収録日時:2024年4月25日 13:00頃
元外資系銀行のチーフディーラーでもある、竹内のりひろ氏と、外為どっとコム総研調査部長の神田卓也が為替介入の可能性とドル円の展望を解説いたします。
目次
0:00 竹内のりひろ氏が登壇
1:07 ドル円155円突破も介入のハードルは高い
4:29 日米韓財務省会議での声明
6:31 介入時にポジションを持っていると…
7:44 介入時の対応法①
10:03 介入時の対応法②
12:40 介入時の対応法③
14:29 プロディーラーが見るトレード戦略
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要約
現状分析
ドル円相場が155円台まで上昇し、34年ぶりの高値を記録しています。直近では、155.50円台まで上昇する場面もありました。ただし、現在のドル円相場は静かに上昇しているだけで、過度な変動とは言えません。過去の変動率(ヒストリカルボラティリティ)で測ると、現在は4%前半で、2022年1月以来の低水準にあります。
円買い介入の可能性
現状では介入のハードルは依然として高いと考えられます。為替介入が認められるのは、非常事態や通貨安・通貨高がスパイラル的に進んでしまう場合のみであり、介入には相手国の承諾を得る必要があります。日米韓で財務相会談が行われ、為替に関する声明が出たことは異例ですが、アメリカの理解を得られたかどうかは定かではありません。ただし、財務官や財務大臣の発言を見ていると、介入があってもおかしくはないと考えられます。
円安抑止の課題
日本は3月に事実上の利上げを行いましたが、それにもかかわらず、通貨買い介入を行うとトルコと同じような見方をされかねません。利上げ幅が小さいことから、金融政策に対する疑問も呈される可能性があります。このような矛盾が指摘される可能性があり、円安抑止にはなりにくいと言えます。
介入が入った場合の投資家の対応
介入が入った場合、投資家としてはシナリオを事前に練っておくことが重要です。介入が本物なのか、一時的なものなのかを見極める必要があります。過去の事例では、一回の介入で5円程度の下落が見られました。ミニフラッシュクラッシュ的な介入もどきでは、3円程度の下落で、その後は元の水準に戻る傾向があります。自分のポジションに応じて、保有し続けるのか、買い戻しのチャンスとするのかを決める必要があります。介入には限界があり、介入玉が尽きた時には反発が起こる可能性があります。反発のタイミングも見計らい、ダブルで収益を得るチャンスもあります。ただし、介入の手法は予測が難しく、想定外の動きにも注意が必要です。
個人投資家のポジション管理
現状では多くの個人投資家がドル円をショートにしていると考えられます。3円から5円程度のアゲンストポジションを抱えている可能性もあります。この場合、ポジションを落としていく方が得策だと言えます。日銀の金融政策決定会合後も何のアクションもない場合は、ポジションを半分にし、残りの半分で介入を待つといった対応が考えられます。全量のポジションを引きずることは避け、自分を窮地に追い込まないことが大切です。適切なポジション管理によって、メンタル面でも余裕を持って対応できるでしょう。
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元HSBCチーフディーラー
竹内のりひろ氏
明治大学法学部1989年卒、以後一貫して外資系金融機関で為替 /金利のトレーディング歴任。専門はG7通貨及び金利のトレーディング。1999年グローバル金融大手英HSBCホールディングス傘下HSBC香港上海銀行東京支店入行、取引担当責任者(チーフトレーダー)を務め、現在主流となっている、E-commerce(FX.all.com)の立ち上げにも参画。
相場展望をする際、極力、恣意的な自己判断、感情移入を排除する独自のアプローチを持ち、欧州事情にも精通している。2010年に独立し大胆なトレードを日夜行っている。
メルマガSmartLogicFXでは、ファンダメンタルズ、テクニカル分析に基づいたリアルタイムな相場観を毎日配信中
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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