シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 中村勉
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円

ポイント
【円ネットロング2週連続減少】
7月8日時点で円のポジションは、ドルに対して約11.6万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが取り崩され、ショート積み増されたことから、ネットロングは前週から約1.1万枚減少。
期間中のドル/円相場は、米6月雇用統計の強い結果や米国の関税政策の影響により、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げ期待が後退し、一時146.98円前後まで上昇した。
また、トランプ米大統領は日本への関税が25%になり発動時期が8月1日に後ずれすることを公表した。関税政策の影響が不透明で日銀が追加利上げに動きづらい状況が続くとの見方から、投機筋は金利差を支払う円ロングポジションの調整に動いたようだ。

ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル

ポイント
【ユーロネットロング増加】
7月8日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約12.1万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが大幅に積み増されたことから、ネットロングは先週から約1.3万枚増加した。
期間中のユーロ/ドル相場は、FRBの早期追加利下げ期待が後退したことでドルが買われたため1.16ドル台後半まで下落した。
トランプ関税などの影響による米国からの資産流出観測が根強いと見られ、ユーロ/ドル相場が下落したにもかかわらず、投機筋はユーロ先高観をいっそう強めたようだ。

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IMMポジション
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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