【動画】米雇用統計前の市場動向と経済指標分析【外為マーケットビュー】
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外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。
ドル円の堅調な押し目買い傾向
昨日のドル円相場は東京市場で148円前後のもみ合いとなった。一時147.80円前後まで下落する場面があったが、最近は押し目でのドル買いがしっかりしており、下がったところを買えば上で売れるという動きが続いている。
経済指標の結果と市場反応
ADP雇用統計は予想6.5万人に対し5.4万人と若干悪い結果だったが、ドル円は148.30円前後から148円割れまで下落後すぐに戻した。新規失業保険申請件数も若干悪化したが、同様に一時的な下落後に回復した。
ISM非製造業指数は52.0となり、予想51.0を上回った。前回50.1から改善を示した。詳細を見ると、雇用は46.5と前回46.4からわずかな改善にとどまったが、新規受注が50.3から56.0へ大幅上昇し、事業活動も52.6から55.0へ大きく改善した。
関税影響の顕在化
ISM調査で注目すべきは輸入物価の急上昇だ。前回45.9から54.6へと大幅に上昇しており、関税の影響が明確に現れ始めている。回答者からは「関税が輸入品コストに及ぼす影響が見え始めている」「プロバイダーが値上げ要求時に関税を理由に含め始めている」などのコメントが寄せられており、関税の波及効果が拡大していることがうかがえる。
米雇用統計への注目と予想
本日の米雇用統計では非農業部門雇用者数7.5万人、失業率4.3%が予想されている。前回は過去2か月分の大幅下方修正によりドル売りとなったが、その後ドル円は下がらずに推移している。JOLTS求人数の悪化やISMサービス業の雇用項目低迷、黒人失業率上昇などから雇用面での懸念が高まっており、数字次第では下落局面もあり得る。
構造的要因と今後の展望
ただし米経済全体が下降局面に入っているかは不明で、前回同様に米雇用統計でドル円が下落しても連続的な下げが続くかは疑問だ。日経新聞によると、円高を拒むターフと呼ばれる為替デリバティブが急増しており、これは基本的にオプション売りとなるためポジティブガンマとなり、上下どちらにも動きにくい状況を作る。
また日銀の氷見野副総裁がタカ派でありながら慎重姿勢を示したのは、トランプ関税の影響を見極めるまで動きにくいためと考えられる。これらの要因を考慮すると、なかなか円高に向かいにくい環境が続く可能性がある。米雇用統計は数字次第で大きく動く可能性があるが、連続的な動きになるかは不透明な状況だ。
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志摩力男 氏慶應義塾経済学部卒。1988年ー1995年ゴールドマン・サックス、2006-2008年ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任、その後香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立した後も、世界各地の有力トレーダーと交流があり、現在も現役トレーダーとして活躍。
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