総括
FX「人民元は景気よりドルに連れて動くもの。2024年GDPは5%」人民元見通し
(昨年は通貨7位、株価18位)
予想レンジ 人民元/円 21.2-21.7
(ポイント)
*春節は1月29日より
*人民元は弱くもないし、成長率も弱くもない
*公式統計の疑念はある
*米国からの関税引き上げを待つ中国
*GDP、24年は5%成長
*12月鉱工業生産、小売売上高はまずまず
*米中経済会談がダボスで開催された
*トランプ氏大統領就任前の駆け込み輸出が増加 12月
*低い消費者物価が続く
*利回り低下する国債のリスクに警告、人民銀行
*米からの追加制裁があった(ウイグル関連)
*トランプ氏は次期政権の主要ポストに多くの対中強硬派を任命
*EV主導の自動車産業にテスラを除く欧米日の業者がついていけなくなってきた
(人民元は弱くもないし、成長率も弱くもない)
人民元は弱くはない。最近、時々人民元安のメディア報道を見るが元は弱くはない。
2024年は12通貨中3位。1位がドル。香港ドルのドルペッグ制ほど繋がっていないが、ドルを主としたバスケット制でドルに寄り添って動く。ドルが強ければ元も強く、ドルが弱くなれば元も弱くなる。従って中国の景気減速と元を結びつけるのはおかしい。もちろん景気減速といっても中国の2025年成長見通しは5%、IMFでも4.6%。
今年はここまで7位。ドルは6位。
(関税待つ中国)
トランプ大統領は、中国からの輸入品に2月1日から10%の関税を課すことを検討していると明らかにした。合成麻薬「フェンタニル」が中国からメキシコとカナダに輸出されていることを理由に挙げた。ただトランプ/習国家主席電話会談では関税についてはよく離さなかったとトランプ大統領は述べている。中国の商品に関税をかけて輸入を抑え、米国の高い賃金で国内生産するというのだろうか。現実的ではない。
(GDP、24年は5%成長)
2024年4Qは前年同期比5.4%増加。予想の5.0%増を大幅に上回り、23年2Q以来の高水準。3Qは4.6%増。
24年通年の成長率は5.0%となり、政府が目標に掲げていた5%前後を達成した。 ただ、多くの人々は生活水準が悪化しているとして、実感との隔たりを口にしている。
(12月鉱工業生産、小売売上高など)
鉱工業生産は前年同月比6.2%増となり、11月と予想の5.4%増を上回った。
小売売上高は3.7%増加し、11月の3.0%増から加速した。
失業率は、11月の5.0%から12月は5.1%に上昇した。
24年の不動産投資は前年比10.6%減少。
(米中経済会談)
中国の丁薛祥副首相は21日、 世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)の合間に開かれた非公式の昼食会で、米金融大手JPモルガン・チェースダイモンCEOら世界の金融・ビジネス界の首脳と会談した。
昼食会は、世界経済フォーラム創設者のシュワブ氏が主催。ダイモン氏ほか、ブラックストーンのシュワルツマンCEO、ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者のダリオ氏、ブラックロックのフィンクCEO、スタンダード・チャータードのウィンターズCEO、ビザのマキナニーCEO、ウォルマートのマクミリオンCEOらが出席した。
丁氏は同日、ダボス会議で演説し、中国は貿易黒字を追求せず、競争力ある高品質な製品やサービスを輸入して貿易均衡を図る用意があると述べた。
テクニカル分析(人民元/円)
ボリバン3σ下限から反発し上位へ
日足、ボリバン3σ下限から反発し上位へ。雲の上。1月21日-22日の上昇ラインがサポート。1月10日-22日の下降ラインが上値抵抗。
週足、再び雲の上に。12月2日周-1月13日週の上昇ラインがサポート。7月8日週-12月30日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、1月は陽転、下ヒゲが長くなってきた。24年9月-12月の上昇ラインがサポート。24年7月-12月の下降ラインが上値抵抗。5か月線上向く、20か月線上向き。
年足、2024年は5年連続陽線。23年-24年の上昇ラインがサポート。2025年も一時21円丁度近くへ下押すも現在は陽転。
チーファンラマ
公式統計への疑念再燃
常に多くの人が持つ疑問だが、 公式統計の正確性に対する長年の疑念もこの1カ月で強まっているようだ。
中国の著名なエコノミストである高善文氏は、21年から23年にかけてGDP成長率が10%ポイント過大評価された可能性があると指摘した。同氏のコメントはソーシャルメディア上で拡散したものの、その後見られなくなった。
中国は過去に成長目標を下回ったことがほとんどない。(ロイター)
ただIMFなど世界の調査機関の統計も中国政府の見通しと大きくはブレていない。
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