シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットロング大幅に減少
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート増加】
6月11日時点で円のポジションは、ドルに対して約13.9万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングが大幅に取り崩されたことから、ネットショートは前週から約0.6万枚増加した。
期間中のドル/円相場は、米5月雇用統計のポジティブサプライズなどを受けて157円台まで上昇したが、日米の金融政策会合を控えていたこともあり、更なる上値試しには繋がらなかった。
日銀の政策修正について不透明な見方が残る中で、投機筋はひとまず円ロングポジションの手仕舞いを優先したと見られる。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング大幅に減少】
6月11日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約4.4万枚の買い越し(ネットロング)。
ショートが大幅に積み増されたことで、ネットロングは約2.4万枚減少。ネットロングが減少したのは7週間振り。
期間中のユーロ/ドルは、ECBが利下げを行ったものの市場が既に織り込んでいたことや、ECBのインフレ見通しが上方修正されていたことなどで1.09ドル台へ上昇する場面も見られた。ただ、期間後半にフランスで政治不安が台頭したことで1.07ドル台前半まで下落した。
フランスの政治不安がリスク要因として見られており、投機筋はユーロの先高観を見直し始めているようだ。
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IMMポジション
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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