ポンドのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日のポンド トレードシナリオ
ここまでの相場
本日英2月雇用統計発表!
・英1月失業率は3.9%と前回(4.0%⇒3.9%)から横ばい。賃金上昇率(除賞与、3カ月平均、前年比)は+6.7%と堅調な伸びを継続していた(2月14日)。
・3月10日に発表された英1月月次国内総生産(GDP、前月比)は+0.3%と予想と前回(+0.1%、-0.5%)を上回った。2月10日に発表された英10-12月期GDP(速報値)は前期比±0.0%市場予想通りの結果となった。10-12月期GDPの確報値は3月31日発表。
・英2月製造業購買担当者景気指数(PMI)/2月サービス業PMI(ともに確報値)は、それぞれ49.3、53.5と速報値(47.5、49.2)から上方修正された。サービス業は昨年9月以来の50.0(好不況の境目と言われる)を超えた(3月3日)。・英1月消費者物価指数(CPI)は前年比+10.1%(予想+10.3%)と約41年振りの高水準だった10月の+11.1%から3カ月連続でインフレは鈍化した(2月15日)。
・2月2日の会合でイングランド中銀(BOE)は0.5%の利上げを実施し、政策金利を4.00%とした。金融政策委員会(MPC)メンバーの9人中7人が0.50%の利上げ支持、2名は据え置きを支持した。次回会合は3月23日。
今日のメインシナリオ
英雇用統計でBOEは大幅利上げ継続?ポンド相場のカギは米CPI
英国のインフレはユーロ圏や米国と比べると高い。それでも、「過去1年間で4%近い利上げを実施したことで、急激な利上げが経済に与える影響を見極めたい」といった声が政策運営者側から発せられる機会が増え始めている。他方で、「ユーロ圏や米国がタカ派的なスタンスを続ける状況下で、タカ派的なスタンスを弱めることは、対ユーロや対米ドルでポンド安を招く。ポンド安が輸入物価の高止まりや上昇を招き、インフレが収まらない」と大幅利上げ継続を主張する声もあり、意見が割れている。本日発表される英2月雇用統計で平均賃金の高止まりなど、英国の労働市場が引き続きひっ迫していることが確認されれば、BOEの大幅利上げ期待が高まり、ポンドの支援材料となりそうだ。一方米国では、米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻により、米連邦準備制度理事会(FRB)が3月に0.50%利上げの可能性はほぼなくなったと市場は見ている。本日は米2月消費者物価指数(CPI)の発表も予定されている。CPIの結果次第で、FRBの今後の利上げ見通しに対する市場の思惑も大きく変化してきそうだ。ポンド相場への影響も大きくなるのではないか。
個別の想定シナリオ
■英2月雇用統計が強い結果となる
⇒英国の労働市場は引き続きひっ迫している
⇒BOEの大幅利上げ継続期待が高まる
⇒ポンドは買われる
チャート分析
注目材料
英2月雇用統計
米2月CPI
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」ではポンド/円は曇り空に太陽が覗き、ポンド/米ドルは雨。11時にポンド/円のMACDで買いシグナルが点灯。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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