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ポンド/円・豪ドル/円の12月見通し「クリスマス控え円売りに一服感 手仕舞いなら買戻しも」

【外為総研 House View】

House View

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼ポンド/円
・ポンド/円の基調と予想レンジ
・ポンド/円 11月の推移
・11月の各市場
・11月のポンド/円ポジション動向
・12月の英国注目イベント
・ポンド/円 12月の見通し

▼豪ドル/円
・豪ドル/円の基調と予想レンジ
・豪ドル/円 11月の推移
・11月の各市場
・11月の豪ドル/円ポジション動向
・12月の豪州・中国注目イベント
・豪ドル/円 12月の見通し

ポンド/円

ポンド/円の基調と予想レンジ

ポンド/円 11月の推移

11月のポンド/円相場は182.723~188.666円のレンジで推移し、月間の終値ベースで約1.5%上昇した(ポンド高・円安)。2日、英中銀(BOE)は2会合連続の政策金利据え置きを決めた。この直前に182.72円前後の安値を付けていたポンド/円は、BOEが追加利上げに含みを持たせたことで反発。その後もベイリーBOE総裁が、市場にくすぶっていた利下げ転換への思惑をけん制したことなどからポンドは底堅く推移した。

14日には、米10月消費者物価指数(CPI)の鈍化を受けてドル安と株高に振れたことでポンド高・円安が進み一時188円台に上昇。15日に発表された英10月CPIの大幅鈍化を受けてBOEの早期利下げ観測が強まるとポンドの上値は重くなったが、ベイリーBOE総裁による度重なる利下げ観測のけん制によって持ち直すと、24日には188.67円前後まで上昇して2015年11月以来8年ぶりの高値を付けた。

その後、月末にかけてはドル/円が150円台から146円台に反落したためポンド/円は伸び悩んだが、ポンド/ドルが約3カ月ぶりに1.27ドル台へ上伸したことから186円台で下げ渋った。

出所:外為どっとコム

2日
BOEは大方の予想通りに政策金利を5.25%に据え置いた。声明で「最新の予測からみて、金融政策は長期にわたり制約的な必要がある」「インフレ圧力がさらに持続する証拠があれば一段の引き締めが必要になる」と表明した。同時に公表した議事録では、3人の金融政策委員会(MPC)メンバーが、物価上昇圧力が根強いとの見方から0.25ポイントの利上げを主張したことが分かった(6対3で据え置き決定)。

その後、ベイリーBOE総裁が会見を行い「利上げが功を奏し、インフレは鈍化している。インフレ率が目標の2%まで下がり続けることを確認する必要がある。今月は金利を据え置いたが、さらなる利上げが必要かどうか注視していく」として「利下げについて考えるのはあまりにも時期尚早だ」と強調した。

8日
ベイリーBOE総裁は「利下げについて話をするのは本当に早すぎる。その点について議論していないことを我々は非常に明確にしている」と述べて来年半ばの利下げ開始を織り込んだ市場の観測をけん制した。

10日
英7-9月期国内総生産(GDP)・速報値は前期比±0.0%と横ばいで、市場予想(-0.1%)を上回ったが4-6月期(+0.2%)から減速した。同時に発表された英9月鉱工業生産は前月比±0.0%と予想通り。同貿易収支は142.88億ポンドの赤字だった(予想153.00億ポンドの赤字)。

13日
英国のスナク首相は、キャメロン元首相を新外相に指名したと発表。イスラエル軍によるガザ地区への軍事作戦に抗議するデモを批判したとして解任されたブレーバーマン内相の後任にクレバリー外相を充て、次期外相に2010年5月から16年7月まで首相を務めたキャメロン氏を起用した。

14日
英10月失業率は4.0%と9月から横ばいで、同新規失業保険申請件数は1.78万件(9月0.90万件)だった。国際労働機関(ILO)基準の英7-9月失業率は4.2%(予想、前回ともに4.3%)。同週平均賃金(除賞与)は前年比+7.7%だった(予想+7.7%、前回+7.9%)。

15日
英10月CPIは前月比±0.0%、前年比+4.6%と予想(+0.1%、+4.7%)を下回った。食品やエネルギー、タバコなどを除いたコアCPIも前年比+5.7%と予想(+5.8%)を下回った。総合CPI、コアCPIともに前年比で9月(+6.7%、+6.3%)から大幅に伸びが鈍化した。

17日
英10月小売売上高は前月比-0.3%と予想(+0.4%)に反して減少。自動車燃料を除いた小売売上高も前月比-0.1%と予想外に2カ月連続で減少した(予想+0.5%、前回-1.3%)。

21日
ベイリーBOE総裁は「市場はインフレ率の急低下を過剰に重視している」「インフレが今後しつこく続くことを我々は懸念している」と述べて、市場の早期利下げ観測をあらためてけん制した。BOE金融政策委員会(MPC)のハスケル委員も「総合インフレの低下は、インフレのトレンドを判断する良い指標ではない」との見解を示した。

23日
英11月PMI・速報値は製造業が46.7、サービス業が50.5と市場予想(45.0、49.5)を上回った。サービス業PMIは4カ月ぶりに分岐点の50.0を超えて上昇した。

11月の各市場

11月のポンド/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

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12月の英国注目イベント

ポンド/円 12月の見通し

英中銀(BOE)は12月13-14日の金融政策委員会(MPC)でも政策金利を5.25%に据え置くだろう。11月MPC以降、ベイリー総裁らBOE高官が市場の早期利下げ転換観測をいく度も否定したことを踏まえると、12月声明でも「インフレ圧力がさらに持続する証拠があれば一段の引き締めが必要になる」との文言を残して追加利上げに含みを持たせる公算が大きいと見る。

翻って、足元の市場は、BOEによる追加利上げの可能性はほぼゼロと見ており、遅くとも来年24年6月までには利下げに転じると見ている。そうした中で、仮に12月声明で追加利上げに含みを持たせれば、半年程度先の利下げを織り込んだ市場からはBOEの姿勢が「タカ派寄り」に映ると見られ、ポンド相場の押し上げに繋がるだろう。

もっとも、MPC直前の12-13日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されることから、この前後でドルの値動きも活発になると見られる。ポンド/ドル相場が不安定化すれば、ポンド/円も不規則に変動する場面が増えそうだ。また、英MPCを終えればクリスマス休暇に入る海外勢が徐々に増えると考えられる。手仕舞いのための反対売買が強まることも想定される。

今年2023年は、年間を通して円売りが優位で、ポンド/円は11月に8年ぶりの高値まで上昇した。手仕舞いの動きがあるとすればポンド売り・円買いになりそうだ。
(予想レンジ:182.500~189.500円)

豪ドル/円

豪ドル/円の基調と予想レンジ

豪ドル/円 11月の推移

11月の豪ドル/円相場は95.614~98.583円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約1.8%上昇した(豪ドル高・円安)。1日に95.61円前後の安値を付けた豪ドル/円は、豪中銀(RBA)の利上げ期待などを背景に3日には97円台を回復。7日にRBAが予想通りに利上げを決めると失速したものの、10日の金融政策報告でインフレ見通しを上方修正したことなどから再び強含んだ。

14日には米10月消費者物価指数(CPI)の鈍化を受けてドル安と株高に振れると豪ドル高・円安の動きが強まり、豪7-9月期賃金指数が発表された15日には98.58円前後まで上昇。昨年9月以来約1年2カ月ぶりの高値を付けた。その後は、米感謝祭休暇に向けた持ち高調整などでやや水準を切り下げたが、中国が人民元高・ドル安誘導の姿勢を強めたことで下げ渋ると、ブロックRBA総裁が追加利上げの可能性を示唆(22日)したことなどから持ち直した。

24日には98.50円台を回復したが、15日高値は超えられなかった。その後、29日には豪10月CPIの鈍化を受けて豪ドル売りが強まる場面もあったが、30日にはドル/円が146円台から148円台へと急反発する中、円安主導で一時98円台に持ち直した。

出所:外為どっとコム

2日
豪9月貿易収支は67.86億豪ドルの黒字となり、黒字額は市場予想(95.00億豪ドル)を下回った。輸入が前月比+7.5%と伸びた一方、輸出は-1.4%と減速した。

7日
中国10月貿易収支は565.3億ドルの黒字と、黒字額は市場予想(820.0億ドル)を大きく下回った。輸出が前年比-6.4%と予想(-3.5%)以上に落ち込んだ一方、輸入は+3.0%と予想(-5.0%)に反して増加した。

RBAは大方の予想通りに政策金利を4.10%から4.35%に引き上げた。利上げは6月以来で5会合ぶり。ただ、声明で次回以降の追加利上げについて積極的な姿勢を示さなかったとの見方が広がると、豪ドルは初動の上昇から一転して下落した。

RBAは将来の金融政策の方向性を示すフォワードガイダンスを「金融政策をさらに引き締める必要があるかどうかは、データとリスク評価次第だ」とした。

9日
中国10月CPIは前年比-0.2%と予想(-0.1%)を下回り、3カ月ぶりに低下。需要低迷によるデフレ圧力が根強いことを示唆した。

10日
RBAは四半期に一度の金融政策報告を発表。11月の理事会では「金利据え置きも検討したが引き上げがインフレ対応に必要と判断した」と明らかにした。インフレ見通しについては、「2025年終盤までに3.0%をやや下回る水準になる」として前回から0.25%引き上げた。その上で「インフレ率がさらに予想外に上振れる可能性がある」と警戒感を示した。

15日
豪7-9月期賃金指数は前年比+4.0%と市場予想(+3.9)を上回り4-6月期(+3.6%)から伸びが加速した。当初こそ豪ドルの反応は鈍かったが、その後は中国10月鉱工業生産と同小売売上高が予想を上回ったこともあって1年2カ月ぶりの高値となる98.58円前後まで上昇した。

16日
豪10月雇用統計は、失業率が予想通りに3.7%に上昇(前回3.6%)した一方、新規雇用者数は5.50万人増と市場予想(2.40万人増)を上回り、増加幅は前回(0.78万人)から拡大した。労働参加率は過去最高に並ぶ67.0%に上昇した(予想、前回ともに66.8%)。

21日
RBAは7日の理事会の議事録を公表。5会合ぶりの利上げについて、「今回の会合で金融政策を引き締めれば、インフレ期待が上昇するリスクを軽減するのに寄与すると判断した」と説明。「追加の引き締めは、今後のデータやリスク次第」としながらも「あと1~2回の利上げを想定していなければ、インフレ予測はさらに高くなるだろう」との見解を示した。

22日
ブロックRBA総裁は「総需要が潜在的な供給力を上回っていることに起因するインフレに対しては、一段と大幅な金融政策の引き締めが適切な対応だ」と述べて追加利上げの可能性を示唆した。

28日
豪10月小売売上高は前月比-0.2%と市場予想(+0.1%)に反して減少した。その後、RBAのブロック総裁は、豪州経済の需要が予想より「わずかに強く」、インフレ圧力が高止まりする要因になっているとの見解を示した。総裁はまた、結果として特にサービス分野のインフレに「かなりの粘着性がある」と指摘。

29日
豪10月CPIは前年比+4.9%と市場予想(+5.2%)を下回り前月(+5.6%)から大きく鈍化した。これを受けてRBAによる追加利上げ期待が後退すると豪ドルは一時下落した。

11月の各市場

11月の豪ドル/円ポジション動向

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12月の豪州・中国注目イベント

豪ドル/円 12月の見通し

豪ドル/円は11月に98円台半ばまで上昇する場面があり、節目の100円が再び視野に入ってきた。市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が来年24年早々にも利下げに転じるとの見方が強まる一方で、豪中銀(RBA)は来年前半に「あと一回の利上げ」を行うとの見方がくすぶっている。こうした市場の見方に大きな変化がなければ、12月も豪ドルは対ドルで強含む展開が続きそうだ。5日のRBA理事会や、12-13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目されよう。

他方、豪ドル/円を見る上では円の動きも重要になる。日銀が来年1月にもマイナス金利を解除するとの観測もあるが、植田総裁以下日銀審議委員の発言からは現時点でそうした動きは読み取れない。マイナス金利解除は早くても春闘(来年度の賃上げ動向)の結果がある程度見えてくる来年4月以降と見られ、12月18-19日の金融政策決定会合ではマイナス金利解除に関するヒントが出る公算は小さいだろう。12月も日銀の緩和修正観測による円高の動きはさほど強まらないと見ておきたい。

もっとも、海外勢のほとんどが12月中旬以降はクリスマス休暇に入ると考えられることから、円キャリートレードの手仕舞いによる円買い戻しが優勢となる可能性はある。結果として、12月は豪ドル高に振れやすい一方で、円安が進みにくいと見られることから、豪ドル/円の100円台到達は難しいと見る。ただし、11月安値(95.61円前後)を割り込んで下値を探る展開も想定できず、底堅い推移が続きそうだ。
(予想レンジ:96.000~99.500円)

 
kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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