11月は雇用統計以外にも大統領選、FOMCと米国はイベント盛り沢山で、いつも以上に目が離せない!?
今月はスペシャル版として2本立ての贅沢セミナーとなります。
第一部は11時30分からライブ配信を開始。元メガバンクディーラーの戸田裕大氏のほか、外為どっとコム総研から神田調査部長、中村研究員が出演!
米雇用統計の注目ポイントや発表後のドル/円の値動きとFX売買戦略をプロの目線で解説します。
そして、第二部は12時30分から開始し、欧州経済のスペシャリストである、松崎美子氏が登場。
週明け11月5日に控えるアメリカの大統領選を前に、欧州経済への影響をどう見ているのか、熱いトークを交わします。ユーロやポンド相場の行方は如何に!?
FX初心者から、中・上級者まで幅広くお楽しみいただける内容となっています。FX投資に役立つ情報を盛り沢山でお届けしますので、是非ご視聴ください。
米雇用統計の講演内容まとめ
【米雇用統計とドル円トレード戦略】
本日は90分の拡大版スペシャルとして、第1部では米雇用統計のトレード戦略、第2部では米大統領選後の欧州経済の行方について、プロの目線でお届けいたします。
まず第1部では、元メガバンクディーラーの戸田さん、外為どっとコム総合の神田調査部長、中村研究員をお迎えしての解説です。
米雇用統計は、アメリカの中央銀行FRBの通信簿とも言えるもので、FRBの金融政策に大きな影響を与える重要な指標です。月初の速報値でもあり、アメリカの現状を把握する上でも、またドル円の方向性を探る上でも外せない指標となっています。
今回の注目ポイントは、ハリケーンとストライキの影響で、雇用統計の結果は良くないのではないかという見方が強いことです。ただし、ADP雇用統計は予想以上に強い結果となっており、市場予想との乖離も考えられます。
市場予想は以下の通りです:
- 失業率:4.1%
- 非農業部門雇用者数:10万人増
- 平均時給:前月比+0.3%、前年比+4.0%
特に注目は雇用者数の伸びで、ハリケーンとストライキの影響でどの程度押し下げられるかが焦点です。一部のエコノミストはマイナス予想も出しており、予想の幅が広がっています。
トレード戦略としては:
中村研究員:
- 予想より良い結果→153円台半ばを狙って買い
- 予想通り→様子見
- 予想より悪い→151.5円まで売り、その後200日移動平均線を意識
戸田さん:
- 予想より良い→即座に買い
- 予想通り→押し目での買いを狙う
- 予想より悪い→様子見、内容精査が必要
神田部長:
- 特殊要因による一時的な下振れの可能性を意識
- 来月の反動に期待
- 9月分の下方修正にも要注意
視聴者アンケートでは:
- 買い時と見る:55%
- ドキドキと見守る:23%
- 売り時と見る:20%
となっており、過半数が買い方向を見ている結果となりました。
【結論】
今回の雇用統計は特殊要因の影響が大きく、仮に弱い結果となっても一時的な影響として捉える見方が優勢です。ただし、予想を下回る結果となった場合は、慎重な判断が必要とされています。また、大統領選を控えていることから、過度なポジション取りは避けた方が賢明かもしれません。
【米大統領選と欧州経済への影響】
松崎氏を迎えての第2部では、米大統領選後の欧州経済への影響と為替相場の展望について詳しい解説がありました。
トランプ氏が勝利した場合の欧州への影響:
- 経済面:EUに20%の関税賦課の可能性
- EU側も報復措置を取る見込みで、関税戦争に発展の恐れ
- ドイツの GDP が-1.5%程度まで下落する可能性
- 来年9月のドイツ国政選挙への影響も懸念
軍事・政治面での影響:
- ウクライナ支援からの撤退可能性
- EU内でのポピュリズム勢力の台頭
- 反移民、反EU的な動きの強まり
欧州の現状について:
- 移民問題が深刻化(特にフランス、ドイツ)
- イギリスは比較的状況が安定
- エネルギー問題(特にガス供給)への不安
- デジタル化の遅れが経済成長の足かせに
通貨への影響予想:
ハリス氏勝利の場合:
- ドル:マイルドなドル安
- ユーロ:横ばい
- ポンド:横ばい
トランプ氏勝利の場合:
- ドル:当初は強含み
- ユーロ:ユーロ安
- ポンド:初動はポンド高の可能性
選挙結果が不透明な場合:
- スイスフランと円の買い
- 一時的なリスクオフ相場
【結論】
欧州経済は既に厳しい状況にある中、トランプ氏勝利となれば関税や軍事面での新たな負担が加わる可能性が高く、更なる下押し圧力となりそうです。特にドイツは輸出依存度が高く、大きな影響を受ける可能性があります。
トレーダーへのアドバイスとして、大統領選の週は通常の6倍程度の注意が必要で、ポジションサイズを普段より小さめにすることを推奨。ボラティリティが高まる中、慎重な取引が求められます。
なお、米大統領選挙結果の確定には数日かかる可能性があり、その間の相場の乱高下にも要注意です。特にペンシルバニア州の開票結果が重要な転換点となる可能性があります。
【YouTubeアーカイブ動画】
代表を務めるトレジャリー・パートナーズでは専門家の知見と、テクノロジーを活用して金融マーケットの見通しを提供。その相場観を頼る企業や投資家も多い。 三井住友銀行では10年間外国為替業務を担当する中で、ボードディーラーとして数十億ドル/日の取引を執行すると共に、日本と中国にて計750社の為替リスク管理に対する支援を実施。著書に『米中金融戦争─香港情勢と通貨覇権争いの行方』(扶桑社/ 2020 年)『ウクライナ侵攻後の世界経済─インフレと金融マーケットの行方』(扶桑社/ 2022年)。
元外銀ディーラー
松崎 美子(まつざき・よしこ)氏
1988年に渡英、ロンドンを拠点にスイス銀行・バークレイズ銀行・メリルリンチ証券で外国為替トレーダーとセールスを担当。現在は個人投資家として為替と株式指数を取引。ブログやセミナーを通して、”ロンドン直送”の情報を発信中。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
佐藤 まり江(さとう・まりえ)氏
聖心女子大学在学中に、TBS「サンデーモーニング」のレポーターとしてデビュー。その後、フジテレビ「めざビズ」、NHK総合「お元気ですか?日本列島」「@ヒューマン」、NHK教育「まる得マガジン」、BS11「マネーカフェ」など、さまざまな番組に出演。また、キャスター・レポーターとして活動する一方で、投資関連の執筆も多く手がける。主な著書に「1万円からはじめる投資の本(PHP研究所)」「佐藤まり江のブログで読む世界一やさしい株入門(実業之日本社)」「佐藤まり江のおすすめ株主優待(翔泳社)」など
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