個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時:2025年2月12日14時
執筆:CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
昨晩はパウエル議長が上院銀行委員会での公聴会に出席し、利下げを急がない姿勢を強調したため、ドルが買い戻されました。
米株こそ堅調ではあるものの、ゴールドや暗号資産なども軒並み下落し、ドルに資金が流れる値動きが散見されました。
これを受けてドル/円も上昇。直近急激な下落だったため、巻き戻し調整が強く入っている状況です。
今夜は米CPIの発表ですが、市場予想は前年同月比+2.9%、CPIコアは+3.1%となります。すでにこの結果を知った上での発言の可能性もありますので、おそらく市場予想通りかそれ以上の結果が出る可能性があります。
この発表でもう一段高あるかもしれませんが、そこで上値は抑えられると考えております。 関税ネタはそろそろ飽きがきているか?
ユーロは買い優勢のなぜ?
出所:TradingView
ユーロ/ドル4時間足チャート分析から始めます。
昨晩のパウエル議長からの発言があったのにも関わらず、ドルはユーロに対して売られております。
欧州全体に向けた関税の問題があるので、さらにユーロは売りで反応していてもおかしくないところなのですが、しかしながら、ユーロ/ドルが上昇していることを考えると、目先これらの動きは織り込んだ可能性が高いでしょう。
よって、ファンダメンタルズ的には戻り売り推奨ですが、まだしばらく底堅く推移する可能性があります。パウエル議長の発言でも下がらない、関税を課されることが濃厚でも下がらない、となれば、ユーロにポジティブな材料が1つ出ると大きく反発しやすい地合いだと予想できます。
その上でドル/円チャートを見ていきましょう。
ドル/円はテクニカル的な節目
出所:TradingView
ドル/円4時間足チャート分析です。
現在、153円半ばまで上値を伸ばしてきました。東京オープンから1円以上の上昇となっており、円が全般的に売られています。
昨晩の公聴会を意識し、今夜のCPIを控えた手仕舞い買い戻しも重なった可能性が高そうです。
しかしながら、ユーロ/ドルの値動きも踏まえるとそろそろ調整は終了ではないかと考えており、再び下方向に向かって動き出すと予想します。
またテクニカル的にも153.68円水準はレジスタンスラインを引くことができ、さらにフィボナッチ61.8%戻しと重なります。
よってテクニカル的に戻り売り条件が整っておりますので、この水準から売りトレードを追加する局面であると予想します。
イメージ的にはCPIが市場予想通りですと、短期的な材料切れになると思いますので反落を想定しております。
その場合、ユーロ/ドルの上昇も重なる可能性がありますので、CPI後からのドル売りトレードは実行しやすいのではないでしょうか。
トランプ大統領は、アルミニウムや鉄鋼に関税を課しました。次は少し遅れている欧州諸国に対しての関税でしょう。このあたりの発表を終えますと、おおよそひと段落つくと予想しております。
ドル買い材料としてしばらく見られてきましたが、そろそろ材料出し尽くしとなってきますので、ドルストレートでドル売りの準備を始めると良いタイミングではないでしょうか。
【ひろぴー氏出演動画】

FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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