
ニコ生のライブ配信を見たことをきっかけにFXを始め、生涯収支10億円超(ご本人談、当社以外も含む)を達成した伝説の専業トレーダーとして知られる”たくしあげ所長”が、外為どっとコムのトップトレーダーインタビューにいよいよ登場。FXを始めたきっかけやFXの学習方法、損するFXトレーダーの特徴、損切りとリスク管理の手法など、FX初心者から専業を目指すトレーダーまで、誰もがすぐに役に立てられる話を伺いました。 
ハンドルネーム:たくしあげ所長
年齢 :44歳 男性
お住まい :高知県出身
職業 :専業トレーダー
FX歴 :約18年
金融商品 :FX、個別株30銘柄(毎週20万円を割り振って積立)
運用成績 :9,000万円超(2025年1月1日~8月13日:外為どっとコムの口座のみ)
父親の推奨株を買ったら、いきなり倒産!?

編集部:- FXを始めたきっかけを教えてください。

たくしあげ所長:- 私は今年44歳になります。現在の肩書は”専業トレーダー”ですが、20代の頃はまだ会社に勤めるサラリーマンでした。2000年代の初頭です。私は会社の給料だけでは不安で、株式投資を始めることにしました。

編集部:- 資産を増やそうと株式投資をすることにしたんですね。

たくしあげ所長:- 父親が銀行員でしたので、資産運用や株式投資について、色々と教えてくれるんです。「この業種いいぞ」とか、「この業種はどうなりそうだ」とか。

編集部:- なるほど。お仕事柄、金融に関しては詳しいでしょうからね。

たくしあげ所長:- 初めて買ったのは父親に勧められた会社の株式だったんですが、その会社がなんと倒産しまして(笑)。

編集部:- えっ!(笑)

たくしあげ所長:- 父親が「これは大丈夫だぞ」っていうから買ったのに、会社が倒産してしまうという苦い経験もして(笑)、「株以外にも資産が作れる投資はないのかな」って、色々と物色していく中で、結局たどり着いたのがFXです。

編集部:- FXに行き着くまでに、紆余曲折があったのですね。

たくしあげ所長:- 2007年くらいのことです。

編集部:- そうだったんですね。株式の購入資金は、ご自身で用意されたんですよね?

たくしあげ所長:- そうです。貯金で用意した100万円を使いました。一生懸命に貯めた資金がダメになったんです。「銀行員の父親のアドバイスでもダメになるんだ」って思いましたね(笑)。

編集部:- 最初からすごい経験されていたのですね。

たくしあげ所長:- 私は「株式投資がダメだったのでFXを始めました」っていうパターンです。そういう人って結構いるんじゃないかなと思うんですが、私は株式投資に固執していませんでしたから、FXは選びやすかったですね。
”ニコ生”のYouTuberを見てFXを始める

編集部:- 2007年当時は、まだまだFX会社もたくさんありましたよね。どのようにして業者は選択したのですか?

たくしあげ所長:- これは私がFXを始めたきっかけのひとつでもあるんですが、現在のYouTubeの前身というか、「ニコニコ生放送」というインターネットのライブストリーミングがあって、仕事が終わって帰宅してから、為替レートが”パッパッ”って動く中で、「100円が取れた」とか、「1,000 円が取れた」とか、「ニコ生」のリアルタイムトレード番組をよく見ていたんです。

編集部:- YouTuberの先駆けですよね。

たくしあげ所長:- その人たちがトレードで利用している口座で、私はまず開設しました。まあ、マネをしたんです。

編集部:- なるほど。

たくしあげ所長:- 当時は多くのFX会社が新規顧客を獲得する目的で、色々とキャンペーンをされていました。例えば、「〇〇回取引すると1万円をキャッシュバックします」なんていうキャンペーンは、サラリーマンだった私にしてみると、本当に「ありがたいお金」でしたから、私、ほとんどのFX会社で口座開設したと思います。

編集部:- なるほど。

たくしあげ所長:- 多分、キャッシュバックキャンペーンだけで数十万円もらったと思います。

編集部:- 当時はまだスプレッドも広かったから、取引するのも大変だったんじゃないですか?

たくしあげ所長:- そうですよね。先日、ちょっと興味本位で調べてみたんですが、米ドル/円でスプレッドが1.0でした。その後レート表示が小数点以下3ケタ表示になって、スプレッドが0.8になりましたよね。

編集部:- そうですね。

たくしあげ所長:- その後は0.4、0.2ですよね。下2ケタ表示のスプレッド1.0から、下3ケタ表示でスプレッド0.8になるというタイミングで私は始めました。

編集部:- 海外FXには関心はありませんでしたか?

たくしあげ所長:- 特にないですね。当時は国内のFX会社にレバレッジ規制が入る前で、中には300倍みたいなFX会社もありましたからね。個人投資家はみんな、当局のレバ規制に震えていました。
YouTuberのマネで証拠金の8割を失う

編集部:- FX初心者のときはどのようなトレードスタイルだったんですか?

たくしあげ所長:- まあ、YouTuberのマネですね。相場に入って10秒後、20秒後に決済ボタンを押したら10円増えているとか、100円増えているとか、最初の投資が株式だったんで、投資商品の評価額が減ること自体に、あまり抵抗はありませんでした。

編集部:- YouTuberのトレードをコピーすることから始めたんですね。

たくしあげ所長:- FXにおける最初の苦い経験は、当時トレードを参考にしていたYouTuberで、「FXのトータルの収支がプラスになっている」という人がいて、「米ドル/円のロング(買い)ポジションを持っている」というので、「それをマネすれば間違いないだろう」と考えて、”ドルロング”したんです。

編集部:- 同じような持ち方をしたのですね。

たくしあげ所長:- ところが朝7時にアラートが鳴って、「証拠金が足りません」っていうメールが来たんです。本当に焦って「追加入金しなきゃ」と、入金するために、コンビニまで走ったんですが、間に合わなくて、ロスカットされていました。

編集部:- それはホロ苦い過去ですね。ちなみに損失はどれくらいですか?

たくしあげ所長:- 100万円の資金が20万円まで減りました。レバレッジもかなりかけていましたからね。

編集部:- 資金が80%減ですか。それは痛いですね。

たくしあげ所長:- その時、「FXってこんなことが起きるんだ」って思いました。それでちゃんと勉強することにしました。

編集部:- 想像以上に大きな損失が出ると、投資を止めてしまう人もいます。でも、たくしあげ所長には「まだ続けよう」という気持ちは残っていたのですね。

たくしあげ所長:- そうですね。少ないかもしれませんが、やっぱり「FXで成功している人がいる」ということを知っていましたからね。当時は株式投資のBNFさんのような”億トレーダー”がメディアに登場し、個人投資家が”名をあげた”時代でした。

編集部:- そうですね。大学生がデイトレードで巨額の資産を生み出していたことに、多くの人たちが驚かされました。

たくしあげ所長:- 投資は「そういう夢が持てる世界だ」と思っていました。サラリーマンから一歩を踏み出して、「自由にお金が使えるような立場になるには、こういう方法しかないんだ」とも思っていました。だから「もっと頑張ってFXを勉強しよう」と、気を引き締めたことを覚えています。

編集部:- 円キャリートレードが盛んだった時代ですよね。

たくしあげ所長:- そうですね。現在の米ドル/円のスプレッドは0.2が一般的な水準ですが、当時のような0.8や1.0でした。やっぱり、長めに持たないと利益が獲得できませんでした。スワップポイントはプラスで、為替レートが1米ドル=90円くらいでした。「もうこれ以上は下がらないだろう」と思って、みんなが円を売っていました。

編集部:- 主要通貨だけじゃなく、今ほどではありませんが、ある程度の通貨ペアの種類が用意されていたと思うんですが、トレードされていたのは米ドル/円だけですか?

たくしあげ所長:- 当時はもう「米ドル/円しかない」と思ってトレードしていました(笑)。

編集部:- 初心者は米ドル/円だけでトレードする人が結構多いのですが、長期目線に立つと、魅力的な通貨ペアもいろいろありますよね。

たくしあげ所長:- おっしゃる通りです。スワップポイントがたくさんついて、投資対象として結構いいものがあります。その点については、「視野を広げてもいいんじゃないかな」とよく思いますね。現在の私は、米ドル/円、ユーロ/米ドルとユーロ/円という3通貨ペアで主にトレードしています。それに加えて、その他の「クロス/円」の通貨ペアを”ちょこちょこ”っと見ています。

編集部:- 米ドル/円だけじゃなく、複数の通貨ペアでトレードされるようになったのですね。

たくしあげ所長:- FXを始めたころは、誰にも教えてもらえなかったので、とにかく自分の”手探り”でも分かる米ドル/円を選択したんです。でも今は、外為どっとコム総合研究所が、毎日YouTubeでFXに関する動画を配信されているように、FXに詳しい専門家が詳細な情報を発信するようになりました。そうすると個人投資家も知識がどんどんと身につきます。本当にいい時代になったなと思います。
損失を出したFXトレーダーで学ぶ

編集部:- たくしあげ所長はFXについての勉強をどのようにされたんですか?

たくしあげ所長:- これが結構難しかったんです。FXのYouTuberって、正直いうと、「本当に利益を出しているどうか」分からないところがあると思うんです。私たちが気をつけなきゃいけないのは、悪い”詐欺師”もいるってことです。それは今も昔も変わらない。

編集部:- 最近はネットのフェイクニュースも精巧で、見分けがつかないものが少なくありませんよね。今、ネット情報は発信元の信用性が問われています。

たくしあげ所長:- だから私は「利益を出している人」のマネではなく、「損失を出した人」を探すことにしたんです。利益を出している人のマネではなく、損失を出した人の理由を分析するほうがいいって考えたんです。損失を出して市場から退場してしまう人は、間違いなく「本当に失敗したんだ」っていうことです。でも、そういう事例について書かれた本はありません。

編集部:- そうですよね。

たくしあげ所長:- 逆に「移動平均線を使ったテクニカル分析で必ず利益が出せます」みたいな本はあるじゃないですか。でも、自分はそれが本当かどうかも分からなかった。だから、「損失を出した人の逆をやれば利益が出せる」と思ったんです。

編集部:- なるほど。「失敗は成功のもと」ということですね。

たくしあげ所長:- それで動画配信やブログで、FXで損を出している人のデータをひたすら集めて分析しました。その人たちがやっていることをやらないようにすれば利益が出せる。少なくとも「生き残れる」って考えたんです。これが私の勉強方法だったと思います。実際に調べてみると、損失を出している人は同じようなことをしていました。
損するFXトレーダーの共通点

編集部:- 興味深いですね。損失を出している人の特徴を教えてください。

たくしあげ所長:- よくあるパターンを紹介しましょう。まずエントリーします。そのときは1分足チャートを見ながら、その人は「チャートがここにきたら利確します。ここにきたら損切りします」って、視聴者に説明するんです。

編集部:- YouTuberのライブ配信ですね。

たくしあげ所長:- ただ、都合悪く、相場はどんどんと逆行してしまったんです。すると急にチャートを5分足に切り替えるんです。それで「チャートがここにきたら」「ここにきたら」と言いながら、次々とローソク足の時間を長くして、最後は「1時間足」で、「これなら大丈夫」って説明をし始めるんです。しまいには「日足」です(笑)。

編集部:- 自分が損切りしなくていい理由を作っていくんですね。つまり「損切りができない人」なんですね。

たくしあげ所長:- エントリーしたときに決めた損切りの理由をどんどんと”上書き”して、損切りラインを動かしてしまう人は、利益確定が早くて、損切りがめちゃくちゃ遅いんです。損失を出している人に一番多いパターンだと思います。

編集部:- 決断ができないんですね。

たくしあげ所長:- 例えば、ライブ配信でトレードを見せていると、コメント欄に「お前、それさっき言っていたのと違うだろ」って、ツッコミを入れられます(笑)。配信の場合、視聴者から結構あおられるんです(笑)。私はそういう光景をたくさん見てきました。ただ、自分自身もトレードしていると、やっぱり、自分に都合よくチャートの動きを解釈してしまうんで、損切りは遅れがちになります。

編集部:- 人間心理としてはそうなんでしょうね。

たくしあげ所長:- だから、自分が損切りの理由を変えようとした瞬間に、ダメなYouTuberの姿がフラッシュバックしてくるんです。それで自分はかろうじて損切りができています。

編集部:- あの姿が自分への戒めになっていると。

たくしあげ所長:- FXトレードは俯瞰(ふかん)から見るのが結構大事だと思っています。「自分のトレードは正しい」と思いたいから、自分に言い訳をして、損切りポイントを変えていい理由を探してしまうんです。

編集部:- 客観的にトレードを見て、冷静に損切る勇気が持てないと生き残れないのですね。

たくしあげ所長:- まあそうですよね。やっぱり、1分足で判断して入った理由を、急に日足で判断するように条件を変えてしまってはダメですよね(笑)。
毎年証拠金を1,000万円にしてリスク管理

編集部:- たくしあげ所長は2007年にFXを始められて、現在に至るまでの成績はどのようなものだったんでしょうか?初年度から利益は出ていたんですか?

たくしあげ所長:- いや、プラスにはなっていたと思いますが、たいしたことはなかったです。収支だけはメモを残していたんですが、トレード自体を記録していないんで、正確にはわかりません。ただ、事実として残っているのは、100万円の資金を20万円にまで減らすという大失敗をした後に、サラリーマンとしての給与も投入して、証拠金を1,000万円にしてやり直したことです。

編集部:- 米ドル/円のロングでロスカットされた後ですね。

たくしあげ所長:- そして、1年間毎に口座から利益を別口座に移動、また証拠金を1,000万円にしてリスタートするやり方を続けました。当時の私は「生き残るためには、これがベストの方法だ」と思っていました。

編集部:- 毎年、証拠金1,000万円にリセットして、トレードを繰り返すんですね。

たくしあげ所長:- その後、自分の資金が何千万円、何億円なんて話になるとは、まったく思っていませんでした。そうやって資金を守りながらFXをするのが正しいと思っていました。

編集部:- リスク管理の方法としては良さそうです。

たくしあげ所長:- その後、ちょっと無茶な枚数を張るような連中と知り合うことになって(笑)、そこから自分の考え方も変わるんですが、それまでは本当に「資產形成のためのFX」をやっていた感じです。

編集部:- 最近は違うんですか?

たくしあげ所長:- そういうやり方をする人って、もういないんじゃないかな。2,000万円以上の証拠金でトレードする人の中に、そういうやり方している人を知りません。今はどんどん枚数を増やして、レバレッジをかけて、最短で資金を増やしていく方法が主流です。ただ、個人的にはしっかり資産を増やしたい人にとって、そういう方法はありかなと思います。
損切りはチャートの動きで柔軟に

編集部:- リスク管理という点で、たくしあげ所長の損切りルールにとても興味があります。どのような考えをお持ちですか?

たくしあげ所長:- 損切りルールとして、エントリーポイントから何pipsって決めている方が、結構たくさんいらっしゃいますよね。でも私はそういう方法は取っていません。

編集部:- そうなんですか?

たくしあげ所長:- 例えば、「6pipsで損切り」とか、「10pipsで損切り」とか決めても、そんなに都合よくはいかない。自分の思い通りに相場を動いたら苦労はありません。私が決めるエントリーポイントや損切りラインは、重要な節目というか、前日安値だったり、月足で見た年初来安値だったり、そういう重要な節目をどうブレイクするかを見て損切りを決めるっていう感じがあって、勢いよく、ダマシで下がっていく場合は、ちゃんと損切りして、勢いよく抜ける場合は切りません。

編集部:- どういう理由で下げているかを見て、損切りのタイミングを変えるんですね。

たくしあげ所長:- そうですね。じっくりと全部を消化しながら落ちてくるような場合も損切りです。下落の勢いに判断が影響されているように思います。“機械的”な損切りでは、結果的に損をしてしまうことが多いように思います。
損が出ても淡々とトレード

編集部:- 損失を出してしまったとき、読みが外れて損切りしなければならなくなったときなど、ご自身の感情のコントロールはどのようにされているのでしょうか?

たくしあげ所長:- 最近の若いトレーダーと話をしていて、全然考え方が違うなと思うことがあったんです。例えば、自分が「入りたい」って思うタイミングが100回あったら、私は「100回全部入る」っていう考えなんです。どんな状況でも、どんな環境でも、自分が「チャンスだ」と思ったら、「必ず入る」ということを信念にしています。

編集部:- チャンスは逃さないということですか?

たくしあげ所長:- 言い換えると、損失を出しても、次のトレードには絶対影響を及ぼしてはいけないっていう信念です。直前のトレードで損失が出てしまったから、ロット数を上げて取り戻そうとは思わず、次もまた淡々とやろうっていう感じです。

編集部:- 客観的事実を受け入れるようなことですかね。

たくしあげ所長:- だから、メンタル的な問題を感じたことは特にありません。ただ、今年の前半は、トランプ氏が大統領に就任した1月以降は、訳の分からない値動きが多くて、反省する機会が増えました。チャートのスクリーンショットを撮って、損切りした理由と枚数と金額を書いて見直ししています。なんでこんなことになっちゃったのかなと見返しています。
米ドル/トルコリラでスワップ投資

編集部:- ところで、たくしあげ所長はこれまで様々な通貨ペアでトレードされてきたと思いますが、一番得意な通貨ペア、相性がいいなって感じた通貨ペアはありますか?

たくしあげ所長:- そうですね。今年になって、結構お世話になっている通貨ペアならあります。米ドル/トルコリラなんです。

編集部:- 米ドルとトルコリラの組み合わせですか?

たくしあげ所長:- 去年から外為どっとコム総研のライブ配信でTEAMハロンズの二人の番組をずっと見てきたんです。そこで黒川さんと大嶋さんの会話の中で「(米ドル/トルコリラの)スワップがいいですよ」っていう話が出てきたんです。
黒川 健(くろかわ たける)米Capital Market Servicesや上田ハーローでカバーディーラー、プロップディーラーを約20年間務める。2021年9月に外為どっとコム総合研究所入社、テクニカル分析やファンダメンタル情報を配信。
大嶋 一彰(おおしま かずあき)外為どっとコムでシステム・ディーリング・営業などで責任者を歴任、2021年4月上田ハーローの代表取締役社長に就任、同年10月から外為どっとコム総合研究所の取締役兼投資情報部長として、FXに関する情報を発信。

編集部:- ご視聴いただき、ありがとうございます。

たくしあげ所長:- ただ、米ドルとトルコリラの通貨ペアを取り扱うFX会社は少なくて、外為どっとコムさんでスワップポイントを確認したら、”化け物”みたいにたくさんついてくるんですよ(笑)。

編集部:- トルコの政策金利は40%超ですからね。1万通貨(10Lot)で1日あたり約150円(2025 年9月)がつきます。

たくしあげ所長:- それで米ドル/トルコリラを月足で確認したら、とんでもない”月足”になっていました。(笑)。

(外貨ネクストネオ高機能チャートから作成 時間軸:月足)

編集部:- ここ数年でかなりトルコリラ安に振れています。

たくしあげ所長:- 「これでショート(売り)ポジション持てるのかな」と、「それで本当に利益が出るのかな」って思いましたよ。そこで相場を自分なりに検証してみたんです。そうしたら、「ルールを決めて、きちんと守れば十分に利益が出せる」ってことが分かりました。今は”スワップ投資”でお世話になっています(笑)。

編集部:- ショート(売り)ポジションはマイナス額の大きなスワップが付きますよね。短期売買で利益を獲得するのはかなり難しいと思うのですが。

たくしあげ所長:- だから長期目線のスワップ投資なんです。スワップポイントが”保険”になるんです。高金利でトルコリラのリスクが大きいことは「百も承知」なんですが、そのリスクについても、TEAMハロンズの二人がYouTubeの配信の中で話をされていました。米ドル高・リラ安で、私はすごくお世話になっています。

編集部:- 高スワップポイントを最大限に利用するということですね。

たくしあげ所長:- おまけに「スワップ増量キャンペーン」などを上手に利用すると、さらに利益は出やすくなります。

編集部:- 外為どっとコムでは現在トルコリラのスワップポイントを最大40%増量中(取材時:2025年8月24日)です(笑)。

たくしあげ所長:- ただトルコリラは2025年3月にクラッシュがありました。そういう事実とどう向き合うかが重要です。ただ、私はトータルで見るとプラスの状況です。あまり注目を集めていないような通貨ペアでも、利益を獲得できるということは、多くの人に伝えたいですね。

編集部:- ちなみにロット数はどれぐらいで持たれてるんですか?

たくしあげ所長:- 円ではなくて、米ドルで持っているわけですから、ちょっと計算がややこしいですが、今は3倍くらいで換算すればいいはずなので、100Lot持つと、だいたい300万円分を保有している換算になると思います。米ドル/トルコリラを自分は基本100枚(Lot)、スワップポイントの獲得を目的に保有、ある程度の利益が出たら決済、それをリピートしています。
高リスク通貨はこまめに利確で再投資

編集部:- ずっと持ち続けているわけではないんですか?

たくしあげ所長:- FXでスワップ狙いの投資家の悪いところは、運用ルールをしっかりと決めていない点だと思うんです。例えば、X(旧 Twitter)などのSNSをみていると、FXなのに「利回りで何%」みたいな表現を使う人がいますが、その発想はすごく良くないと思うんです。

編集部:- 確かにFXなので利回り表現はできませんよね。

たくしあげ所長:- やっぱり、自分の目標利益に達したら一度決済するべきだと思うんです。私は短期的に「トントン」と、押していくようなやり方のほうが、確実に利益を残せると思っているんです。

編集部:- トントンとエントリーと利確を繰り返すんですね。

たくしあげ所長:- 100万円の利益が出たら一度そのポジションはクローズします。そして、もう一度入り直して、また100万円の利益が出たら決済します。そして、また入り直すんです。

編集部:- 獲得した利益はこまめに確保。

たくしあげ所長:- トルコリラに限らず、リスクのある局面では、そういうやり方がいいと思います。今のトルコはエルドアン大統領による政治的リスクが高くて、悪いことが起きるとすぐに急変します。そのときは、きっちりと切って、様子をよく見て、「安定してきたな」と思ったら、また入り直すやり方をするべきだと思うんです。

編集部:- なるほど。

たくしあげ所長:- なんかもう、「トルコリラに私の人生を賭けます」みたいな人いますよね(笑)。「それはちょっとまずいよ」って思います(笑)。

編集部:- 「コツコツドカン」の危険性があるということですね。

たくしあげ所長:- そうですよね。投資で「全力買い」になるのは危険だと思っています。「全力になると人間は失敗する」っていうデータもあると聞いています。余裕を持って損切りできる金額の範囲内で、”スワップ投資”はやるべきで、それが成功するためのコツなのかなと思っています。

編集部:- トルコの政策金利は40%超(2025年9月現在)です。

たくしあげ所長:- ちょっと怖いですよね。将来、1トルコリラ=1円みたいなときがくるかもしれません。そのときFX会社が取り扱いを終了させる可能性も否定できないと思うんです。私はそういう考えを常に持ちながら投資するのがいいと思います。

編集部:- リスク管理だけはしっかりするということですね。

たくしあげ所長:- そうです。大統領選挙とか、雇用統計のような重要指標とか、相場が動きそうなときは、必ず「利確」をして、もう一度入り直すやり方がいいと思います。スプレッド分が損するという人もいますが、リスクを考えたら安いものだと思います。
一日の最大損失は4,000万円

編集部:- リスク管理の話が出たので、これまでに経験した損失について、お伺いしたいのですが、最大損失はいくらでいつですか?

たくしあげ所長:- 1日で約4,000万円の損失が一番大きかったと思います。最近の大きな損失は、1回目の日銀介入(2022年9月)のときですね。黒田前総裁が「介入なんか絶対にしないよ」って雰囲気を出していたので、ポジションを見ていなかったら、いきなり介入されてしまい、約2,500 万円の損切りをする羽目になりました。1回の損失額が5,000万円を超えたことはないです。

編集部:- 逆に一番利益が取れたのは?

たくしあげ所長:- これがまったく覚えていないんですよ。毎日コツコツやってきたことしか記憶にないんです。利益が出ても、できる限り”いい印象”を持たないようにしているんです。FX専業トレーダーの中には「一撃で何億円」みたいなことを言う人がいますが、そんな経験はありません。
マネ育PickUp編集部より
取材の中で、専業の億トレーダーの方々の多くは、米ドル/円をメインとするスキャルパーがほとんどですが、なんとたくしあげ所長は、米ドル/トルコリラという通貨ペアでの”スワップ”投資も資産ポートフォリオに入れるという過去に例を見ないトレーダーでした。後編ではより具体的なトレード手法、専業トレーダーになるまでの道のりなどについて伺いました。
(後編に続く)
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