ドル円137円台へ パウエル議長発言や米債務上限めぐる協議の難航で急落
19日のドル円は米FRBのパウエル議長による利上げ停止を示唆する発言やアメリカの債務上限問題に関する協議が中断したことなどを受けて、137円台へと反落しました。
先週のドル円は上昇が続き、19日未明には138円台後半まで上値を伸ばしましたが、その後失速し夕方には一時138円を割り込みました。
同日夜には米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となり、再び138円台後半へと持ち直しましたが、米FRBのパウエル議長が「金利をそれほど引き上げる必要はないかもしれない」と発言したことが伝わるとドルを売る動きが強まりました。3月以降アメリカで銀行破綻が相次いだ問題を受け、イエレン米財務長官が大手銀行幹部に「さらなる銀行合併が必要となる可能性がある」と伝えたとの報道もドル売り材料となりました。
さらにアメリカの債務上限問題をめぐる協議が中断されたことが伝わり、先行きへの警戒感からドル円は深夜に137.42円前後まで下落しました。
その後20日未明にかけて138円台前半へと持ち直したものの上値は重く、週明けの本日午前には一時137円台半ばへと押し戻され軟調な動きとなりました。
ドル円上値の重さ続くか 米債務上限問題の続報に警戒
19日のドル円は前日までの上昇基調から一転し、パウエルFRB議長の発言や米債務上限問題をめぐる協議の中断などを受けて急落する展開となりました。
このところ発表された米指標で強い結果が目立ったことで、市場では次回6月の米FOMCで追加の利上げが行われるとの観測が強まっていました。しかし19日、米FRBのパウエル議長が「金利をそれほど引き上げる必要はないかもしれない」と発言したことで追加利上げ観測が後退し、利上げが停止されるとの見方が強まってドルが売られました。
また、イエレン米財務長官が大手銀行幹部に「さらなる銀行合併が必要となる可能性がある」と伝えたとの報道を受けて金融不安が再び意識されたことに加え、一時は楽観視されていたアメリカの債務上限問題について協議の中断が報じられて警戒感が高まり、ドル円の急落につながりました。
金融不安や債務上限問題をめぐる先行きの不透明感が再び強まる中、ドル円は上値の重い展開となりそうです。債務上限引き上げをめぐる協議が難航すれば米国が債務不履行に陥るリスクが意識されてドル円の続落につながることが予想され、続報が注目されます。協議に進展があればドル円が反発する可能性もありますが、FRBの利上げ停止観測や金融不安への懸念など、ほかにもドル円の重しとなる要因があることに注意が必要です。
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