本日のロンドン為替市場では、ユーロドルの底堅さの程度を探る展開か。中東情勢の緊迫が続くなかで、エネルギー相場は乱高下しつつも、水準はやや落ち着きを取り戻してきた。日経平均株価の大幅上昇や豪ドルの堅調さなどをみると、過度なリスク回避は後退してきている。ユーロドルは反発力こそ弱いものの、下値が堅い印象が強まってきた。
「米国とイスラエルの攻撃、イランの報復」という構図そのものに変化はないものの、国際エネルギー機関(IEA)が過去最大の石油備蓄放出を提案したことが伝わり、原油の一段高を警戒した動きは弱まってきた。もっとも、報じたウォールストリートジャーナル紙によれば、IEA加盟32カ国のうち1カ国でも反対すれば、備蓄放出は遅延される可能性があるもよう。本日の最終判断が下されるまでは、予断を許さない状況は続く。
市場の安心感がまだ脆いのは、戦争の長期化懸念を完全には払拭していないからだろう。ヘグセス米国防長官は「イランを敗北させるまで攻撃を止めない方針」を示しており、一方でイラン側は最後まで抵抗する姿勢を表明。イスラエルのサール外相は「終わりのない戦争を求めていない」と述べながらも、戦争終結の時期についてのコメントを拒否した。イラン戦争に関連したヘッドラインに注視しながらの取引が、まだしばらく継続するだろう。
なお、昨日NY終盤にはラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の発言「ユーロ圏はスタグフレーションに陥っていない」や、「2022年当時よりショック吸収力が高まっている」が伝わった。政策の不確実性は依然として高いとしながらも、市場に一定の安心感を与える内容ではある。
リスクセンチメントの改善が続くようであれば、ユーロスイスフランも反発余地が高まりそうだ。9日に0.8981フランと2015年1月のスイスショック以来のユーロ安フラン高を記録後、昨日は0.90フラン半ばまで持ち直した。まだ水準的にはフラン高ではあるが、「山高ければ谷深し、谷深ければ山高し」という相場格言もあり、中東情勢への警戒度が低下すれば、避難通貨スイスフランの売り戻しが強まることが予想される。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.1718ドル
・ユーロスイスフラン、スイス中銀が介入を示唆した2日の高値0.9131フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、9-10日上昇幅の上値から61.8%押し1.1568ドル
・ユーロスイスフラン、9日につけた2015年1月以来の安値0.8981フラン
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
