兼業トレーダーF氏はアベノミクスによる大幅な金融緩和策がもたらした円安で、多額の利益を獲得したFX歴12年というベテラントレーダーです。「1ドル=100円以下だったから、誰でも利益が出せた」と謙遜するF氏ですが、IFOやIFD注文を駆使して損失リスクを低く抑えるという百戦錬磨のトレードスタイルで獲得した利益は、約2ヵ月間で1,900万円超え。いったいF氏はどのようなやり方で、短期間に多額の利益を得たのでしょうか。詳しく手法を聞いてみました。
ハンドルネーム :F氏
年齢・性別 :60代男性
職業 :自営業(兼業トレーダー)
FX歴 :約12年
トレードスタイル:スイングトレード(中・長期保有)
投資商品 :株式、不動産
運用成績 :2023年6月〜7月の約2ヵ月で1,900万円超えの利益(外為どっとコムの口座のみ)
趣味 :特になし
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▼目次
1.2011年の1ドル=75円が好機に
2.実践で少しずつ覚えたFX投資術
3.複合注文を駆使してリスクを抑えながら確実に利益を
4.1銭刻みで買いを入れ、5銭上がったら「利確」
5.MACD、移動平均線、ボリンジャーバンドで分析
6.YouTubeで学んだ「FXは楽しく遊び感覚で実践」
2011年の1ドル=75円が好機に
編集部:- まず、FX投資を始めたきっかけを教えて下さい。
F氏:- 2011年の秋に1ドルが70円台(※1)になりましたでしょう。
(※1)米ドル/円相場で過去1番円高になったのは、2011年10月31日。一時1ドル=75.58円を記録した
編集部:- 2008年のリーマンショックで1ドルが100円を下回り、それ以降、円高が進みましたよね。
F氏:- はい。テレビのニュース番組を見ていて「(ドルが)ずいぶん下がっているな」って思ったんですね。それがFX投資を始めるきっかけでした。
編集部:- 「円高だから外国為替を買うと良いのじゃないか」と思われたのですね?
F氏:- FX投資を始めたのは、その通りなんですが、外国為替に興味を持ったのは、ずいぶん前からなんです。1ドル=360円の固定相場から変動相場になるときに、テレビ番組で四六時中「円高と円安の解説を専門家がしていたんですよ」そのころから、なんとなく為替に興味を持ちました。
編集部:- となると、1970年代ですよね。まだFさんが学生のころですか?
F氏:- そうです。円の金額が下がると「円高」と呼び、円の金額が増えると「円安」って言いますでしょ。「言い方が逆になるのはなぜだろう」ってね。
編集部:- ドルに対して上がるか、下がるかですからね。
F氏:- 当時は今のように個人で売買できるような環境ではありませんでしたが、その頃から興味を持ちましたね。
実践で少しずつ覚えたFX投資術
編集部:- FX投資を実際に始めたときの感想はいかがでしたか?
F氏:- すでに株式を売買していたので、為替を売買することに抵抗感はありませんでしたが、注文や決済の仕方などアプリの使い方は、やりながら、少しずつ覚えていったという感じですね。
編集部:- たとえば、FX投資の書籍を購入され勉強をしたとか、FX会社が用意しているデモトレで実際に始める前に練習したとか、そういうことはされましたか?
F氏:- 実際の取引画面を見ながら、少しずつ使い方を覚えていった感じですね。
編集部:- 「20代、30代の方でもアプリの使い方が難しくて最初は苦労をした…」なんていう人が多いのですが、Fさんは50代で始められたのですよね?
F氏:- そうですね、確かにずいぶん歳を取ってから始めたことになりますよね(笑)。でも、当時は1ドル=100円にもならないくらい「円高ドル安」でしたでしょ。どこの誰がどんなやり方をしても利益追求が出たんじゃないでしょうか。
編集部:- たぶん、その後の大幅な円安から「ドルを買っておけば…、(誰でも利益が出せた)」っていう意味で、おっしゃっているのかもしれませんが、そう言えるのは、今、振り返っているからですよ。未来のことは誰にも分かりませんから、そのときは、そんなに簡単なことではなかったと思いますよ。
ところでFさんはいくらの資金でFX投資を始められたのでしょうか?
F氏:- 正確には覚えていないんですが、2,000万円くらいだったんじゃないかな。
編集部:- さすがですね。Fさんみたいに1,000万円を超える資金で始められる人はなかなかいませんよ。
F氏:- いえいえ、そんなことはないと思いますが、口座維持のための有効比率が100%を切っちゃうとまずいかなと思っていまして、安定的な運用を目指してある程度余裕を持った運用資産で、との考えです。
編集部:- 有効比率が100%を切ると強制ロスカットになるからですね?
F氏:- はい、だからちょっとお金は多めに入れておいて、有効比率が下がらないようにしておかないといけないなと思っているんです。
編集部:- ネット証券で株式を売買された経験から、投資は余裕を持って売買したほうがいいということに重点を置かれたのですね。それで当初FX投資の運用成績はどうだったのでしょうか?
F氏:- そうですね。FXをはじめて1年後には結構増えましたね。
編集部:- それは素晴らしいです。最初からうまくいかれたのですね?
F氏:- それはもう本当にタイミングのおかげです。ドルを買ったときに、もし1ドル=100円以上だったら、そんなに利益は出なかったと思いますが、あのときは1ドル=100円以下でしたからね。「ビギナーズラック」ってことだと思います。
編集部:- ドル高を見越して「買いポジション」で運用をスタートされたのですね?
F氏:- そうですね。その後も、アベノミクスで順調に伸びていきました。
編集部:- それはすごいですね。
F氏:- ただ、その後、アメリカ大統領がオバマさんからトランプさんに代わったとき(2016年) に、ドル/円相場が一段下がりましたでしょ。そのときに大失敗しました。
編集部:- あのときはヒラリーさん優勢と言われていましたが、いざフタを開けてみたら、トランプさんが勝ちました。ドル/円相場がどのように動くのかを読むのは難しかったと思います。
F氏:- 日銀の黒田総裁が、オバマ大統領に「これ以上は『円安ドル高』にはさせませんよ」と言って、「媚(こび)を売って」いるようにも感じていました。「これで相場が逆転するな」と思ったんですが・・・。
編集部:- 予想が外れてしまったのですね?
F氏:- そういう発言を聞いていたし、それまで、ちょっと円が上昇していたんで(ショートポジションの)決済が遅れました。
複合注文を駆使してリスクを抑えながら確実に利益を
編集部:- そういうことが起きてしまうのも「為替相場ならでは」ですよね。それにしても、Fさんは注文の仕方に特徴があるなと思っています。指値注文、ストップ注文だけじゃなく、IFD注文(※2)、IFO注文(※3)など複雑な注文方法をいくつも使われていますよね?
(※2)if done(IFD)注文:新規注文と決済注文が同時に発注できる方法。すべて自動で約定される。新規注文が約定しない限り、決済注文は約定しない。
(※3)IFO注文:新規注文と利益確定のための指値注文、損切りのためのストップ(逆指値)注文の3つを同時発注できるというもの。
F氏:- 確かに私はいろんなことを試してきましたが、今は、そんなに複雑なことはしていませんよ。今は小さな利益を積み重ねるようにIFD注文をメインにしています。
編集部:- それとIFO注文ですね?
F氏:- ストップ注文をリスク限定のために入れておくようなやり方です。世の中、テレビや新聞で「相場が上昇するぞ、上昇するぞ」って、「上昇が続くのかな」という雰囲気になったときに「これはちょっと上がってきたぞ」って思ったら切替えます。
1銭刻みで買いを入れ、5銭上がったら「利確」
編集部:- 利益追求とリスクコントロールを両立させる注文を、毎回しっかりと入れていらっしゃるのは流石です。
F氏:- そんなに明確なものでもないのですが「1万円の利益を狙って、1銭刻みで買って、5銭刻みで売って」というやり方をしています。
編集部:- 明確なルールで売買していらっしゃるのですね。IFO注文でもIFD注文でも、決めたレートでエントリーすることになりますが、それはやはりテクニカル分析に基づいて判断されているのでしょうか?
MACD、移動平均線、ボリンジャーバンドで分析
F氏:- そうです。メインはテクニカル分析です。まあ、私の場合はテクニカル分析というほどのものではないんですが(笑)MACDと移動平均線を見ています。あんまり複雑な分析手法は使わないんですよ。同時にテレビや新聞で、ファンダメンタルズに関する情報は手に入りますね。この先「上がりそうです」とか「下がりそうです」とか、長期トレンドが上昇傾向なら「買い」を進めるやり方です。
編集部:- テクニカルとファンダメンタルズの両面から相場を見ているのですね。テクニカル分析について、もう少し教えてください。移動平均線は何日設定等をお使いなのでしょうか?
F氏:- アプリで設定されているものをそのまま使っています。移動平均の設定は歴史に裏付けされていて、しかも、みんなが使っているからこそ有効なんで、なまじ素人が変更する必要はありません。
編集部:- 特別な設定ではなく、誰でも使える移動平均線ということですか?
F氏:- そうですね。ボリンジャーバンドもよく使います。私が使っているアプリは画面が16分割できるんですが、ローソク足だけじゃなく移動平均線なども表示させながら見ています。
編集部:- 画面を細分化されて、分析しているということですね?
F氏:- 分析というほど大げさなものではありません(笑)。「下がってきたな」「上がってきたな」を確認するくらいです。
YouTubeで学んだ「FXは楽しく遊び感覚で実践」
編集部:- ファンダメンタルズの情報はほとんどテレビ等ですか?
F氏:- そうですね。今はインターネットでニュースを見るくらいです。それと外為どっとコム総研が夜の9時からYouTubeで生配信しているFXライブ、この番組は毎晩見ていますよ。「100万円を短期売買で運用する」っていうライブです(笑)。
編集部:- 総研の大嶋と黒川の「LIVE FX Trading」(※4)という番組ですね。ご覧いただきありがとうございます。
(※4)外為どっとコム総合研究所のTEAMハロンズ(大嶋一彰、黒川 健)が平日毎日21時より配信しているLIVE番組。注目材料の紹介、テクニカル分析によるエントリーポイント、利食い・損切りポイントを解説、実際にFXのリアルトレードもを行う。
📺「外為どっとコム 公式FX動画ch」YouTubeチャンネルはこちら
F氏:- それを見ていたら「100円利益が出た」とか「1,000円利益が出た」とかやっているじゃないですか。「短期売買の人ってこうやって、楽しみながらやっているんだ」って思いました。同時に「FX投資は楽しくやればいいんだ」って思ったんですよ。一生懸命にひたすらやるんじゃなくて、楽しみながらやればいいんだって。
編集部:- 視点や考え方が変わったのですね?
F氏:- はい、変わったんです。いや変えたんですね。それで、その番組経由で応募するとプレゼントがあるっていうことでしたし、それなら「遊び」感覚でFX投資をやってみようかなと思いましたね。
編集部:- 弊社で口座開設してくださったきっかけはYouTubeのライブ配信だったのですね。ありがとうございます。
F氏:- そう思うと、利益が出ても損失を出しても「別にいいかな」って。外為どっとコムのアプリは使いやすいしね。
💻📱外為どっとコムの主要サービス「外貨ネクストネオ」についてはこちら
編集部:- どうもありがとうございます!
F氏:- ただ、のめり込みそうな感じがしますね(笑)。御社は連続注文が簡単にできるじゃないですか。あれって、つい注文し過ぎちゃう(笑)。
編集部:- 注文しすぎちゃいましたか、すいません。使いやすくするために、いろいろな機能を載せていますから。
F氏:- 確かに楽で便利なんですよ。でも「これは気をつけないとのめり込みすぎるな」って(笑)。
マネ育PickUp編集部より
「誰でも利益が出せる相場だった」と謙遜しながら自分のトレードスタイルについて説明してくれるFさんですが、詳しくお話しを伺うと、とても緻密な手法でトレードしています。事業で成功されていたこともあって、運用資金に余裕を持ってFXトレードを始められたところも、大きな利益を獲得する上で重要な役割を果たしていたと思いますが、それ以上に大きな利益を得ようとせず、リスクを低く抑える堅実なアプローチが、功を奏していたように思えます。後編ではさらに詳しくFさんの成功の秘密を伺いました。
▼後編はこちら
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