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「トルコ大統領選、エルドアン氏敗北でリラ上昇のチャンスがあるとすれば…」特集 野村雅道氏 2023/5/10

注目のトルコ大統領選について野村雅道氏のコメントをまとめました。

目次

▼クルド人がキングメーカーに?トルコ大統領選の現状
▼トルコリラ上昇のカギはEUにあり
▼トルコリラ解説 動画

クルド人がキングメーカーに?トルコ大統領選の現状

5月14日にトルコ大統領選挙が予定されており、野党連合のクルチダルオール氏が有利との報道が出ています。現在は政府に友好的なメディアが多く、反政府派メディアは閉鎖されているようです。現大統領と野党CHPの候補が争っており、得票の50%を獲得しなければ、5月28日に再投票が行われます。トルコ国民の選択肢としては、強権政治を続けるか、議員内閣制に戻すか、です。

クルド人系の政党HDPがキングメーカーになる可能性があります。約6100万人が投票権を持つ中、1500万人を超えるクルド人の有権者がいるためです。また、為替市場は落ち着いているものの、トルコの株価は17%下落し、金利は14%に上昇しています。これは市場が野党勝利を見込んでいる、とされています。

エルドアン大統領は選挙戦において自らの不利を認識し、住宅融資や公務員給与の45%大幅な引き上げなどの政策を打ち出しています。また、イスラム保守派に向けた対策としてLGBTへの否定的な発言も行っています。

選挙結果によって相場の動きが異なると考えています。エルドアン大統領が勝てば金利安定や中小企業の負担軽減が期待され、株価も上がる可能性があります。しかし、エルドアン政権の金融方針は市場原理に反するため、海外からの信頼が得られず資金が入ってこないと思われます。一方、野党連合が勝てば市場原理主義を取り、金利上昇や株価下落が予想されます。現政権では困難な、EUとの親密さやユーロ通貨統合への期待が高まり、貿易赤字解消の可能性もあります。
どちらの政権になって、トルコの貿易赤字は続くと予想されます

トルコリラ上昇のカギはEUにあり

過去に貿易赤字国であったギリシャやスペイン、ポルトガル、英国は、通貨管理制度EMSにより通貨安を維持しましたが、ユーロの通貨統合により問題が緩和されました。トルコリラは継続的に下落しており、観光収入以外の収入源が乏しいため、経済状況が厳しいと見られています。

トルコの政治状況は不安定で、現政権が維持されるか、野党が勝利するかによって相場の違いが生じる可能性があります。エルドアン政権が維持された場合、大きな変化は見込まれません。問題は、野党が勝利した場合です。内政の混乱や暴動の可能性があり、リラ売りにつながることが考えられます。思い出されるのは米大統領選の議会襲撃事件です。

トルコは歴史的に軍事クーデターや政治介入が頻繁に起こる国であり、そのような動きがトルコリラに影響を与えるかもしれません。1960年、1980年にクーデターがあり、最近では2016年のクーデター未遂事件があり、政治不安が市場に影響を与えました。
まとめますと野党勝利の後はいったんリラ高になるものの、波乱含みでリラ下落に転じるのではないでしょうか。

下落が続くリラが反転するには、国際市場や周辺国との関係も重要で、ユーロ圏との協力や中国との関係強化がリラの動きに影響を及ぼすことがあります。例えば、ユーロ圏との協力が進めば、リラが一時的に買われるチャンスがあると見ています
今後のトルコの動向については、選挙の結果や政治状況、経済指標を注視することが重要です。周辺国や国際市場との関係性も考慮し、投資判断や為替相場の見通しを立てることが求められます。

トルコの今後の動向やリスク要因に注意を払いながら、適切な投資判断を下していくことが望ましいです。

トルコリラ解説 動画

 

野村雅道氏のトルコリラレポート

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野村雅道 氏
FX湘南投資グループ代表 1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。 87年米系銀行へ転出。外資系銀行を経て欧州系銀行外国為替部市場部長。外国為替トレーディング業務ヴァイスプレジデントチーフディーラーとして活躍。 財務省、日銀および日銀政策委員会などの金融当局との関係が深く、テレビ・ラジオ・新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。現在、FX湘南投資グループ代表。
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