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6月7日の米国雇用統計の予想と戦略「失業率4%超えのショックも、食い違う雇用者数増加にも警戒」2024年6月号-By 外為どっとコム総研

米雇用統計!直前予想&トレード戦略(2024年6月7日(金) 12:00~13:30)

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雇用統計・ライブ実践リアルトレード(2024年6月7日(金) 21:00~23:00)

 

更新日時:20246月10日  11時40分(データを更新)

執筆日時:2024年6月5日 13時15分 

執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人

6月7日の米国雇用統計の予想と戦略「失業率4%超えのショックも、食い違う雇用者数増加にも警戒」2024年6月号-By 外為どっとコム総研

はじめに-米利下げは振り出し

2024年6月7日(金)、日本時間21時30分に米国で5月分の雇用統計が発表されます。一部当局者からは「場合によっては、引き締めも」との発言が出始めるなど、今年前半の利下げ開始は消滅しました。緩和時期を巡る議論はいったん練り直しが必要なようです。今後の金融政策日程を考えれば、6・7月の経済指標を確認しながら最短は9月の利下げとなりますが、その場合、8月末のジャクソンホール会合での最終的な根回しと言った流れも想定されます。そこに向かって進むことになるのか、今回の雇用統計の結果が着目されます。では振り返りからです。

前回のおさらい-米労働市場は4月とは正反対に悪化

・4月NFPは17.4万人増へ鈍化
・失業率・時間給も控えめ

5月3日に発表された、米国の4月非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の24.3万人を下回る17.5万人に留まりました。また、失業率も3.9%へ悪化したほか、時間給も前月比(0.2%)、前年比(3.9%)とも前の月を下回りました。労働市場の需給が緩み始めている可能性を示唆するなど、3月の好結果とは対照的に良いところはほとんどありませんでした。唯一、良かったところとしては、FRBへの信頼が崩れなかったところでしょうか。

図表1.分野別新規雇用者数(千人)出所:データ米国労働省
NFP表

結果を受けて、米ドル/円は151.750円と日通し高値を付けました。ただし、152.00円の心理的節目を前にしては戻り売りが優勢で、大台突破は果たせませんでした。一方、ダウ平均株価は5営業日ぶりに反発。インフレ圧力が限定的に留まる中、底堅い労働市場が景気を押し上げるとの思いから、前日比307.06ドル高い38904.04ドルで越週しました。

図表2.前回発表前後のドル円の動き
USDJPY60分足チャート
米ドル/円 60分足
出所:外為どっとコム「ネオチャート

今回の見どころ-家計調査が重視されることも

・総合的判断が重要
・NFPはあてにならないかも
・失業率、節目の4%超えとなるか

さて、今回の雇用統計ですが、NFP、時間給、失業率それぞれに注目が集まりそうです。先ずはNFPですが、高頻度データである週ごとの新規失業保険申請件数は21.0万件前後で落ち着いた推移が続き、雇用拡大は続いています。しかしながら、労働市場のすう勢を見る4週移動平均やIndeed Job Posting Indexが低下するなど、そのペースはじりじりと鈍化が意識されています。こうした状況なら、NFPが大きく伸びるとの見方にはなりづらそうです。

図表3.新規失業保険申請件数とIndeed Job Postingの推移

データ表

出所:各種調査機関のデータを基に外為どっとコム総研作成

ただ、厄介なのは事業所データが季節調整の影響などから見た目が良く出ている可能性があると言った点です。調査数が限られるためデータはぶれやすいものの、家計調査から見た雇用者数増減との乖離が指摘されています。どちらが労働市場の実態を表しているのか判断は難しいのですが、不安要素がある中でNFPの結果を真に受けてよいのか悩みます。そこそこ見た目が良い数字が出ても、あとで解釈が変わる危険もありそうです。そのため、家計調査のデータも確認する必要があるでしょう。

図表4.事業所調査と家計調査における雇用者増加数の推移

データ表

出所:各種調査機関のデータを基に外為どっとコム総研作成

次に時間給ですが、政府が公表するデータやIndeedが発表するデータとも伸びが鈍化しており、賃金上昇のペースは明らかに鈍っています。急な減速ではないため、経済が為替レートや株価、金利などの急激な変化や悪化を伴いながら失速する、ハードランディングへの懸念は高まっていませんが、消費の先行き懸念から米経済に対する前向きな見方は後退しつつあります。こうした点では、米金利の先高感は高まりづらそうです。 

図表5.時間給とIndeed Wage Indexの推移

データ表

出所:各種調査機関のデータを基に外為どっとコム総研作成

最後に失業率ですが、労働市場が冷やされつつある中でこれまで通りに3%台を維持することは難しくなっており、何れ4%台へ上昇すると考えるのが合理的です。早ければ今月あたりから、4%台の数字が見られる危険もあります。雇用と景気後退の経験則であるサームの法則から逆算して導かれる失業率の分岐点は今月4.3%で、直ちに米国の景気後退が意識される状況ではありませんが、2022年1月以来の4%超えとなれば、労働市場の減速を象徴する事象と受け止められ、インパクトはそれなりに大きくなるかもしれません。

サームの法則:直近3カ月の平均失業率から、過去1年で最も低かった失業率を引いた値が0.5%を上回ると、景気後退入りのシグナルになるというものです。

結果が揃って労働市場の弱さを示せば、米国の緩和期待が持ち直して米ドルの調整圧力が高まる一方、強い結果となれば、米金利の上昇から米ドルが再度、上方向を試すことになりそうですが、力強いデータにはなりづらそうなため、底堅い数字が出ても米ドル/円の上値は限定されるのではないでしょうか。

図表6.ドル円チャート
USDJPY日足チャート
米ドル/円 日足
出所:外為どっとコム「ネオチャート

付随データ

図表7.[雇用統計の実績と予想]

年月 非農業雇用者数変化(万人) 失業率(%)
予想値 初回結果 予想値 初回結果
2024年05 18.5 27.2 3.9 4.0
2024年04月 24.3 17.5 3.8 3.9
2024年03月 20.0 30.3 3.9 3.8
2024年02月 20.0 27.5 3.7 3.9
2024年01月 18.0 35.3 3.8 3.7
2023年12月 17.0 21.6 3.8 3.7

 

年月 平均時給/前月比(%) 労働参加率(%)
予想値 初回結果 初回結果
2024年05月 0.3 0.4 62.5
2024年04月 0.3 0.2 62.7
2024年03月 0.3 0.3 62.7
2024年02月 0.3 0.1 62.5
2024年01月 0.3 0.6 62.5
2023年12月 0.3 0.4 62.5

 

◇関連の経済データ実績

年月 ISM製造業雇用指数 ISM非製造業雇用指数
2024年05 51.1 47.1
2024年04 48.6 45.9
2024年03月 47.4 48.5
2024年02月 45.9 48.0
2024年01月 47.1 50.5
2023年12月 47.5 43.8

出所:Bloomberg、外為どっとコム「経済指標カレンダー

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