※ライブ配信終了後は、録画動画に切り替わります。
<経済指標:米CPIと中国物価>
・米5月CPIは前年比+4.2%(前月3.8%から加速、2023年4月以来の高い伸び)。コアCPIは+2.9%で予想通り
・上昇のほとんどがエネルギー由来で、コアへの波及は限定的。FRBが利上げを急ぐほどの内容ではなく、年内1回の利上げ観測は維持
・中国5月PPIは前年比+3.9%と3カ月連続プラスだが、エネルギー価格の高止まりが主因で良い材料とは言えず。CPIは+1.2%で予想を下回る
<イラン情勢の悪化>
・米軍ヘリ墜落(撃墜か事故かは不明)への報復として、米中央軍が10日朝からイランへ攻撃開始。イラン革命防衛隊も中東域内の米関連標的21カ所を攻撃したと発表
・トランプ大統領は「攻撃する」と表明した数時間後に「終了」と発言するなど一貫性がなく、CNNの集計では「イランとの合意が近い」と2カ月で37回発言
・株式市場は歴史的高値圏のため悪材料に反応するが、金利・為替はイラン関連ニュースへの反応が鈍化(ドル円の下落は10数銭〜20銭弱程度で、下がればすぐ買われる展開)
・原油は90ドル台を回復し92.3ドルまで上昇。原油高は円売り材料としてドル円の底堅さを支える
<植田日銀総裁の入院と来週の日銀会合>
・植田総裁が病気のため、来週の金融政策決定会合を欠席するとのニュース。市場の反応は限定的だが、「総裁交代の布石では」との憶測も一部で流れている
・総裁不在時は序列が決まっており、2番目が氷見野副総裁、3番目が内田副総裁
・今回は植田総裁の議決権なしの8名で決定となるため、理論上は4対4に割れる可能性も。ただしこれまでの発言から見て反対は1人程度で、7対1か8対0で利上げ決定がほぼ確実との見方
・日銀幹部は退任の憶測を否定し、7月復帰を明言しているため、過度な心配は不要か ・利上げの背景:高市政権からの圧力がある一方、利上げしなければ円安がさらに進むという板挟みの状況。利上げはするが、長期金利上昇を抑えるため国債買い入れ額の縮小を停止する方向で政権と折り合った可能性(日経新聞報道)
<注目は内田副総裁の会見>
・代理で会見に臨む内田副総裁の発言内容が最大の焦点
・内田氏はタカ派的との見方もあるが、2024年8月に「金融市場が不安定な時に利上げはしない」と発言し利上げ観測を後退させた実績があり、総裁不在の代理の立場で強気発言は出にくいとの見立て
・結果として日銀もECBも「ハト派的利上げ」と受け止められ、再び円売りにつながるリスクあり
<日銀会合後は為替介入に要警戒>
・2022年以降の円買い介入9回のうち3回は日銀会合当日を含む3日以内に実施。日米協調レートチェック(ベッセント米財務長官絡みの件)も会合当日だった
・つまり日銀イベント直後の介入実績は「10回中4回」に相当し、今回も会合後2日間程度は介入警戒が必要
<結論>
・ドル円は4月30日高値160.73円に接近しており、政府・日銀の円買い介入警戒から一方的な円安進行は抑制されつつも、イラン情勢悪化・原油高・実需の円売りが下値を支える展開
・日銀の利上げ自体はほぼ織り込み済みで、焦点は内田副総裁の会見トーン。市場参加者の多数が「利上げしても円高にならない」と見ている以上、「美人投票」の観点からも円高への転換は難しい
・ただし日銀会合後3日以内の介入実績(過去10回中4回)を踏まえ、会合直後の急変動には十分な注意が必要
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