総括
FX「電力不足終了のためのロードマップ作成が功を奏すか」南アランド見通し
「通貨最下位、株価7位」
「予想レンジ 南アランド7.2-7.7」
(ポイント)
*通貨ランドは弱く、株価は強い
*「負荷制限を終わらせるためのロードマップ」を発表
*次の焦点は2月15日発表の1月消費者物価
*IMFは成長見通しを上方修正も電力問題悪化は考慮せずか
*経済成長率について、中銀は2023年は0.3%、24年は0.7%になると予想
*貿易赤字から抜け出す
*1月製造業PMIはまずまず、民間PMIは悪化
*政策金利は利上げ減速で0.25%引き上げ
*インフレ率は23年は5.4%、24年は4.8%と予想(中銀)
*12月消費者物価の伸びは鈍化*11月貿易収支は黒字を回復
*CPI目標は3-6%
(電力負荷制限を終わらせるためのロードマップ)
年初来、ランドは最弱通貨となっているが、それは電力不足問題にある。ただ総悲観ではない。株価は年初来、9.85%高と強い。さて南ア政府は、ラマポーザ大統領の「エネルギー行動計画」に基づいて、「負荷制限を終わらせるためのロードマップ」を発表した。1月の国家エネルギー危機委員会との会議の後、大統領と政府部門は、現在計画の主要な焦点となっている5つの主要な介入策を確立した。
エスコムの計画を修正し、既存の電力供給の可用性を向上させる
発電容量への民間投資を可能にし加速する
再生可能エネルギー、ガス、蓄電池からの新たな容量の調達を加速する
企業や家庭が屋上太陽光発電に投資できるようにする
電力部門を根本的に変革
近隣諸国からの電力輸入の増加
短期的な計画は、負荷制限の深刻さと頻度を減らすことであり、長期的な目標は、負荷制限を完全に終わらせ、エネルギー安全保障を達成すること。これは可能な限り迅速に行われる必要があるとしている。
これらすべてのプロジェクトがうまくいけば、南アは今後12か月から18か月にわたって負荷制限を抑えることができるはずであるというものだ。
(経済指標はマチマチ)
さて経済指標はマチマチだ。1月の民間部門PMIは48.7と前月の50.2から低下し、2021年12月以来の低水準となった。計画停電と景気低迷により新規受注が減少した。1月の製造業PMIは53.0で、昨年12月の53.1からほぼ変わらずだった。雇用と新規受注が減少したものの、企業活動が改善し在庫が増えた。
12月貿易収支は54.3億ランドの黒字となった。
(次の焦点は2月15日発表の消費者物価)
次の焦点は2月15日発表の消費者物価となる。12月は前年比7.2%で11月の7.4%に続き低下した。
テクニカル分析(ランド/円)
続、ボリバン3σ下限からは反発も中位越えず
日足、ボリバン3σ下限から反発も中位を上抜けず。2月2日-3日の下降ラインが上値抵抗。2月1日-3日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線下向き。
週足、雲の下、3σ下限にも一時達す。1月16日週-30日週の上昇ラインがサポート。1月23日週-30日週の下降ラインが上値抵抗。5週。20週線下向き。
月足、3か月連続陰線。2月は陽線スタート。雲中へは落ちず、21年11月-23年1月の上昇ラインがサポート。22年12月-23年1月の下降ラインが上値抵抗。
年足、21年、22年は短い陽線。23年は陰転。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
IMF見通しは上方修正
IMFは南アの2023年の成長見通しを昨年10月の1.1%から1.2%へ上方修正した。ただこれは、電力不足問題が悪化した場合を含んでいないだろう。
南ア中銀は経済成長率について、2023年は0.3%、24年は0.7%になると予想している。
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