月鉱工業生産、小売売上は改善した。8月失業率は悪化
*EUが対トルコ制裁を決定(キプロス沖での石油開発で)
*フィッチが格付け見通しを上方修正
*10月消費者物価は低下
*大統領支持率が上昇
*政策金利は三たび予想を大きく上回る下げ幅となった
*EUとの間で難民問題あり
*観光業は好調
*海外からトルコ国内への投資は増加
*トルコは軍事でよりロシアに接近している
(成長見通し上方修正、3Q・GDPが次の焦点.)
続々と世界の調査機関がトルコの成長率見通しを上方修正している。OECDも先週、2019年の成長率を9月の0.3%減から0.3%増へと上方修正した。2020年は3%増(前回9月予想1.6%増)、2021年は3.2%増(同2.3%増)とそれぞれ上方修正した。それだけに12月発表の3Q・GDPが注目される。予想は前期比で0.5%増、前年比で0.9%増。
(今週の経済指標の予想も良し)
今週は11月消費者信頼感指数の発表がある。今週は他に11月企業信頼感指数、経済信頼感指数、10月貿易収支の発表があり、企業信頼感指数(結果=100.9から102.0へ改善)、経済信頼感指数は改善が予想されている。
(トルコの問題点)
問題は外交であり、ロシアからのS400ミサイルの購入に対し、米国は反発し購入放棄を要求している。シリア北部問題では、トルコが軍事作戦で制圧したシリア北部の町で爆弾を積んでいたとみられる車が爆発し、少なくとも9人が死亡したと伝えられている。トルコ軍が管理するこの地域では今月に入って4件の爆発が相次いでいて、トルコ政府はクルド人武装組織による犯行だとして非難を強めている。
欧州との対立も続き、エルドアン大統領は、EUが対トルコ制裁を決めたことを批判、EUとの交渉を打ち切り、拘束中の過激派組織「イスラム国」(IS)戦闘員を欧州に送還する可能性があると表明した。EUは、トルコがキプロス沖で「違法な」石油・ガス掘削活動を行っているとして検討していたトルコに対する経済制裁について合意した。
(トルコ、大部分のIS戦闘員を出身国に年内送還=内相)
ソイル内相は、19日身柄を拘束した過激派組織「イスラム国」(IS)戦闘員の大部分を年内に出身国に送還すると述べた。
トルコはテロ組織と見なすクルド人民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」に対する軍事作戦を実施し、シリア北東部で287人の戦闘員を拘束。このほかにも戦闘員の可能性がある数百人を拘束している。
ソイル内相は、週内にIS戦闘員と疑われる6-7人を出身国に送還すると表明。送還先にはアイルランドとオランダが含まれることを明らかにした。
その上で「年内の送還数は手続きの進捗具合によるが、特に欧州については手続きが進められている」とし、「年内に大部分を送還できると考えている」と述べた。
国籍を取り消した国については、国際法に違反すると非難。「自国民を国籍がない状態にする権利はない」と述べた。
(ボーイング機購入)
トルコの航空会社サンエクスプレスはボーイング737MAX8型機10機を追加発注した。取引額は、カタログ価格で12億ドル。
テクニカル分析(トルコリラ/円)
続 19円に定着せず 膠着長くボリバン狭い
日足、ボリバン上限から反落。11月19日-25日の上昇ラインを下抜く。10月9日-15日の上昇ラインがサポート。5日線下向くか。雲上。
週足、3週連続陽線後は伸び悩む。8月26日週-10月14日週の上昇ラインを下抜く。10月28日週-11月4日週の下降ラインが上値抵抗。雲近い。10月21日週-11月18日週の上昇ラインがサポート。
月足、19年5月-7月の上昇ラインを下抜く。19年8月-9月の下降ラインも上抜く。8月は陰線であったが下ヒゲを残し9月は上昇。10月は陰線も下ヒゲを出す。
8月-10月の上昇ラインがサポートできるか。
年足 4年連続陰線、今年も陰線。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。
メルハバ
名古屋トルコ共和国総領事館
2019年11月20日、名古屋にトルコ初の駐日総領事館が開設された。当初は大阪に総領事館が開設される予定であったが、2019年10月30日の官報で発表された大統領決定により大阪に代わって名古屋に設置される運びとなった。11月22日に開催された開設式典では、メヴリュト・チャヴシュオール外務大臣、ハサン・ムラット・メルジャン駐日大使、メフメト・セルタチ・シェンメザイ総領事、大村秀章愛知県知事、河村たかし名古屋市長らが居並んでテープカットが行われ、チャヴシオール外相のツイッターでもその様子が公開された。
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