「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
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最新のマーケット情報まとめ
【現在の市場状況】
- ドル円は154円を明確に割り込み、153.09円付近まで下落する展開
- 10日と80日の移動平均線に挟まれた動きが続いていたが、80日線を下抜けて下落基調が強まっている
- 一時的に一目均衡表の雲を下抜けたものの、その後雲の中に持ち直している状況
- テクニカル的には下値リスクが高まっている状態
【重要なサポートレベルと目標値】
1. 第一のサポートゾーン:153.00円
- 心理的な節目として重要
- 市場参加者の注目度が高い水準
2. 第二のサポートゾーン:152.80円付近
- 200日移動平均線が位置する重要な技術的サポート
- 中期的なトレンドを判断する上で重要な指標
3. 次の目標値:152.54円
- フィボナッチリトレースメントの61.8%押し水準
- 152.80円を下抜けた場合の次の目標値として注目
4. 最重要サポート:152.00円
- 過去に何度も意識された強力なサポートライン
- 特に週足チャートで見ると、以前はレジスタンスとして機能し、その後サポートとして機能している
【相場下落の主要因】
1. 米国経済指標の弱さ
- JOLTS求人件数が予想を大幅に下回り、労働市場の減速懸念
- 今週の米雇用統計が重要なイベントとして注目される
2. 日本の賃金データ
- 12月の実質賃金が0.6%増と2カ月連続でプラス
- 名目賃金は4.8%増と28年ぶりの高水準を記録
- これにより日銀の金融政策正常化への期待が高まる
3. 米中貿易摩擦の再燃
- トランプ米大統領による中国への10%追加関税の表明
- 中国側の対抗措置として最大15%の追加関税を発表(2月10日から)
- フェンタニル(合成麻薬)問題絡みでさらなる関税引き上げの可能性も
【金融政策を巡る市場予想】
1. FRB(米連邦準備制度理事会)
- 3月、5月は政策金利据え置きが有力視
- 6月からの利下げ開始を市場は予想
- 2025年内で2回程度の利下げを織り込む
2. 日銀
- 6月の利上げ観測が増加(40%強の確率)
- 主流は依然として7月との見方
- 賃金動向が政策判断の重要な材料に
【今後の注目ポイント】
1. 短期的な注目材料
- 米ADP全国雇用者数
- 米ISM非製造業景況指数
- 週末の米雇用統計
2. 中期的な注目材料
- 米中貿易交渉の進展
- 追加関税を巡る両国の動向
- フェンタニル問題への対応
【結論】
現状、ドル円は152.80-153.00円のサポートゾーンが重要な節目となっており、このレベルでの反発の可能性が高いと考えられます。ただし、米雇用統計の結果や米中貿易摩擦の進展次第では、さらなる下落の可能性も否定できません。152円を割り込むような展開となった場合は、リスク回避の動きが強まる可能性があり、株式市場にも影響を与える可能性があります。FX市場参加者は、最小ロットでの取引から始めるなど、リスク管理を徹底することが推奨されます。
また、トランプ米大統領の政策による市場への影響は今後も継続する可能性が高く、情報収集と適切なリスク管理が重要となります。
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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