メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2023年12月13日16時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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メキシコペソ/円チャート(日足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
「足元のメキシコペソ/円は2カ月利安値から持ち直す展開」
7日、日銀の植田総裁が「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と発言したことを受けて年内にもマイナス金利が解除されるとの思惑が急速に広がりました。8.5円台で推移していたペソ/円は円買い主導で断続的に下値を切り下げ、海外市場では8.116円前後まで下落。10月9日以来約2カ月ぶりの安値を付けました。この日に発表されたメキシコ11月消費者物価指数(CPI)が予想をわずかに下回ったこともペソ/円の重しとなった模様です。ただ、その後は8日に発表された米11月雇用統計が米国景気の底堅さを示したことで市場のリスク志向が上向くとペソ/円は反発。週明け11日は日銀が「12月はマイナス金利解除を見送る」との観測報道で円売りに傾くとペソ/円は8.437円前後まで持ち直しました。12日にはアルゼンチンが通貨ペソの公式レートを約50%切り下げると発表しましたがメキシコペソへの影響はなく、13日にかけて8.40円を挟んで底堅く推移しています。
「目先のメキシコペソ/円の注目ポイントはメキシコ中銀政策金利」
メキシコ中銀は14日に政策金利を発表します。前回の声明で「インフレ目標への秩序ある収束には、金利をしばらくの間は現在の水準で維持する必要がある」と表明したことから、今回も政策金利を11.25%に据え置く可能性がきわめて高そうです。もっとも、中銀のロドリゲス総裁は「マクロ経済の状況が許せば」とした上で、「利下げの検討を始める可能性があるが、年内はないだろう」と発言。こうした中、市場では来年3月の利下げ開始を見込む声が高まっています。一方で、エスピノス副総裁は「インフレ率は減速しているが、2025年4-6月期に目標圏(1~3%)に収まるシナリオの実現性は厳しさを増している」と述べて、早期の利下げには慎重な姿勢を示しています。今回の声明に利下げに関するヒントが盛り込まれる公算は小さいと見られますが、仮に盛り込まれれば大きなサプライズになり得るだけに注目しておきましょう。
当面のメキシコペソ/円の見通し
予想レンジ
8.250~8.550円
基調
方向感模索
当面の注目ポイント
・☆12/14 メキシコ中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格
メキシコペソ/円(MXN/JPY) 為替チャート・FXチャート│はじめてのFXなら外為どっとコム
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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