総括
FX「ドルに連れて安いが円より強い。景気減速で利下げ、独裁者発言あり」人民元見通し
(通貨9位、株価12位)
予想レンジ 人民元/円19.5-20.0
(ポイント)
*ドル安人民元安、ただ円より強い
*景気の弱さは、通貨バスケット制を採用しているので、人民元の弱さを押しとどめる
*弱い経済指標が続く
*金融緩和続く
*物価は低下
*バイデン大統領が中国習主席を「独裁者」と呼んで波紋広がる
*2Q・GDPは高い伸びを予想=人民銀
*米中対立は貿易縮小に繋がる
*5月輸出は減少
*5月PMIは政府版が悪化、財新は改善
*G7サミットでは中国を名指しで批判、中国は猛反発
*国債利回り6カ月ぶり低水準
*対米、対独の2022年の貿易額は過去最高
(ドル安人民元安、ただ円より強い)
人民元は、弱いとされながら、管理バスケット制度でドルとパラレルに動いている。ドルがやや弱く、元も弱い。ただ円程弱くならないように管理されているのだろう。
(弱い経済指標)
5月の鉱工業生産は前年比3.5%増加。予想は3.6%増、4月は5.6%増。伸び率は予想をやや下回り、2月以来の低水準となった。5月小売売上は前年比12.7%増で、4月の18.4%増から伸びが鈍化。予想の13.6%を下回った。国内外の需要が鈍化する中、景気支援に向けた政策措置を求める圧力が高まっている。
デフレリスクや地方政府債務の膨張、過去最高の若年失業率、海外需要の低迷などの課題に直面している。弱い経済指標は追加の景気刺激策の必要性を高める。
1-5月の不動産投資は前年同期比7.2%減少し、1-4月の6.2%減から落ち込みが加速した。
(金融緩和)
人民銀行は6月13日、期間7日のリバースレポ金利を0.1%引き下げて1.9%としたほか、市中銀行への資金供給手段である常設貸出ファシリティー(SLF)の金利を0.1%引き下げるとも発表した。
6月15日には1年物の中期貸出制度(MLF)金利を0.1%引き下げた。また20日には銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(LPR)の1年、5年をそれぞれ0.1%引き下げ3.55%、4.2%とした。
中国が金利の引き下げなど、少なくとも十数の景気刺激措置を検討している。不動産、内需といった分野を支援する。5月の中国の信用の伸びは大幅に鈍化。新規銀行融資も予想を下回った。景気減速の兆しが示された。デフレリスクの高まり、製造業の活動縮小、輸出減少が示されていた。
(弱い物価)
5月の生産者物価は前年比4.6%下落し、予想の4.3%下落を上回る落ち込みになった。5月の消費者物価は前年比0.2%上昇した。前月は0.1%上昇だった。予想は0.3%上昇だった。
(速報)
マクロン仏大統領が8月の南アでのBRICS首脳会議に参加希望を南アに伝える
テクニカル分析(人民元/円)
ボリバン2σ内を往復
日足、ボリバン2σ下限から上限へ上昇、そしてボリバン中位まで下落。雲の上維持。6月15日-21日の上昇ラインがサポート。6月20日-21日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向く。
週足、雲中。5月29日週-6月5日週の下降ラインが上値抵抗。4月24日週-5月8日週の上昇ラインがサポート。
月足、小幅だが右肩上り。ボリバン中位を下抜けず。23年3月-4月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年5月の下降ラインが上値抵抗。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート
チーファンラマ
バイデン大統領が中国習主席を「独裁者」と呼ぶ、中国反発
バイデン大統領は、選挙イベントで行った演説の中で、中国の習近平国家主席を「独裁者」と表現した。米中の間では、ブリンケン国務長官が19日まで中国を訪れて習主席とも会談し、対話の継続を確認したばかりだった。
中国外務省の毛寧報道官は 「米国側の言論はまったくのでたらめで極めて無責任であり、基本的な事実や外交儀礼に背き、中国の政治的尊厳を著しく侵害しており、公然とした政治的挑発だ。中国は強烈な不満を表明し、断固反対する」と強く反発した。
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