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らくつむ開始から4カ月 私のFX積立の運用成績は?!

 

(画像提供=iStock)

 

 2025年4月1日、私はFXを使った積立投資「らくつむ」で運用を始めました。選んだ通貨はトルコリラです。3万円をFX積立用の口座に入金し、毎日100円ずつ定期購買することにしました。8月1日であれから4カ月。1年の1/3が終わった段階で、実際にFXで積立投資をしてみた結果がどうなっているか気になりませんか?これは私の運用成績の報告です。

下げ止まらないトルコリラ

 まず、私が4月に毎日100円で定期買付を始めたトルコリラ/円相場が、この4カ月間でどのように動いたかを確認してみましょう。

 2025年に入ってトルコリラは下落が続いていました。FX積立を始めた4月以降のチャートも一目瞭然で、右肩下がりが止まりません。FX積立はすべて「買い」ポジションになりますから、通貨が下落すれば運用損が発生します。だから私のFX積立はずっと運用損が続いていました。

 そして、トルコ中央銀行は2025年7月24日に3%の利下げをします。エルドアン大統領が3月に政敵であるイスタンブール市長のイマモール氏を逮捕するという政治的混乱が発生、市場の不安定化を防ぐために4月に3.5%の利上げで政策金利を46%にしていましたが、約3カ月後の7月に開催された会合で、インフレ抑制に向けた緩和路線を再開しました。利下げ直後には、一瞬だけトルコリラ高・円安に振れましたが、すぐに利下げ前と同じ水準の3.6円付近に戻っています。

 下のスマホ画面は、FX積立をスタートしてから3カ月が経った6月30日の定期買付直後のものです。評価損益はご覧通りマイナスです。

 私はらくつむを始めた4月は、1トルコリラ=約3.9円でした。3カ月が経った6月30日の定期買付直後の評価レートは1トルコリラ=3.5円台です。約8%も安くなっているわけで、損失が出ているのは当たり前なのですが、「下落率の割に損失が少ない」と思いませんか?

※上記の2枚の画面は同じタイミングで撮影したスクリーンショットですが、評価損益の金額が異なるのは、為替レートが常に変化しているからです。

 理由のひとつはドルコスト平均法という毎日の定期買付で購入価格が平均化されているからですが、らくつむの運用状況を表示する画面を見ると、トルコリラ安による為替差損をスワップポイントでカバーしていることがわかります。運用から3カ月が経った6月30日のポジションは1,040円超の評価損ですが、スワップポイントの利益である約870円が全体の損失額を圧縮して、170円程度のマイナスです。3カ月間、プラスになった日は数回で、ほぼ毎日、評価損益はマイナスでしたが、最大でも数百円程度でした。

安いからこそ買い増し

 「らくつむ」をスタートしたときよりも「トルコリラ安」ということは「100円でたくさんトルコリラが買えるようになった」ということです。そこでらくつむのシミュレーション機能を使って、調べてみると、今と同じレバレッジ3倍で積立金額を100円から200円の2倍にすると、10年後に350万円超を受け取れる可能性があることが分かりました。

 「毎日の評価損益があまり変動しない」という、高金利通貨のメリットを実感していた私は、思い切って買付金額を2倍に増やし、たくさんトルコリラを購入することにしました。ただ、定期買付の金額を2倍に増やせば、口座の資金も2倍のスピードで円からトルコリラに替わることになります。資産内訳をみると3万円でスタートした資金の約半分がトルコリラになっています。

 ちなみに資産合計が30,200円になっているのは、らくつむでトルコリラのFX積立を始めた人を対象に、一定額以上の積立をした人にFXポイントがプレゼントされるキャンペーンに応募して200ポイントを受け取ったからです。

 これ以外にも、その時々でさまざまなキャンペーンが用意されているので、上手に利用すると賢く資産を増やすことができます。

買い増し前に資金追加

 そこで、購入資金としてはまだ余裕がありましたが、トルコリラ買い増しの前に追加資金を口座に入れておくことにしました。らくつむでは通常のFXの口座維持率に当たるのが「有効比率(※2)」という指標です。有効比率が100%を切るとアラートメールが届いて注意喚起され、30%を割り込むと強制ロスカットが発動されます。毎日200円の少額投資ですが、高金利通貨は一般的にボラティリティが高く、評価レートが大きく動く可能性があるので、できれば高い有効比率を維持しておきたいと考えたからです。

(※2)有効比率=有効評価額÷必要保証金額×100(%)

 私はいわゆるFX取引も行っているので、外為どっとコムのFX口座「外貨ネクストネオ」を持っていることもあり、マイページに入って、外貨ネクストネオにある資金かららくつむの口座に3万円を移動させました。金額を入力し、ボタンを押すだけで簡単に振り替えられます。

 その後、らくつむに移動し、定期買付の金額を変更しました。買付コースの選択画面で定期買付を選択、金額を100円から200円に変更してボタンを押せばそれで完了です。

メキシコペソでもFX積立

 今回、運用資金を増やしたのには、もうひとつ理由がありました。それはトルコリラ以外の通貨でもFX積立をやってみようと思ったからです。特徴の異なる複数の通貨を保有するとリスクは分散されます。その場合、どの通貨を選択するべきなのか。

 まず私はトルコリラのように1)高いスワップポイントがつく、2)円に対して安い通貨がいいと考えました。ただ、3)トルコほどカントリーリスクが高くない国の通貨がいいと思い、今回はメキシコペソを選びました。メキシコは米国との結びつきが強く、通貨の動き方も米ドルと似ているとされています。そこでメキシコペソの4月以降の動きを確認しました。

 チャートからも分かる通り、メキシコペソは私がFX積立「らくつむ」をスタートさせた4月以降、緩やかに上昇しています。メキシコ中央銀行は政策金利を2025年2月、3月、5月と0.5%ずつ利下げしており、6月26日にも0.5%の利下げを実施したところでした。それでも政策金利はまだ8%で、日本よりもはるかに高金利です。

 念のため、らくつむのシミュレーション機能で試算してみました。毎日100円で買い付けてレバレッジ3倍で運用すると10年後には約60万円の利益が得られるという結果が出ました。こちらはスワップポイントだけでなく、為替差益での利益も期待できそうです。

初回は即時買付で購入

 なお、どの通貨にするのかを、あれこれと迷っていたこともあって、7月1日11時30分に定期買付する注文設定が間に合いませんでした。それで7月1日の午後に、初回だけ即時買付で購入することになりました。

 

 即時買付も簡単です。まず上記の買付コースを選択するページで、即時買付を選びます。その後、下記の購入画面に遷移し、メキシコペソを選択、買付金額を入力、レバレッジの倍率を選んで確認ボタンを押せば、それで購入完了です。

 その後、メキシコペソの定期買付の設定を行いました。翌日からは、毎日11時30分にトルコリラを200円、メキシコペソを100円、2通貨を定期買付し、レバレッジ3倍で運用します。

2通貨運用スタート直後は赤字に

 下記の画面は7月2日の定期買付直後の画面です。ご覧のように2通貨とも評価損益はマイナスで、さほど金額は大きくありませんが、合計約247円の運用損が出ている状態です。

 ただ、私は運用による損失が出ていても、その金額がよほど大きくならない限り、その動きで一喜一憂することなく、淡々とFX積立を続けるつもりでいます。

 理由は1)トルコリラとメキシコペソという高金利通貨を選択している。2)毎日、100円や200円といった定額買付に設定している。3)トルコリラもメキシコペソも、そもそも日本円に対して安い(多額の購入資金を必要としない)4)いつでも自分の都合で売却して、取引が終了できる。そして、5)何よりも積立は運用損益とは別に、定期的にコツコツと資金を口座に移動させているので、長期間にわたって続けていると一定額の資金を貯めることができるからです。

4カ月後は2通貨で評価益が発生

 最後にさらに1カ月ほどFX積立を続けた8月1日朝の運用画面をお見せいたしましょう。ご覧の通り、2通貨の合計で約960円近い利益が発生しています。2通貨の積立スタート直後が247円のマイナスでしたから、1カ月間で1,000円以上動いて、プラスに転じたことになります。

 この原稿を執筆している途中の8月8日に、メキシコ中央銀行は政策金利をさらに0.25%引き下げ、7.75%にしました。インフレ抑制のために5回連続の利下げです。ただ、その後も2通貨は合計で利益が出ている状況が続いています。結局、積立FXの評価損益は常に変動しているのです。その動きに一喜一憂せず、冷静に続けることが大切です。

 もちろん、米国経済との結びつきが強いと言われるメキシコ経済がどのように動くのか、トランプ政権による関税政策がどのような方向に進むのか、不確定な要素もあります。また、トルコの政治状況は不安定な要素も強く、先行き不透明な部分も少なくありません。ただ私は為替相場のトレンドは、政権交代や中央銀行総裁の交代による金融政策の変更がない限り、急変することはないと考えており、それを念頭にFX積立を続けていきたいと思っています。

 自動的に定期購入してくれるFX積立は本当に便利です。しかし、だからといって、「放置」するのではなく、常に相場はチェックして、もしものときにはすぐに動けるような準備は怠らないようにしましょう。損失を出して損切りのための決済をするのでは残念です。備えあれば憂いなし。積立投資でも常に関心を持ち続けて、リスク管理することが大切です。

(本文ここまで)

ライターK
大学卒業後、テレビ制作会社に勤務、NHKや民放局の報道番組でディレクターを務める。その後、出版業界に転じて金融・経済誌の編集者や記者として、政治・経済・金融などの記事制作に携わってきた。現在はフリーで活動中。FX歴は10年以上。実際にポジションを持って、FXトレーダーたちのトレード手法を確認する日々を送っている。

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