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ドル円上昇で150円超え視野に、内田日銀副総裁ハト派発言で円安進行 2024/2/9(金)志摩力男

 

配信期間が終了しました。
最新動画は【外為マーケットビュー】で公開しています。

動画配信期間:2024/2/9~2024/2/23

外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。

時間がない方向け「ポイント要約」 ・内田日銀副総裁の講演内容がハト派的だった
 →更なる円安進行の可能性
 →ドル円は150円を超えていくパスが見えてきた

目次

0:00 今回のダイジェスト
0:18 相場振り返り 円安進行
5:50 内田日銀副総裁の講演内容を点検
12:01 ドル円予想 円安スタートの可能性
13:27 【PR】口座開設特別キャンペーン

相場振り返り 円安進行(要約)

昨日の内田日銀副総裁の講演内容がハト派的だったということで、円安が進んでいます。講演内容ですが、「今後の日銀がどのように政策を変更していくのか」「内田さんがどのような思いで黒田時代からこれまでやってこられたのか」「これから先の日本経済どうなるのか」ということを簡潔にまとめられていて、非常にいい内容だったと思います。
ただ、これまでの経緯を考えてみると、まずドル円は昨年末ずっと円高になってきました。これは、アメリカはいずれ利下げする、そして日本はいずれ金融正常化に向かう、日米金利差がタイトになる方向に行くんだということで、ドル安・円高になりました。

【ドル/円(USD/JPY) 4時間足チャート】※2024年2月9日09:40頃

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しかし、能登における震災があったり、NISAのこともあったり、震災で日本の金融正常化が遅れるんじゃないかっていうことで、ドル高・円安に向かいました。

【ドル/円(USD/JPY) 4時間足チャート】※2024年2月9日09:40頃

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ただ、1月23日の日銀政策決定会合において、この時の植田総裁の発言が、1月にでも政策を変更したかもしれないと思えるほどのポジティブな内容だったので、そこで一旦円高方向に行きました。その後は切り返したわけなんですけれども。その後、内容を精査するうちに、日銀の政策変更はもしかしたら3月にもやるんじゃないかっていうことで、じりじりと円高に行ったわけです。

【ドル/円(USD/JPY) 4時間足チャート】※2024年2月9日09:40頃

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しかも、1月31日に主な意見っていうのが発表されたんですけども、その内容が12月と比べて、中の人たちが入れ替わったんじゃないかと思えるくらい日本経済に対してポジティブで、今すぐにでも政策を変更しなければいけないという内容だったので、これでまた円高方向への力が加わったことになりました。
また月末リバランスがあって、ドル円のインパクトが大きくて驚きました。これはもしかしたら、信託銀行なんかで運用してるようなところが、米株が非常に好調だったために、米株から米国債へのシフトがあったのかもしれないですね。それでアメリカの金利も下がりました。それから、海外のポートフォリオが非常に儲かったので、その一部を日本に移すというリバランスもあったと思います。それゆえ円高になったんじゃないかなと思い ます。
ところが、12月のFOMCのパウエルFRB議長の発言が非常にハト派的でした。「利下げの議論を始めた」っていう風におっしゃったもので、それでドル安方向に行きました。やっぱりパウエルさんも、あれは失敗だったと思ってたんだと思います。きっとハト派方向に行かないようにと話してたために、3月の利下げを否定するという発言をされてしまったので、ここから一転ドル高方向に向かうことになります。
そして、アメリカの雇用統計において強い数字が出たので、ここで一気にドーンとドル円が上昇することになりました。しかしながら、日銀の政策変更がいずれあるという思いもあったので、多くの大きなプレイヤーが「日銀が正常化に向かうんだから、いずれ円高の方向に行くんじゃないか」ってことで、なかなか149円に触られなかったんですけども、大手のプレイヤーの売りがどんどん入ってたんですね。特に日銀以来。

【ドル/円(USD/JPY) 4時間足チャート】※2024年2月9日09:40頃

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大手というのは、大きなファンドとかリザーブマネージャーとか、外貨準備を動かすようなところはドル売り・円買いに出てたので、149円の手前が重かったんですけれども、昨日の日銀内田副総裁の講演で全てひっくり返りました。

内田日銀副総裁の講演内容を点検(要約)

講演の内容を具体的に見てみます。最近、日銀が急にタカ派的になったのはどうしてなのかと思ったんですけども、ここにヒントがありました。
「先月開催した日本銀行の支店長会議でも、『賃上げ実施の機運は、昨年より早い時期から高まってきている』という報告が相次ぎました。」
これは、日銀内部のヒアリングベースの情報が非常にポジティブだったと。この情報を元にしているので、12月と1月の間に震災もあり、特に改善した経済指標はなかったんですが、それでも多くの審議委員の方が意見を変えたっていうのは、こういう支店長会議から来る情報がポジティブだったっていうことなんだとは思います。
それで、3月にも政策変更があり得るというような話になってきてるんですけど、内田さんはどちらかというと黒田総裁の元でずっとサポートされていた方なので、リフレ派の部分があるんだと思いますが、-0.1%の金利を正常化するってことは、それは利上げなんじゃないかっていうような話をされております。
「仮にこの状態に戻すとすれば、現在の無担保コールレートは-0.1~0%ですので、0.1%との利上げということになります。」
ここは、海外の人は「もしかしたら正常化は遠いのかな」っていうような印象を持ったと思います。ただ、それでもそのうち正常化してきますよみたいな話になっています。
ここで重要なのは、「正常化に一考するんだけれども、日本経済っていうのは欧米とは全然違うので、正常化したとしてもどんどん金利を上げていくわけではなく、非常に低い金利がずっと続くんだ」ってことを丁寧に説明されております。まず、
「仮にマイナス金利を解除しても、その後どんどん利上げしてくようなパスは考えにくく、緩和的な金融環境を維持していくことになると思います。」
ここで、現在の政策金の市場予想っていうのが出ています。

今が0%ぐらいなんですが、1年後で0.25%、2年後で0.5%っていう、1年間に0.25%ずつ利上げという経路を市場は予想してます。これ、極めて遅いですよね。多くの海外のプレイヤーは、テイラールールとかに基づくと、すぐにインフレ率が2%になるんですから、会合ごとに0.25%ずつどこかで上げていって、1年後には1%、2年後には2%っていう図を海外勢は考えていると思います。 ここのギャップが非常に大きいわけです。

「こうはならないよ」と、内田さんはおっしゃられたわけです。
それと同時に、テイラールールの話があります。
「一方で、『2%のインフレ率を前提にすれば、仮に実質ベースの自然利子率がゼロ%としても、中立的な名目金利は2%になるはずだ』 あるいは、それをベースに『テイラールールなどの簡易な方法で、あるべき政策金利を計算すると、もっと高い数字になる』といった見方が、特に海外の市場関係者やエコノミストなどからは、よく聞かれます。」
ここで、あえて海外向けに解説するんですけども、どちらが良いとかはないという前提を置いた上で、日本は欧米とは違いますと。
「欧米とは異なり、わが国では、まだ2%に向けて上昇していく過程にある、という違いもあります。」
という風に、日本と欧米は違うんですっていう議論をされております。
最後にイールドカーブ・コントロールについても、YCCを解除したからといって、その後の買い入れをどうして行くかっていうことで、急に買いがなくなるわけではないです と。そして、
「その前後で不連続的な形で、買い入れ額が大きく変わったり、金利が急激に上昇する といったことがないよう、丁寧に対応したいと思います。」
という風におっしゃっておられます。つまり、 JGBをずっと買うって言ってるんですね。要は、「金利は急には上がらない」「JGBの購入はYCCが解除されてもずっと続けます」ということです。
また、内田さんの思いが書かれているんですが、「ハイプレッシャー・エコノミー戦略」っていう言葉を出しています。これをずっと続けますよってことですね。とにかく、超緩和的な状況をずっと続けて、インフレを容認する形で経済をふかすっていうことをおっしゃっています。
これから先、「日本経済は正常化したとしてもずっと超緩和的な状態が続く」という認識に至るのは、おそらく正常化を終えてしばらく経った後、今年の後半あたりでそういう議論になってくるんじゃないかなと思ってたんですが、ここで海外勢の認識が変わるような発言をされたわけです。

ドル円予想 円安スタートの可能性(要約)

その結果、「じゃあ、もう日本は超金融緩和が続くんだね」ってことで、ドル円は149円を突破して円安方向に向かっております。

【ドル/円(USD/JPY) 4時間足チャート】※2024年2月9日09:40頃

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ちょっと衝撃的な講演内容だったので、海外勢に対して「あなたたちの考え方は違うんですよ」と、丁寧に説明されているので、これは円安のスタートになっていくんじゃないかなと思います。150円を超えてくると介入警戒とか高まりますし、GPIFのヘッジも今年は計画されている。けれども、アメリカ経済はFRBが市場の見方よりもかなりタカ派的なところにある。で、日銀は期待してたほどタカ派的ではない、ハト派的な金融緩和をずっと続けるってことを言ったようなものなので、円安がもしかしたら更に行ってしまうんじゃないかなと思います。ちょっと前は149円を超えないで調整に入るかなと思ったんですが、内田副総裁の講演内容が非常に緩和的なものだったので、150円を超えていくパスが見えてきたんじゃないかなと思います。

 
志摩力男氏96_130.jpg 志摩力男 氏
慶應義塾経済学部卒。1988年ー1995年ゴールドマン・サックス、2006-2008年ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任、その後香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立した後も、世界各地の有力トレーダーと交流があり、現在も現役トレーダーとして活躍。
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