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米ドル/円、週足一目で三役逆転迫る!需給ギャップ縮小期待が米ドルを圧迫 4月7日の米国雇用統計の予想と戦略 2023年4月号-By 外為どっとコム総研

【告知】20時15分から開催 米雇用統計ライブ

米雇用統計の予想と戦略

更新日時:2023年4月10日 12時45分(結果を更新しました)
執筆日時:2023年4月6日 13時00分
執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人

米ドル/円、週足一目で三役逆転迫る!需給ギャップ縮小期待が米ドルを圧迫 4月7日の米国雇用統計の予想と戦略 2023年4月号-By 外為どっとコム総研

目次

 

1.はじめに

2023年4月7日(金)、日本時間21時30分に米国の3月雇用統計が発表されます。米FRBがインフレとの戦いを続ける中で、ISM製造業・非製造業景況指数、JOLT求人件数、ADP雇用指数と弱さが目立つ指標が並び、投資家は米経済の先行きを警戒する格好になっています。財・サービス、労働者需要の鈍化からインフレ率の低下と、FRBが望む展開になっている側面はあるものの、そのスピードや影響範囲を市場は読み切れずに見通しについては不透明さが増しています。今月の雇用統計が市場の不安を和らげ、FRBへの信頼を回復させる材料となるのか注目されます。

2.前回のおさらい

・2月NFPは予想比上振れ
・時間給の伸び鈍化に市場は大きく反応

3月10日、米労働省が発表した2月の非農業部門雇用者数(NFP)は31.1万人増と、市場予想(21.5万人)を上回り、人手不足が継続していることを示唆する結果となりました。一方で、失業率が3.4%から3.6%へ悪化したほか、時間給の前月比も0.2%へ鈍化するなど労働市場の軟化を示すデータも散見され、内容については強弱まちまちといった様子でした。結果を受けて、「CMEのFedWatchツール」では3月FOMC(連邦公開市場委員会)での0.5%利上げ織り込み度が75%から41%付近へ低下しました。

図表1.分野別新規雇用者数(千人)出所:米国労働省
NFP表

136円半ばだった米ドル/円は、米国のタカ派観測の後退から売りが優勢となり、134.112円まで下落しました。米10年債利回りは3.70%付近へ低下したほか、ダウ工業株30種平均は、345.22ドル安い31,909.64ドルで取引を終えました。もっとも、米シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻を受けた信用リスクの高まりによるリスク回避の円買いが、米ドル/円の失速を主導した側面もありました。

図表2.前回発表前後のドル円の動き
USDJPY30分チャート
米ドル/円 30分足
出所:外為どっとコム「ネオチャート

3.今回の見どころ

・労働市場のモメンタムは急速に悪化不安
・時間給、どちらに転んでも米ドル売り材料か
・市場のFRBの利下げ観測根強い

新規失業保険申請件数は19~20万件、失業保険継続受給者数は160~170万件で各々、横ばいが続いています。これらの数字はコロナ前の水準とほぼ同じですので、歴史的に見れば労働市場の基調は相対的に強いと言えます。ただ、米中堅銀行の破綻以降、発表された雇用関連指標は弱さが目立ち、急速にそのモメンタムは低下しているようです。

市場はある程度弱い結果を織り込んでいますが、市場予想以上に悪い結果になれば、好調だった1・2月とのコントラストが際立って米景気後退への意識が高まり、リスク回避の流れが強まる危険があります。また、今回の雇用統計が無難に着地できても、現在はIT関連・金融分野に留まっているレイオフの流れが広がることも危惧され、労働市場への悲観論はしばらく燻りそうです。

図表3.雇用関連指標一覧
雇用関連指標一覧
出所:外為どっとコム総研

また、2月にいくらか広がった賃金インフレ鈍化がさらに進展するのか、時間給の動向も重視されます。もっとも、賃金インフレの加速は、米国のハードランディングが意識され米ドル売り・円買い材料となる一方、賃金インフレの減速はFRBの早期利下げ観測を高め米ドル売り材料となるため、何れにしても時間給の動向は米ドル/円にとってはネガティブ材料と捉えられるのではないでしょうか。

ただ、後者はFRBの処方箋が機能しているとの安堵感も燻り、直近の米ドル売りに対する調整材料と捉えられる可能性もあります。とはいえ、FRBの年内利下げ観測が直ちに後退するとは考えづらく、あくまでも米ドル安のスピード調整に留まりそうです。

図表4.賃金動向と米ドルの関係
賃金動向と米ドルの関係
出所:外為どっとコム総研

さて、今月の雇用統計ですが、市場予想はNFPが24.0万人、時間給の前月比は0.3%が予想中央値となっています。個人的には、直近のデータを受けて労働市場の鈍化ペースが想定よりも速いとの思いから、指標発表直後の米ドル/円は下向きに反応するのではないかと考えています。また、逆に動いたとしても、市場が年内の利下げ見通しを改める気配がない中で、米ドル/円の戻りは限定され次第に上値を切り下げて行くのではないでしょうか。

☆想定するシナリオ

ドル円の反応予想
※本指標発表後、5分の値幅(過去3カ月):平均1円02銭
出所:外為どっとコム総研

図表5.[雇用統計の実績と予想]

年月 非農業雇用者数変化(万人) 失業率(%)
予想値 初回結果 予想値 初回結果
2023年03 24.0 23.6 3.6 3.5
2023年02月 21.5 31.1 3.4 3.6
2023年01月 19.0 51.7 3.6 3.4
2022年12月 20.0 22.3 3.7 3.5
2022年11月 20.0 26.3 3.7 3.6
2022年10月 20.0 26.1 3.5 3.7

 

年月 平均時給/前月比(%) 労働参加率(%)
予想値 初回結果 初回結果
2023年03月 0.3 0.3 62.6
2023年02月 0.3 0.2 62.5
2023年01月 0.3 0.3 62.4
2022年12月 0.4 0.4 62.3
2022年11月 0.3 0.4 62.2
2022年10月 0.3 0.4 62.2

◇関連の経済データ実績

年月 ISM製造業雇用指数 ISM非製造業雇用指数
2023年03 46.9 51.3
2023年02月 49.1 54.0
2023年01月 50.6 50.0
2022年12月 50.8 49.4
2022年11月 48.9 50.6
2022年10月 49.9 49.2

出所:Bloomberg、外為どっとコム「経済指標カレンダー

4.今回の戦略

・米ドル/円、週足三役逆転迫る

テクニカル的には、ローソク足が週足一目均衡表・雲の下限(130.698円)に迫っています。ここを抜ければ日足に続いて週足でも三役逆転の状態となり、さらに下げ幅を広げそうです。130.698円以下は、水準を確認しながら先ずは売りを先行させたいところです。

目標は昨年10月21日高値(151.942円)、今年1月16日安値(127.225円)、同3月8日高値(137.909円)を結ぶフィボナッチエクスパンションの38.2%ラインとなる128.467円や、1月16日の安値127.225円が当面の目処となりそうです。逆方向に走った場合は、21日移動平均線が推移する132.480円(執筆時点)まではポジション量を調整しながらも売りで粘りたいです。ただ、ここを越えてきたらいったん撤退して、相場の方向性を確認したいです。

図表6.米ドル/円チャート-週足
USDJPY
出所:外為どっとコム「ネオチャート

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