ドル円、一時150円台を回復…カナダ・メキシコに対するトランプ関税の軽減はあるのか
欧米時間のドル/円予想レンジ:148.500-150.500円
東京市場のドル/円は、方向感が定まらない展開。序盤に149.50円台へ弱含む場面もありましたが、米長期金利の上昇を背景に一時150.18円前後まで切り返しました。その後は内田日銀副総裁の講演やトランプ米大統領による議会演説の発言を消化しつつ149円台後半で方向感に乏しい値動きが続きました。ただ、欧州市場では米長期金利が下落に転じたことでドル売りが強まると149.10円前後まで下落しました。
今夜は、米2月ISM非製造業景況指数が発表されます。市場予想は52.5と前回(52.8)からやや低下すると見られています。前月に発表された米2月サービス業購買担当者景気指数(PMI)・速報値が経済活動の拡大・縮小の分岐点50を割り込んでいたこともあり結果に注目が集まります。仮に予想を下回る結果となれば景気減速懸念が高まりドル/円は再び149円割れを視野に入れた展開となる可能性があります。一方で、予想を上回るようだと150円台へ持ち直しの動きを強めそうです。その他、今週末に米2月雇用統計を控える中で2月ADP全国雇用者数にも注目しましょう。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、前日に下ヒゲ陽線が出現して底堅さを示しました。ただ、移動平均線が弱気のパーフェクトオーダーを形成しており上値の重さも際立っています。足元では148.00円から151.30円程度のレンジ推移が続いています。レンジを上下どちらかにブレイクして方向感を出せるか注目です。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
3/5(水)
22:15☆米2月ADP全国雇用者数
23:30☆ベイリーBOE総裁、ピル英MPC委員、グリーン英MPC委員、テイラー英MPC委員講演
23:45 米2月サービス業PMI・改定値
24:00☆米2月ISM非製造業景況指数
24:00 米1月製造業新規受注
24:30 EIA週間原油在庫統計
28:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
----- 中国、全国人民代表大会開幕(~11日)
3/6(木)
09:30 豪1月住宅建設許可件数
09:30 豪1月貿易収支
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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