執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
豪ドル/円(週足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
・欧州PMI悪化でリスクオフ
・中国当局が人民元高誘導
・豪5月CPI鈍化
「足元の豪ドル/円は9カ月ぶり高値から反落」
19日には97.68円前後まで上昇して昨年9月13日以来の高値を付けましたが、28日の東京市場では一時95.10円台に下落するなど足元では上値の重い展開となっています。欧州の6月購買担当者景気指数が軒並み悪化した23日は、世界的な景気後退への懸念で市場センチメントが悪化する中、リスク回避の豪ドル売り・円買いで95円台前半へと下落しました。その後は下げ渋る動きとなり、中国が人民元高誘導に動いた27日は元高につれて96円台半ばへと持ち直したものの、28日には豪5月消費者物価指数(CPI)の鈍化を受けて一時95.16円前後まで反落するなど弱含みで推移しています。
「目先の豪ドル/円の注目ポイントはRBA」
豪中銀(RBA)は7月4日に政策金利を発表します。豪金利先物の25bp(0.25%ポイント)利上げの織り込みが20%弱にとどまるなど、市場では政策金利が4.10%に据え置かれるとの見方が優勢です。5月CPIは、鈍化したとはいえまだ前年比+5.6%でインフレ目標の2-3%を大きく上回っています。さらに、失業率が歴史的な低水準にあることも踏まえると、仮に利上げを見送っても今後の追加利上げの可能性を閉ざす可能性は小さいでしょう。「金融政策のさらなる引き締めが必要になる可能性がある」とした前回声明の文言は踏襲されると見ており、いわゆる「タカ派的な金利据え置き」となる公算が大きいでしょう。そうした中、RBAが利上げを見送っても豪ドル安は進みにくいと考えられます。一方で、もしサプライズ利上げがあれば豪ドルは上昇することになるでしょう。
当面の豪ドル/円の見通し
予想レンジ
94.000円~98.500円
基調
底堅い
来週までの注目ポイント
・7/4 ☆RBA政策金利
・主要国株価、国際商品価格
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