WTI原油価格(外為どっとコムの取引口座「CFDネクスト」の銘柄名:WTI原油)について、現在までの推移とこの先のポイントについて短時間で確認できるよう簡潔にまとめました。
WTI原油先物市場の値動きまとめ
5月3日のニューヨーク原油先物相場は5日続落し、週間ベースでは2月以来の大幅な下落となった。中心限月6月物の終値は、前日比0.84ドル(1.06%)安の1バレル78.11ドルで取引を終えた。
この日発表された米4月雇用統計は、非農業部門の雇用者数の伸びが予想を下回り、平均時給の上昇率も鈍化するなど、労働市場の過熱感が和らいだことを示唆する内容だった。これを受けて、FRBが年内に利下げに踏み切るとの観測が広がったものの、同時に景気減速に伴うエネルギー需要の減退懸念から原油売りが優勢となった。また、ISMが発表した4月の非製造業PMIが予想を下回り、2022年12月以来初めて景気判断の分かれ目となる50を割り込んだことも、相場の下押し要因となった。
中東情勢では、イスラム組織ハマスがイスラエルとの停戦提案を前向きに検討していると表明するなど、地政学的リスクが若干後退した兆しが見られ、原油相場に織り込まれていたリスクプレミアムが剥落した。
さらに、今週発表された米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫報告で原油在庫が急増していたことや、カナダの原油パイプライン拡張工事の完了により北米の原油供給量が増加するとの見方がでたことも、原油価格を圧迫した。
FRB当局者からは、インフレ高止まりが続くとの見方も示され、金利見通しの不透明感も相場の重荷となった。
最新の原油CFDチャート(外為どっとコム「CFDネクスト」)
30分足チャート
日足チャート
日足チャートの10日移動平均線は右肩下がりが続いている。価格は移動平均線の下に位置する。相場の過熱感をはかるテクニカル分析のRSIは、「売られ過ぎ」とされる30%を下回って推移している。
※リアルタイムの価格はこちらから確認できます。
WTI原油 株価指数・商品CFDチャート│はじめてのFXなら外為どっとコム
WTI原油先物市場の上昇・下落要因
上昇要因
供給の減少:産油国による生産カット、地政学的緊張、自然災害などによる供給の減少。
需要の増加:経済成長に伴うエネルギー需要の増加。
地政学的リスク:産油地域での政治的不安定、紛争、制裁など。
通貨価値の変動:ドル安が進むと、ドル建ての原油が相対的に安価になり、需要が増加する。
市場の投機:投資家による将来の価格上昇への賭け、投機的な買い。
石油代替エネルギーへの移行の遅延:再生可能エネルギーへの移行が遅れると、中長期的に原油への依存が続く。
米シェールオイル産油量の減少:技術的な問題、資本の制約、あるいは環境規制などにより米国のシェールオイル産油量が減少する場合、全体の供給が減少し、原油価格を押し上げる可能性あり
下落要因
供給の増加:産油国による生産量の増加、新たな油田の開発。
需要の減少:経済の減速、代替エネルギーへの移行による石油製品需要の減少。
地政学的リスクの緩和:産油地域の政治的安定化。
通貨価値の変動:ドル高が進むと、ドル建ての原油が相対的に高価になり、需要が減少する。
市場の投機:将来の価格下落への賭け、投機的な売り。
技術革新:エネルギー効率の向上、代替エネルギー技術の進展による石油需要の減少。
シェールオイル産油量の増加:技術革新や投資増加により、米国シェールオイルの採掘が効率化され、産油量が増加した場合、全体の石油供給量が増え、原油価格を下押しする可能性があり
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