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カナダドル/円 利上げ再開の道を開くか加3月雇用統計に注目 注目の高金利通貨 4月5日号

注目の高金利通貨

執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也

カナダドル/円(4時間足)

CAD/JPY 4時間足
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照

直近1週間のポイント

・金融不安和らぐ
・減産決定で原油急騰
・米景気に後退懸念が浮上

足元のカナダドル/円は乱高下する展開

米地銀の破綻に端を発した金融不安が和らぐ中、3月31日には98.74円前後に上昇。
月替わりの4月3日には、前日に石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で作る「OPECプラス」が予想外の減産を発表したことで原油価格が急騰すると99円台にワンタッチしました。
しかし、米3月ISM製造業景況指数の悪化を受けてドル/円が下落したためカナダ/円も失速。
翌4日にも99.18円前後まで上伸して3月9日以来の高値を付けましたが、米2月JOLT求人件数の減少を受けて米国の景気後退懸念が広がると、株安などを背景に97円台へ急反落するなど、荒っぽい値動きが続いています

注目ポイントは3月雇用統計

カナダ3月雇用統計はイースター休暇の関係で6日木曜に発表されます
市場予想は新規雇用者数が1.00万人増、失業率は5.1%となっており、2月の2.18万人増、5.0%からやや鈍化すると見られています。
一方で、時間当たり賃金は前年比+5.5%へと小幅ながら前月の+5.4%から加速する見通しです。
カナダ中銀は3月会合で利上げを見送りましたが、声明で「必要なら」利上げを再開する用意があると表明。
これまでの利上げの影響で経済は減速しつつあるものの、依然として「雇用の伸びは大きく、失業率は歴史的な低水準で、求人倍率や賃金は上昇している」と指摘しました。
3月雇用統計が予想以上に強ければ、利上げ再開の思惑が浮上するきっかけとなる可能性があります
12日のカナダ中銀金融政策決定会合を前に3月雇用統計が注目を集めるでしょう。

来週までのカナダドル/円の見通し

予想レンジ
95.500円~99.000円
基調
不安定

来週までの注目ポイント

☆4/6 カナダ3月雇用統計
☆4/12 カナダ中銀(BOC)理事会
・主要国株価、国際商品価格

「為替チャート|カナダドル/円(CADJPY)|60分足」はこちら

 
kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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