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ユーロ/円の4月見通し「円相場主導で不安定な動き継続」

【外為総研 House View】

House View

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼ユーロ/円
・ユーロ/円の基調と予想レンジ
・ユーロ/円 3月の推移
・3月の各市場
・3月のユーロ/円ポジション動向
・4月のユーロ圏注目イベント
・ユーロ/円 4月の見通し

ユーロ/円

ユーロ/円の基調と予想レンジ

ユーロ/円 3月の推移

3月のユーロ/円相場は138.825~145.660円のレンジで推移し、月間の終値ベースでほぼ横ばいだった。ユーロ/ドル相場が上昇した一方でドル/円相場が下落したため方向感が出にくかった。

欧州中銀(ECB)が16日に50bp(0.50%ポイント)の利上げを決めた一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)は22日、利上げ幅を25bpにとどめた。タカ派度合いはECBの方が強かったと言えるだろう。

他方、経営不安に陥ったスイス金融大手クレディ・スイスが同業のUBSに救済買収された事で一部の欧州社債市場が混乱。米地銀シリコンバレー銀行(SVB)の破綻に端を発した金融システムを巡る不安は欧州にも飛び火した。もっとも、独最大手のドイツ銀行にも余波が広がりかけたのは明らかに行き過ぎとの見方が強まり、過度な不安は後退している。こうした中、ユーロ/円相場は概ね2月と同様のレンジでもみ合った。


出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

2日
ユーロ圏2月消費者物価指数(HICP)・速報値は前年比+8.5%と予想(+8.3%)を上回ったものの、前月(+8.6%)からは僅かに伸びが減速した。一方、コアHICPは前年比+5.6%と予想および前月の+5.3%を上回る伸びとなった。ラガルドECB総裁は「インフレは依然として高すぎる」とした上で、今後について「50bpの利上げは依然として選択肢にある」と発言。

ECB議事録では「景気は想定されていたものよりも底堅い」「過度な金融引き締めへの懸念は時期尚早」との認識が示された。

8日
独1月鉱工業生産は前月比+3.5%と予想(+1.4%)を上回った。一方、同時に発表された独1月小売売上高は前月比-0.3%と予想(+2.3%)を下回った。その後に発表されたユーロ圏10-12月国内総生産(GDP)・確定値は前期比±0.0%と予想通りに改定値の+0.1%から下方修正された。

15日
スイス大手銀行クレディ・スイスを巡り、「筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクは追加投資をする意向がない」と報じられた。なお、同行は前日に過去2年の財務報告と管理手順に「重大な弱点」があったと表明していた。これを受け、同行の株価は一時30%超下落し、仏銀など他の欧州銀行株にも売りが波及した。

16日
経営不安に陥ったスイス大手銀行クレディ・スイスは、スイス中銀(SNB)から最大500億スイスフランを借り入れる計画を発表。また、預金流出に直面していた米地銀ファースト・リパブリック・バンクについても「米銀大手11行が預金の形で計300億ドルの資金支援を実施する」と報じられた。これらを受けて市場のリスク回避ムードが和らいだ。

そうした中、ECBは主要政策金利を予想通りに50bp引き上げて3.00%から3.50%にすると発表。声明では「市場の緊張を認め、必要に応じて対応する」「将来の決定はデータに依存」と表明。ラガルドECB総裁は「インフレは長期に渡り過度に高い水準にとどまると予測している」と述べ、タカ派姿勢を崩さなかったが、今後の金利の道筋については「現時点ではコメントすることは不可能」とした。

21日
独3月ZEW景況感調査は13.0と予想(15.0)を下回り、前月(28.1)から低下した。ZEW(欧州経済研究センター)は「国際的な金融市場に強い圧力がかかっている」「銀行の業績動向に対する評価は、まだ若干前向きではあるものの、著しく悪化した。保険業界の見通しも大きく後退した」と指摘した。

24日
独3月PMI・速報値は製造業が44.4(予想47.0)、サービス業が53.9(予想51.0)であった。その後に発表されたユーロ圏3月PMI・速報値も製造業47.1(予想49.0)、サービス業55.6(予想52.5)となった。

27日
独3月Ifo企業景況感は93.3と予想(91.0)に反して前月(91.1)から上昇。Ifo経済研究所は「冬の景気後退の可能性はより低くなった」「一部の大手銀行の混乱にもかかわらず、ドイツ経済は落ち着きつつある」と報告した。

31日
ユーロ圏3月HICP・速報値は前年比+6.9%と市場予想(+7.1%)を下回り前月(+8.5%)から大きく鈍化した。一方、エネルギーや食品などを除いたコアHICPは前年比+5.7%で、予想通りに前月(+5.6%)から伸びが加速した。ラガルド欧州中銀 (ECB)総裁はその後、「コアインフレは際立って高すぎる」とした上で「2%のインフレ率へと戻すためにすべきことがまだある」と述べた。また「最近の金融市場に見られるストレスがインフレとの闘いを妨げることはない」との見解も繰り返した。

3月の各市場

3月のユーロ/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
  • ※ 外為どっとコムのFX口座「外貨ネクストネオ」でお取引をされているお客様のポジション保持情報の比率を表しています。
  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

4月のユーロ圏注目イベント

ユーロ/円 4月の見通し

欧州中銀(ECB)は、金融システム不安がくすぶる中でも3月16日の会合で50bp(0.50%ポイント)の大幅利上げを決めた。次回5月会合については「データ次第」と表明して追加利上げを確約しなかったが、ラガルド総裁は31日の講演で「2%のインフレ率へと戻すためにすべきことがまだある」とした上で「最近の金融市場に見られるストレスがインフレとの闘いを妨げることはない」と強調した。

同日に発表されたユーロ圏3月消費者物価指数(HICP)・速報値が前年比+6.9%と高止まり(前月から鈍化したものの)したこともあって、金融システム不安が再燃しない限り5月に追加利上げに動く公算が大きくなった。こうした期待は4月のユーロ相場を下支えしそうだ。

一方、日銀は植田新総裁の舵取りが依然としてやや不透明であり、4月10日にも行われるであろう就任会見と27-28日の初会合に注目が集まっている。就任早々に大掛かりな緩和政策の修正が行われる公算は小さいと見るが、植田総裁の発言次第では市場の修正催促が再燃する可能性がないとは言えないだろう。4月の円相場は日銀のスタンスを巡り乱高下する場面も見られそうだ。したがって4月のユーロ/円は、円相場主導で不安定な値動きが続く可能性があろう。

(予想レンジ:141.000~148.000円)

kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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