「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆：外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
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最新のマーケット情報まとめ
現在のドル円相場の状況
現在ドル円相場は上昇傾向を強めており、重要な水準を超えるとさらに反発基調が強まる可能性がある
日足チャートでは弱気傾向を示す移動平均線が下方向へのリスクを示しているが、直近では146円台での3本連続の底堅さを示している
昨日のローソク足では下ヒゲの陽線（買い支え）と前日高値の上抜けにより持ち直しの動きを強めている
60分足チャートではより詳細なチャートパターンが見え、ダブルボトムの形成とネックラインの突破が確認できる
さらに重要なのは逆三尊のパターンを形成中であり、そのネックラインを突破する直前の状況にある
このネックライン突破により149円台への回復が見えてくる可能性が高まっている
本日の米国2月CPI（消費者物価指数）の予想について
本日発表される米国2月CPIは全体的に前回からやや鈍化すると市場では予想されている
現在はアメリカの景気減速懸念がくすぶる中での発表となるため、結果への市場反応は複雑になる可能性がある
市場予想通りに鈍化した場合、利下げ観測が高まればドル売りが進む可能性がある
現状、フェドウォッチでは年内3回の利下げが織り込まれており、一部では4回という見方も出ている
来週のFOMCでは2025年の政策金利見通しも発表されるため、今回のCPIがそれにどう影響するかが注目される
予想を上回る結果の場合、従来ならドル買い材料だが、現在の景気減速懸念の中ではスタグフレーション懸念につながり、アメリカ長期金利が低下してドル買い材料にならない可能性もある
今後の見通し
米CPI発表前の現時点で、ドル円はすでに反発基調を強めており、CPIの結果次第ではさらにドル高が強まる可能性がある
逆三尊のネックラインはCPI発表までに突破すると予想され、仮にCPI結果で反落しても、このネックラインがサポートとなり再度上昇する可能性が高い
149円台回復のシナリオがより現実的になっている
IMM通貨先物のデータでは「日本円のロングポジション」が過去最大となっており、保有者は金利支払いを考慮して解消タイミングを探している
持ち直しの動きが明確になれば（149円台回復）、ポジション解消の動きが出て一気にドル円が上昇する可能性もある
151円の戻り高値突破前でも、149円台回復だけで反発基調が強まり、ポジション解消につながる可能性がある
結論
テクニカル的には底からの持ち直しを強める形状になっており、ネックライン突破後は149円台回復の可能性が高まる
CPIの結果による市場の反応は景気減速懸念との兼ね合いで複雑な可能性があるため、実際の値動きを確認しながら取引することが重要
逆三尊のパターン突破と過去最大の円ロングポジション解消の可能性から、急激な上昇リスクに十分注意が必要である
底堅い値動きと重要な水準突破が確認できる状況下では、反発をより意識した取引戦略が有効となる可能性がある
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『最新のドル/円相場を解説』
経済指標・イベントの結果について
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員宇栄原 宗平（うえはら・しゅうへい）
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか！』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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