執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2024年5月17日 14時40分
G7控えて介入警戒後退?材料揃えば円安拡大も
米ドル/円、調整短命
序盤に156.760円まで上昇後、市場予想を下回る米国の消費者物価指数や小売売上高を受けて米インフレ圧力後退期待から、米ドル/円は153.589円まで調整が進みました。しかしながら、底堅い株価動向など景気への期待から安値圏では押し目を拾われ、米ドル/円は156.00円手前まで持ち直しました。(各レート水準は執筆時点のもの)
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※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。
米ドル/円、まだ上目線を維持?
米4月卸売物価指数(前年比 2.2%)、同消費者物価指数(前年比 3.4%)、同小売売上高(前月比 0.0%)など、足許の米経済指標を改めて眺めると、パウエルFRB議長が語った「忍耐強く政策の効果を待つ必要」としながらも「次の動きが利上げになる可能性は低い」との言葉がぴったり当てはまるように感じます。こうした点では、米金利はより長期にわたり現行水準に維持される公算が高いのでしょう。直近、頭打ち傾向が見られる製造業・サービス業PMIなど、米国の企業景況感のさらなる鈍化には注意が必要ですが、他の主要国との政策格差から米ドルが急速に下げるとも考えづらく、米ドル/円は底堅さを維持しそうです。
また、G7財務相・中央銀行総裁会議も米ドル/円の間接的な押し上げ材料となるかもしれません。レベル次第では政府・日銀による円買い介入が警戒されるものの、G7を前に実施できるかは不透明です。実施後にG7で説明する方法もありますが、イエレン米財務長官の「貿易相手国に連絡があるべきだ」との言葉を素直に受け止めれば、事前協議が筋と思われ、政府が介入に二の足を踏むことも考えられます。ファンダメンタルズや株価動向次第ではあるものの、こうした状況を見透かされてマーケットが円売りを仕掛けてくることも考えられそうです。
156円超えが最初の関門(テクニカル分析)
米ドル/円は日足一目均衡表の基準線(16日時点:156.036円)に上値を抑えられて、上方向が少し窮屈になり始めています。更なる上値拡大には、早急にこのレジスタンス突破が求められることになります。ここを突破できたら、次は心理的節目の157.000円、158.000円と1円ずつ視線が上がっていきそうです。かたや一目基準線付近で再度頭を抑えられた場合は、4月29日高値(160.219円)を起点とするレジスタンスラインに沿って、152.50円を目指して緩やかに上値が重くなる可能性もあります。
【米ドル/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:USD/JPY:154.000-159.000
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一言コメント
『キャベツが1玉1000円超』と、ショッキングなニュースが流れたので、近所のスーパーを見てきましたが、近所では330円程度で販売されていました。ただ、小ぶりで恐らくは輸入品でしょう。2・3週間待てばもう少し安くなると思いますので、今は我慢ですね。
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