総括
FX「地震でもリラ安定続く、円より強い」トルコリラ見通し
(通貨9位、株価20位)
予想レンジ トルコリラ/円6.5-7.5
(ポイント)
*今年は円より強くなってきた
*大地震での援助金、保険金がリラを支えるという思惑がある。
*2月の消費者信頼感指数は改善
*今週の政策金利は1%引き下げの予想
*地震の被害は?
*1月経常収支、14か月連続の赤字
*12月小売売上高は、前年比で21.8%増
*1月自動車生産は前年比23.6%増
*2022年の輸出は前年比12.9%増、輸入は34.0%増
*大統領は利下げ示唆
*国内預金が外貨預金を上回る=リラ化政策で
*外交では問題が多い
*対円では8年連続陰線、今年は僅かに陽転
(円より強くなってきたトルコリラ)
いつもの弱さはない。12通貨中9位で下には、NZドル、円、南アランドがいる。貿易・経常赤字は変わらないが、大地震での援助金、保険金がリラを支えるという思惑がある。東日本大震災で円が一時急騰したのと同じ思惑だ。
(政策金利は)
今週は政策金利の決定がある。大地震の前から大統領も財務大臣も金融緩和を示唆していたので、今回は被害救済もあり1%引き下げて8%となる予想が出ている。
トルコ中銀は、インフレ率が急速に鈍化するとの予測を据え置いた。リラ相場の予測可能性が高まり、財政支援も行っているため、大幅な物価上昇の根拠はないとしている。
中銀のカブジュオール総裁は、四半期経済報告を提出し、2023年末と24年末のインフレ率予測をそれぞれ22.3%、8.8%で据え置いた。総裁はインフレ率の鈍化が統計で確認されており、月間のインフレ率が過去の平均に近づきつつあると指摘。「コスト面のショックは完全に反映されており、為替レートの予測可能性は高まっている。企業業績は改善し、資金調達コストも支援されている。こうした環境では大幅な物価上昇が続く根拠はない」と述べた。
(地震の被害は)
JPモルガンは地震による建造物の倒壊に伴うトルコの直接被害額が、GDPの2.5%に相当する250億ドルに上るとの推計を明らかにした。
(2月消費者信頼感指数は改善)
2月消費者信頼感指数は82.5で前月の79.1を上回った。2021年3月以来の最高水準。家計の現在の財政状況 (1月の65.5 対61.6)、現在の一般的な経済状況 (54.9 対 53.9)、一般的な経済状況に関する今後 12 か月間の予測 (85.8 対 82.7)、および家計の財政状況に改善が見られた (84.2 対 79.9)。また、12 か月で耐久財にお金を使う (94.5 対 92.2) および貯蓄する (68 対 66.2) に対するセンチメントも高かった。一方、今後 12 か月間の失業率の見通しは上昇しました (77.5 対 74.8)。
今週は2月企業信頼感指数の発表もある。
テクニカル分析(トルコリラ/円)
ボリバン3σ下限から2σ上限へ反発
日足、ボリバン3σ下限から2σ上限へ反発。雲中。2月10日-15日の上昇ラインがサポート。2月17日-20日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ下限から反発。上昇基調。1月30日週-2月13日週の上昇ラインがサポート。10月17日週-31日週の下降ラインが上値抵抗。5週線上向く、20週線下向き。
月足、11月-12月の下降ラインを上抜く。21年12月-23年1月の上昇ラインがサポート。22年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。
年足、8年連続陰線。その間52円から6円台へ沈む。今年は僅かに陽転。
メルハバ
米国務長官がトルコ訪問、被災地復興へ長期支援表明
ブリンケン米国務長官、今月の地震で大規模な被害に見舞われたトルコを公式訪問し、追加支援を発表した。また、復興に向けて長期的な支援を提供する考えを示した。
エルドアン大統領とも会談する見通し。スウェーデンとフィンランドのNATO加盟についても話し合う。
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