ドル/円、一時149円台半ばへ下落…中村日銀審議委員「利上げに反対している訳ではない」
欧米時間のドル/円予想レンジ:149.600-150.800円
東京市場のドル/円は、150円台後半の上値が重い展開。序盤に150.70円台の高値を付ける場面もありましたが、その後は伸び悩みました。午後に中村日銀審議委員が今月の日銀金融政策決定会合について「利上げに反対している訳ではない。データに基づき判断する」などの見解を示すと円買いに傾き、一時149.79円前後まで下落しました。欧州市場では149.65円前後まで下値を切り下げましたが、米長期金利が持ち直したことなどを背景に150.30円台まで値を戻しました。
<中村日銀審議委員 一部発言内容>
◇広島県金融経済懇談会(10時30分~)
・私自身は賃上げの持続性にまだ自信を持てていない
・消費者物価、2025年度以降は2%に届かない可能性がある
・経済状況の回復に応じて金融緩和度合いを慎重に調節していくことが重要な局面
◇記者会見
・年内利上げするかはこれから出る日銀短観などのデータよく見て判断したい
・利上げに反対しているわけではない、データに基づいて判断すべき
・3月のときも7月のときも私は反対と申し上げたが、利上げをすることに反対とは言っておらず、利上げのしかたに対して反対した
今夜は米新規失業保険申請件数が発表されます。市場予想は21.5万件と前回(21.3万件)から微増と見られています。その他、労働市場の動向を把握する経済指標として米11月チャレンジャー人員削減数や米失業保険継続受給者数も発表されます。明日に米11月雇用統計を控えて、これらの結果に関心が集まります。市場の利下げ観測に変化があればドル/円相場にも影響が及ぶでしょう。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
12/5(木)
21:30 米11月チャレンジャー人員削減数
22:30 カナダ10月貿易収支
22:30 米10月貿易収支
22:30☆米新規失業保険申請件数
22:30 米失業保険継続受給者数
26:00 グリーン英MPC委員講演
26:15 バーキン米リッチモンド連銀総裁講演
12/6(金)
08:30 日本10月毎月勤労統計調査・現金給与総額
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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