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ドル円・クロス円に円高圧力かかりそう|日銀の動きが積極的に、3月政策変更の可能性がかなり高い 2024/2/2(金)志摩力男

配信期間が終了しました。
最新動画は【外為マーケットビュー】で公開しています。

動画配信期間:2024/2/2~2024/2/16

外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。

時間がない方向け「ポイント要約」 ・ドル円は結果的に頭を作ったような感じになっている
・日銀の動きがかなり積極的に
 →3月政策変更の可能性がかなり高い
 →ドル円・クロス円で目先もう少し円高圧力がかかる
・2月5日におそらくオルカン関係から大きな買いが入る
 →東京の仲値じゃなくてロンドンフィシングに注目

 

目次

0:00 今回のダイジェスト
0:28 相場振り返り ドル円下落が予想外に強烈
1:59 ドル円レンジ下抜け 頭をつけたか
2:31 米長期金利下落・米地銀株が急落
3:42 日銀 3月にも政策変更の可能性
7:33 FOMC パウエル議長3月利下げを否定か
8:31 ドル円・クロス円に円高圧力の可能性
8:54 NISAの影響 2月5日ロンドンフィキシングに注目
9:49 【PR】口座開設特別キャンペーン

要約

相場振り返り ドル円下落が予想外に強烈

今週は月末リバランスとFOMCが大きなポイントだったんじゃないかなと思います。
月末のリバランスは、私自身ユーロドル中心に少し大きめのドル売りを想定していたんですが、ドル円における下落が結構強烈でした。147円台後半から始まり、徐々に下落のモメンタムを高めて146円台前半まで一気に下落しております。

【ドル/円(USD/JPY) 10分足チャート】※2024年2月1日06:20頃

最新の為替チャート|ドル/円(USDJPY)|10分足」はこちら

途中、アメリカの長期金利が結構 下がってきたっていうのも背景にありますが、ここまで大きな売りになるっていうのはちょっと想定していませんでした。計算の中に入っていなかった大きなリバランス、もしかしたら信託銀行経由あたりがあるのかなというような気はしております。
ユーロドルはドル 円ほどではなかった。1.0805ドルから上がっていって、1.0887ドルまで上がったんですけども、直前においては少し失速気味でした。

【ユーロ/ドル(EUR/USD) 10分足チャート】※2024年2月1日06:20頃

最新の為替チャート|ユーロ/ドル(EURUSD)|10分足」はこちら

事前にユーロでロングをする人が多かったこともあると思いますし、ユーロが上昇したところでカウンターで売ろうっていう動きも結構あったんだと思います。

ドル円レンジ下抜け 頭をつけたか

ドル円は、結果的に一連の動きにおいて頭を作ったような感じになってるんじゃないかなという気はしております。これまで147円と148.50円台より上側のレンジ相場だったんですが、1回クリアに切ってきました。戻りに押されて現状146円台前半にいるということになっております。

【ドル/円(USD/JPY) 60分足チャート】※2024年2月1日06:20頃

最新の為替チャート|ドル/円(USDJPY)|60分足」はこちら

米長期金利下落・米地銀株が急落

アメリカの長期金利が今日もすごく下がっています。 この背景がよくわからないって いうところがあります。昨日のアメリカの長期金利低下は、おそらく月末のリバランス も入ってるんじゃないかなと思いますし、 FOMCの結果を受けて、その内容が少しタカ派だったこともあるので、解釈の仕方によっては「タカ派だからむしろ将来のインフレが収まる、もしかしたら経済の減速があるんじゃないか」っていう懸念にも繋がったっていう解釈はできるんですけども、苦しいところではあります。
アメリカの地銀が引き当て金をかなり積み上げたので、それで株価が急落したっていうのもニュースになっておりました。本日も地銀株は結構落ちてるんですが、この地銀の株価の下落がアメリカ経済に大きな影響を与えるかって言うと、昨年の3 月ほどではないと思われるので、ちょっとその辺もどうか分からないなっていうところではあります。

日銀 3月にも政策変更の可能性

ドル円が一つ頭をつけたんじゃないかと思うのは、アメリカがこれから金利が下がるっていうこともあるんですけども、日銀の動きがかなり積極的になってきているっていうのがあります。
特に「主な意見」。普段あまり主な意見って注目しないんですけれども……というのは、主な意見と書いてあったとしても、それが過去、日銀政策決定会合に十分反映されたかっていうと、そうでもないのかなっていう思いがあるものですから、あまり真剣には読まないんです。ただ今回は、前回の部分と比べると顕著に差が出ております。
右が昨年の12月18-19日の古いもので、左が今回の1月22-23日の新しいものです。

この2つの差なんですが、この間に震災もあったものですから、むしろ震災のことを考えると、1月の「主な意見」の方は少し経済に対して弱気になっていても不思議ではないはずなんですが、一応に強い表現が出ております。
例えば、古い方は、「賃金からサービス価格への転嫁については、企業からは引き続き難しいという声が多く聞かれる。」と書かれています。ところが、新しい方では「財価格の上昇率が今後もさらに下がっていく一方、サービス価格の上昇率は春季労使交渉での賃上げに支えられて上がっていくと見られる。」、もう既に賃金が上がるものっていう前提で話が入っております。「賃金と物価の好循環の実現の機運が高まっていると」かですね、勇ましい表現がそこかしこにあります。
「金融政策運営に関する意見」を見ると、古い方では「現時点では、『物化安定目標』の持続的・安定的な実現を十分な確度を持って見通せる状況には、なお至っておらず、 イールドカーブ・コントロールのもとで、粘り強く金融緩和を継続する必要がある」という言い方なんですけども、新しい方では「この先、賃金と物価の好循環を確認し、目標の実現が見通せる状況に至れば、マイナス金利を含む大規模金融緩和策の継続の是非を検討していくことになると考ている。」と、かなり前向きな表現です。また、「今春の賃金改定は過去対比高めの水準で着地する蓋然性が高まっているほか、経済・物価情勢が全体として改善方向にあることを踏まえると、マイナス金利解除を含めた政策修正の要件は満たされつつあると考えられる。」これなんかもう3月にも政策変更しましょという感じではあります。昨年12月の古い方では、そういうような表現は全然見られないわけですよね。
この1ヶ月の間で何が起こったのかっていうと、そこがよくわからないところではあるんですが、植田総裁はヒアリングベースでのデータ収集をより積極的に使っていくってことをおっしゃっておられました。おそらく、各視点から上がってくるヒアリングベースでの情報を元にすると、かなり賃金が上昇するっていう確度が高まっているんじゃないかなとは思います。そういうこともありまして、おそらく3月にもしかしたら政策変更の可能性がかなり高いんじゃないかなっていう感じはしており ます。

FOMC パウエル議長3月利下げを否定か

FOMCに関しては、3月の利下げについてパウエルFRB議長は否定されたので、それ以降になっていくとは思われます。パウエル議長は前回のFOMCで「利下げの議論を始めている」っていう風に発言しましたが、ちょっと失言に近かったんじゃないかなと、結果的にそう思っていらっしゃるんだと思います。ですから、あまりハト派的なことを言わないようにと、自分に言い聞かせてFOMCに出ていた感じがしております。そのため、言わなくてもいい「3月の利下げはないよ」みたいな言い方しちゃったんじゃないかと思います。それで、短期的な金利動向ではちょっとタカ方向に触れたんですが、長期金利がグッと低下しているので、ここをどう判断するか難しいところではあります。

ドル円・クロス円に円高圧力の可能性

アメリカの地銀の問題はそれほど大したことはないと思いますので、このままの状態で米雇用統計を迎えてどうなるのかっていうところだと思います。ただ、ちょっと日銀の出方が変わってきているので、ドル円・クロス円で目先もう少し円高圧力がかかるんじゃないかなと、個人的にはそう思うようになってきております。

NISAの影響 2月5日ロンドンフィキシングに注目

2月5日には、おそらくeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)関係から大きな買いが入る。これが、多くの方が東京の仲値で入るっていう風に思っていらっしゃるんですけども、東京の仲値じゃなくてロンドンフィシングじゃないかなと、個人的には思っております。というのは、1月の動きがそうだったからです。東京の仲値で買いが入ると、もしかしたら肩透かしかもしれません。それと、多くの方はそこで大きなドル買いが入るんだと思い込んでいるので、事前にロングが溜まりやすい状況だと思います。実際その時間になったら、「大して上がらなかった、ガッカリ」というケースもあり得ると思いますので、そこは注意というところでしょうか。

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志摩力男氏96_130.jpg 志摩力男 氏
慶應義塾経済学部卒。1988年ー1995年ゴールドマン・サックス、2006-2008年ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任、その後香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立した後も、世界各地の有力トレーダーと交流があり、現在も現役トレーダーとして活躍。
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