メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2024年5月31日16時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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メキシコペソ/円チャート(日足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週のメキシコペソ/円は2週間ぶりに9.1円台へと反落
週明け27日、翌28日と9.400円を挟んで底堅く推移していましたが、米長期金利の上昇を起点に世界的に株価が値を下げた29日には9.3円台を割り込んで下落。30日も日米の株安でリスク回避の動きが優勢となり、一時9.140円前後まで下値を拡大しました。6月2日のメキシコ大統領選を前に持ち高調整のペソ売りが出たと見られ5月8日以来の安値を付けましたが、その後はやや持ち直しており31日の東京市場では9.2円台を回復しています。
今週のメキシコペソ/円の注目ポイントは5月CPI
7日にメキシコ5月消費者物価指数(CPI)が発表されます。メキシコ中銀のロドリゲス総裁は5月の講演で、6月27日の次回会合で利下げの再開が議題になるとの見方を示しました。一方で、中銀は先週29日に発表したインフレ報告で今年10-12月期の物価見通しを従来の3.5%から4.0%に上方修正。「インフレ圧力を注意深く監視し、今後はインフレ見通しを評価して政策金利の調整について議論する」と説明しました。今週7日に発表される5月CPIが6月利下げのカギを握ることになりそうです。なお、2日に投開票されるメキシコの大統領選挙は現職のロペスオブラドール氏の後継者とされるシェインバウム氏の勝利が濃厚です。市場の関心は、シェインバウム氏が大統領に就任したのち、ロペスオブラドール氏の政策路線を引き継ぐのか、あるいは国営エネルギー企業の優遇策などを見直すのかに移っています。このため、選挙結果についてはよほどの波乱がない限りペソ相場への影響は小さいでしょう。
当面のメキシコペソ/円見通し
予想レンジ
9.075円~9.350円
基調
方向感模索
当面の注目ポイント
・6/2 メキシコ大統領選
☆6/7 メキシコ5月CPI
・主要国株価、国際商品価格
メキシコペソ/円(MXN/JPY) 為替チャート・FXチャート│はじめてのFXなら外為どっとコム
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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