総括
FX「円高に押されるも12通貨中では4位。経済は静かに前に進む。外交問題山積」人民元見通し
(通貨4位、株価7位)
予想レンジ 人民元/円18.9-19.4
(ポイント)
*円高に押されるも12通貨中では4位
*上海株はやや強いが、香港ハンセンはマイナス圏
*ロシア・ウクライナ和平の仲介出来るか
*全人代の成長見通しは5%だが、他の機関は上方修正
*PMI改善も輸出入は減少。小売と鉱工業生産はまずまず
*預金準備率引き下げ
*2月消費者物価は伸び減速
*1年物MLFで資金供給拡大
*対豪貿易関係は改善、安全保障問題は不安
*対米、対独の2022年の貿易額は過去最高
*ラガルドECB総裁は中国の景気回復でのインフレを懸念
*対露貿易は拡大
(人民元の位置、株価は)
今月は19.809の高値をつけてから下落で月足は陰線。年足は陽線だが昨年に続き、上ヒゲが長くなってきた。12通貨中では4位と弱くはない。通貨バスケット制度を活用して全体的には過度な動きを避けている。上海総合指数は年初来5.71%高、香港ハンセン指数は096%安。
(全人代の2023年の成長見通しは5%だが 世界の調査機関は上方修正)
中国の経済指標は1-2月の各種PMIが改善後、輸出入の伸び悩みがあったが、小売売上や鉱工業生産は回復してきた。全人代の2023年の成長見通しは5%だが、OECDがゼロコロナ政策廃止を受け上方修正した。今年の予想は5.3%、来年が4.9%。昨年11月は今年が4.6%、来年は4.1%と予想していた。ゴールドマン・サックスは、今年の成長率予想を5.5%から6%に引き上げた。ゴールドマンは、新型コロナウイルスのパンデミックに敏感なセクターが力強く回復していることや、1-2月の幅広い経済活動改善を示すデータを理由に挙げた。長らく低迷していた不動産セクターが持ち直している点も指摘した。
(預金準備率引き下げ、米・スイスの信用不安にも言及)
人民銀行は先週、預金準備率を0.25%引き下げた。流動性を放出し、景気を下支えする。現在海外銀行部門のリスクが高まり、世界の流動性は圧力を受けている。外部環境はますます複雑化していると指摘した。
(習近平国家主席がプーチン露大統領と会談)
習近平国家主席は、ロシアのプーチン大統領とクレムリン宮殿で会談した。
両国首脳はウクライナ問題について踏み込んだ意見交換を行った。習主席は「ウクライナ問題において、平和的、理性的な声が絶えず集まり、大多数の国々は緊張の緩和を支持し、和平交渉の促進を主張し、火に油を注ぐことに反対している。歴史的に見て、紛争は最終的に対話と交渉を通じて解決する必要がある。先般、中国は『ウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場』文書を発表し、ウクライナ危機の政治的解決を呼びかけ、冷戦思考に反対し、一方的制裁に反対した。我々は、それが困難であればあるほど、平和のための余地を残す必要があり、対立が先鋭化するほど、対話の努力を放棄してはならないと考える。中国は引き続きウクライナ問題の政治的解決のために建設的役割を果たしていきたい」とした。
プーチン大統領は「ロシアは、重大な国際問題において中国が一貫して公正で客観的かつバランスの取れた立場を堅持し、公平と正義を主張していることを称賛する。ロシアは『ウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場』文書を真剣に検討する。ロシアは和平交渉に対して開かれた姿勢であり、中国が建設的役割を果たすことを歓迎する」とした。
テクニカル分析(人民元/円)
ボリバン3σ下限から反発も雲の上に出ず
日足、ボリバン2σ上限から3σ下限へ下落。今週は小反発も雲の上に出ず。3月21日-22日の上昇ラインがサポート。3月17日-22日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、依然雲中。3月6日週-13日週の下降ラインが上値抵抗。1月2日週-16日週の上昇ラインは一時下抜く。
月足、1月、2月は陽線。3月は陰転。23年1月-2月の上昇ラインを一時下抜く。22年2月-23年1月の上昇ラインがサポート。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
台湾総統、中米訪問で米国を経由
蔡英文台湾総統が中米歴訪の途中に米国に立ち寄ると発表した。マッカーシー米下院議長との会談予定。
蔡総統がグアテマラとベリーズを外遊中、ニューヨークとロサンゼルスに立ち寄るとした。
米政権高官は、蔡氏の米国立ち寄りは標準的な慣行であり、中国はそれを台湾への抑圧的行動の口実にすべきでないと述べた。
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