ドル/円、149円台へ再トライ…内田日銀副総裁のハト派発言で円売り強まる
東京市場のドル/円は、強含みの展開。内田日銀副総裁は金融経済懇談会での講演やその後の記者会見で「どんどん利上げをしていくようなパスは考えにくく、緩和的な金融環境を維持していく」などと表明しました。内容がハト派的だったことから円売りが強まると148.60円台まで上昇しました。欧州市場でも円売りの流れが続き、一時148.85円前後まで上値を切り上げました。
●日経平均株価：36863.28円（+743.36円）
●TOPIX：2562.63ポイント（+12.68ポイント）
今夜は、米新規失業保険申請件数が発表されます。市場予想は22.0万件と前回（22.4万件）からやや減少すると見られています。米労働市場の底堅さが示されれば、ドル/円が年初来高値（148.89円前後）を更新することも考えられます。また、米連邦準備制度理事会（FRB）による利下げ時期を巡り、バーキン米リッチモンド連銀総裁の講演にも注目が集まるでしょう。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、10日線を下値支持に上昇基調を継続しています。また、RSIが50ライン上で上向きになったため足元で上昇の勢いが強まったことが分かります。今年の高値であり直近の上値抵抗と意識される148.80円台を突破するようだとさらに勢いづきそうです。そのうえで、149円台に定着すると150円を視野に入れた展開となることも考えられます。なお、再び反落したとしても上昇トレンドラインを下抜けない限りはトレンド方向に変化はないでしょう。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
2/8（木）
21:00 メキシコ1月消費者物価指数
22:30☆米新規失業保険申請件数
22:30 バーキン米リッチモンド連銀総裁講演
24:00 マン英MPC委員講演
24:30 レーンECB専務理事講演
26:05 バーキン米リッチモンド連銀総裁講演
27:00 米30年債入札（250億ドル）
28:00 メキシコ中銀政策金利
2/9（金）
07:30☆ブロックRBA総裁講演
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員宇栄原 宗平（うえはら・しゅうへい）
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか！』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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