ドル/円:上値余地を探る動きが継続中。強い上値抵抗にも注意。
日足は3手連続陽線引けとなり下値を切り上げる流れを維持しているが、直近の陽線が上昇余力に欠けるものであることや、108.50-60の抵抗を上抜け切れておらず、週初の上値トライでもこれを上抜け切れない場合は一旦押しが入る可能性が高くなる。一方で、107.00-10に日足、週足ベースで見た強い下値抵抗が出来ており、これを割り込んでこないと下値余地も拡がり難く、押しは一旦買い場となる可能性が高い。短期トレンドは“ドルやや強気”の状態に戻しており、108.60超えで終えれば一段と強い抵抗のある108.80-90超えトライの動きが強まり易くなるが、週足ベースで見た強い抵抗が109円台前半に控えており、ドル急伸にも繋がり難いと見られる。短期トレンドは106.50割れで終えない限り変化しないが、107円割れで終えた場合は日足の形状が悪化するので下値リスクに注意が必要となる。日足の上値抵抗は108.50-60、108.80-90、109.30-40に、下値抵抗は107.50-60、107.00-10、106.50-60にある。21日移動平均線は107.68に位置しており、これを上抜けた位置をキープして107円台の足元を支えている。120日線も108.04に位置しており若干上抜けているが、こちらは強いサポートとはなり難い。また、200日線は109.07にあり、上値抵抗として働く可能性を残している。 一方週足は、前週の陰線の値幅を切り返して実体のしっかりとした陽線引けとなり、週足の形状が改善して再び上値余地を探る動きが強まる可能性が生じている。また、先週の値動きの中で107.00±10銭に強い抵抗が出来ており、これを下抜けて越週しない限り、下値余地が拡がり難い形となっている。一方で、週足ベースで見た強い上値抵抗が108.90-00、109.40-50にあり、続伸に繋げた場合でもこれらが週足の終値ベースでは強い上値抵抗として働く可能性が高い。また、可能性がやや低い状態だが106.90以下で越週するか、値動きの中で106.50割れを見た場合は短期トレンドが変化して、105.00~106.00ゾーンにある下値抵抗を切り崩す動きが強まり易くなる。31週移動平均線は108.67に、62週線は110.06に位置しており、両者を上抜けておらず、中期トレンドは“ドル弱気”の流れを変えていない。 今週の戦略は、ドル買いは108.00-10の押し目を軽く拾って107.70で浅めに撤退するか、107.50-60の押し目待ち。この場合の損切りは下値リスクが点灯する106.80か、深い場合は短期トレンドが変化する106.40に置く必要がある。ドル売りは108.80-90で戻り売り。損切りは109.40で一旦撤退。 上値は、108.40-50に軽い抵抗が、108.60-70、108.80-90、109.10-20、109.40-50に強い抵抗が控えており、一気に上抜けるには無理があろう。下値は、108.00-10まで特に強い抵抗はない。しかし、この下の107.80-90、107.50-60、107.10-20にやや強い抵抗が出来おり、急落にも繋がり難いと見られる。但し、107円割れで終えた場合は日足の形状が悪化して下値リスクがやや高くなる。さらに106.50-60の抵抗を下抜けて終えた場合は短期トレンドが変化して106.00-10、105.60-70、105.20-30、105.00±10銭にある強い抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きへ。104.80割れの越週か、値動きの中で104.50割れを見た場合は102円方向への一段のドル下落に注意が必要となる。
ドル/円【日足】期間:2019/02/07~2019/10/11(移動平均線は21、120、200日、以下日足は同様)
ドル/円【週足】期間:2016/08/26~2019/10/11移動平均線は31、62週、以下週足は同様)
ユーロ/円:117円台で底打ちを確認。上値余地を探る動きへ。
日足は3手連続陽線引けとなり、直近の陽線が7/1に付けた123.12を起点として上値を切り下げてきた短期的なトレンドラインを上抜けて119.50超えに実体を戻しており、短期トレンドに変化が生じている。中期トレンドが強いわけではないが、長く続いた低位揉み合い状態から上抜けたことで、一段の上昇に繋がる可能性が生じており、当面は押し目を拾って流れに付いて行く方針で良さそうだ。短期トレンドは“ユーロやや強気”に変化しているが、118円割れを見た場合は“ニュートラル”な状態に戻すことになる。この場合でも、116.50割れで終えない限り“ユーロ弱気”に変化しない。日足の上値抵抗は120.00-10、121.10-20、121.80-90に、下値抵抗は119.00-10、118.50-60にある。21日移動平均線は118.33にあり、これをしっかり上抜けて短期トレンドは“ユーロ強気”の流れにある。しかし、120日、200日線は120.48と122.39に位置しており、中期トレンドは“ユーロ弱気”の流れに変化が認められない。 一方直近の週足は、寄り付き安値の大陽線となり、3週分の陰線の値幅を切り返している。118.80-90にあった週足の上値抵抗も上抜けており、短期トレンドに変化が生じているが、一方で、昨年9月に付けた133.12を起点として上値を切り下げる流れの中にあり、この週足の上値抵抗が121.10-20に位置していることから、これをしっかり上抜けてこないと上値余地も拡がり難い。ユーロ買いは飛びつかず押し目を待って買い狙いで。今週の週足の上値抵抗は121.10-20、122.20-30に、下値抵抗は、118.60-70、118.00-10にある。31週、62週移動平均線は121.47と124.50に位置しており、中期トレンドは“ユーロ弱気”の流れに変化が認められない。 今週の戦略は、ユーロ買いは118.90-00の押し目待ち。損切りは浅い場合で118.40。深い場合は短期トレンドをニュートラルな状態に戻す117.90に置く必要がある。ユーロ売りは今週いっぱい様子見か121.10-20の上値抵抗ポイントで軽く売り向かい。損切りは121.60で浅めに一旦撤退。 上値は、120.00-10にやや強い抵抗があるが、これをクリアした場合は120.40-50、120.80-90、121.10-20、121.50-60、121.90-00、122.20-30にある強い抵抗をどこまでクリア出来るかトライする動きへ。下値は、119.50-60に軽い抵抗が、119.10-20、118.90-00にやや強い抵抗があるが、全て下抜けた場合は118.50-60、118.00-10にある一段と強い抵抗をトライする動きへ。118円割れを見た場合は短期トレンドを“ニュートラル”な状態に戻すが、この場合でも117.50-60、117.00-10、116.60-70に強い下値抵抗が控えており、116.50割れで終えない限り、下値余地も拡がり難い。(川合 美智子)
ユーロ/円【日足】期間:2019/03/25~2019/10/11(移動平均線は21、120、200日)ユーロ/円【週足】
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