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【FOMC直前解説】ドル円急騰なるか…為替介入はいつ?(今日のFX)2024/3/20

※この動画は、平日12時から配信している「ドル円昼ライブ」の中から抜粋したものです。

FOMC解説の内容、抜粋・要約

ポイントは今後の金利見通し

本日(3月20日)未明に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利見通しが、ドル円続伸の鍵を握ることになりそうだ。FOMCは昨年12月に公表した見通しで、今年3回、合計75ベーシスポイント(0.75%)の利下げを見込んでいたが、今回の改定で2回に引き下げられる可能性があると見ており、アメリカ長期金利とドル上昇を後押しするか注目したい。一方、可能性は低いと見るが、仮に量的引き締め(QT)の縮小に関する詳細が明らかにされれば、ドルの下押しにつながることも考えられる。その意味でも、パウエルFRB議長の会見が注目されよう。

政策金利に関しては、市場予想は5.0%から5.25%で据え置きとなっている。今回の注目点は、今後の金利見通しだ。2023年12月に公表された金利見通しでは、年内に3回利下げするだろうとFOMCが見込んでいたが、最近のアメリカの経済指標の結果を見ると、もしかしたら2回になるのでは、と市場が考え始めている。

3月、6月、9月、12月のFOMCでは、この政策金利の見通しと、もう1つ経済見通し、いわゆるインフレ見通しを発表する。インフレと経済成長に関する見通しの中でも、足元のCPIの底堅さを見て、インフレ見通しが上方修正されるのではという見方が出てきている。そうなると、利下げの見通しも3回から2回に引き下げられる可能性があると見ている。

ドットチャート

12月のFOMCで公表されたドットチャートは、政策金利の見通しを青い点で各参加者の予想をマッピングしたものだ。2023年のところを見ると、年末時点ではタカ派の人もいればハト派の人もいるのである程度ばらけるが、その中央値がどこになるかを市場は注目している。12月時点で、中央値は4.5%から4.75%の間にあった。ここから2人変化すれば中央値が1個上がるので、2回になる可能性は高いのではと見ている。

そうなると、利下げの可能性が1回減るので、アメリカの金利が上昇し、ドルが買われ、ドル円上昇という流れになっていく、と考えられる。現在、短期金利市場ではどれくらいそれを織り込んでいるのかというと、6月に1回目の利下げになるんじゃないかと見ているのが大体6割から7割弱ぐらいで、年内では2.9回の利下げを織り込んでいる状態だ。そうなると、もしドットチャートで中央値が2回になると、金利が跳ねる。つまり、まだ金利上昇余地、ドルの上昇余地がもう少しあるということだ。

ただ、仮にドットの中央値が変わらなかった場合は、若干ドルが売られると考えられる。というのも、6月利下げの可能性が一気に高まると思うからだ。6月、7月、9月、11月、12月と5回しかない中で3回利下げするとなったら、6月に実施しないともう回数的に追いつかなくなってくる。

そうすると、今6割しか織り込んでいない6月の利下げ確率がぐっと9割ぐらいまで上がるので、おそらくドルが下がることになるのではないか。そうなった場合、クロス円は買い(ロング)がいいと思う。結局ドル安・円安という動きになると思うので、豪ドル円などは、特に株が上がりそうなので妙味がありそうな気がする。現時点で豪ドル円は、99円手前まで上昇してきている。年初来高値が99円55銭なので、もうかなり迫ってきている。今朝の時点では98円55銭だった。豪ドルはどうしても外部環境に左右されやすい通貨で、昨日もそうだった。オーストラリア中銀(RBA)がハト派的な姿勢を弱めたにも関わらず、円安が進んだために豪ドル円で見ると大幅高になっている。

注意すべきはQTの縮小

FOMCに関して注意しておいた方がいいポイントとして、量的引き締め(QT)の縮小だろう。量的引き締めというのは、金融緩和の時に買い込んでいた資産を売却している状況のことだが、このペースが上がりすぎてきたので少し緩めようかという議論が始まっている。つまり、金融引き締めの度合いを弱める方向の話なので、実現するとドル売りになる可能性がある。ただ、この議論に関しては3月のFOMCから本格的に議論するということなので、今回何か具体的な詳細の発表はないとは思うが、仮に何かそういう決定に近いような内容が出てくると、ドル安につながる可能性もあるので注意しておいた方がいい。そのあたり関してはパウエルFRB議長の会見の中で出てくる可能性もあるので、会見は最後まで注目しておいた方がいいんじゃないかと思っている。

FOMC後のドル円相場、為替介入のタイミング想定

今日注目の材料はFOMCで、夜中の3時からだ。日銀の金融政策決定会合でドル円があれだけ動いたので、FOMCもかなり大きな動きになる可能性は十分ある。特に日本の明け方というか、取引の薄い時間帯なので、FOMCの場合はかなり荒い動きになる可能性があるので注意したい。

ドル円は現在151円34銭まで上がってきており(※配信時のレート)、昨年高値が151円91銭から94銭だった。今日のFOMC次第で金利が上がり、ドットチャートの中央値が2回に変わっていたとなると、152円も十分あり得ると思う。水準的には介入警戒感が出てくるとは思うが、日本の明け方という時間帯を考えると、その時間に政府・日銀が介入する可能性は低いのではないか。投機勢が狙うならその時間帯、特に152円は過去2年間に渡って上を止められた水準なので、色々な売り防戦が出てくると思う。そこを上に突破してしまうと、今度は防戦売りをしていた人たちが買いに回って、一気に跳ねたりするというのは十分考えられる動きだと思う。

152円で妙な売りが出たりするかということだが、オプションなど色々あるので何が妙で何が妙じゃないかは分からないが、相当意識されている水準だ。これを政府・日銀サイドから見た場合、日銀が利上げをしたにも関わらず、植田総裁就任後、最も円安の水準になるわけだ。もし152円で明日の朝を迎えたりすると、今度は朝一番で介入が出てくる可能性がある。かなりややこしい感じになりそうだ。昨年の東京の為替介入は朝8時台にあったので、そういった時間帯にもあり得る。いきなり介入はないだろうと思われるので、たとえば明日の朝一、8時50分ぐらいに鈴木財務大臣が閣議後の囲みで牽制発言を行う、などが考えられる。十分注意していただければと思う。

 

動画の中で参照しているレポートはこちらです。

www.gaitame.com

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kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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