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FX「最弱コンビであった円に突き放され年初来安値に近づく」トルコリラ見通し

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総括

FX「最弱コンビであった円に突き放され年初来安値に近づく」トルコリラ見通し

(通貨最下位、株価首位)
予想レンジ トルコリラ/円7.0-8.0

(ポイント)
*年初来、対円で 対ドルで14.66%安、対ドルで41.41%安
*リラ安の要因である貿易赤字拡大ははエネルギー価格上昇によるもの
*対円では10月に8%安まで近づくも日銀介入で引き離される
*年初来対円安値は7.235。対ドル安値は18.6703(過去最安値)
*政策金利を9%へ引き下げ、一旦利下げ打ち止め
*明日3Q・GDP発表
*11月消費者信頼感は改善と企業信頼感指数は悪化
*クルド系武装勢力を空爆
*政府のリラ化政策も効果は出ていない
*トルコの外貨収入の一つは観光収入
*好材料は出てこない、ただ株価は年初来162.9%上昇
*外交ではウクライナの穀物輸出や米露対立緩和に奔走
*IMFは利上げ勧告
*10月の消費者物価は、前年比上昇率85.51%
*中銀は年末インフレ率、予測を65.2%に引き上げ
*大判振る舞いの住宅投資
*SCO加盟を宣言
*トルコ実業界はリラの対ドルレートを9から14の間で推移することを望む

(政策金利を一桁とし、一旦利下げ打ち止め)
 弱い通貨、強い株価指数が続く。対円で年初来安値、対ドルではすでに過去最安値を更新した。
トルコ中銀は、主要政策金利を1.5%引き下げ9.0%とした。また緩和サイクルの停止を決定した。インフレ率が85%を超えているにもかかわらず、年末までに政策金利を一桁に戻すというエルドアン大統領の要求に沿った形だ。過去約4カ月間の累積利下げ幅は5%に達した。世界各国の中銀が利上げに動いているにもかかわらず、トルコ中銀は景気減速の兆候を考慮すると刺激策が必要との見解を改めて示した。
トルコ中銀は「世界的な成長に対する不確実性が高まり、地政学的リスクが一段とエスカレーションする中、金融情勢が引き続き支援的であることが非常に重要だ」と指摘。「世界的な需要に関するリスクの高まりを考慮し、委員会は現在の政策金利が適切であると評価し、8月に始まった利下げサイクルを終了させることを決定した」とした。

(カタールがトルコ支援)
 カタールはトルコに最大100億ドルの支援を与える方向で詰めの協議を進めている。年内に最大30億ドルの支援を受ける可能性がある。支援はスワップやユーロボンドなどの形で行われる可能性がある。両国の指導者がこの問題について協議したという。実現すれば、トルコの外貨準備増強に寄与する可能性がある。西側諸国がトルコへの投資に難色を示す中、トルコ政府はリラ支援策を補強するため「友好国」に支援を求めている。カタールとは良好な関係を維持しており、20200年には両国の中央銀行が通貨スワップ協定を50億ドル規模から150億ドル規模に拡大した。

(11月の消費者信頼感と企業信頼感指数は)
 11月消費者信頼感指数は76.6で10月の76.2、予想の75.4を上回った。
11月企業信頼感指数は97.9で10月の100.3と予想の100.7を下回った。

(明日3Q・GDP発表)
 トルコのGDPは1Qが7.3%成長、2Qが7.6%成長、3Qは11月30日に発表される。予想は前年比4%。ムーディーズは、トルコの国内総生産 (GDP) が今年 5.3% 拡大すると見ている。2023 年と 2024 年の予測は、それぞれ2%と3%に据え置いた。
 また本日29日は11月経済信頼感指数の発表があり。予想は97.7。10月は97.1。
 12月1日に11月製造業PMIがある。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

雲の上に出られず反落

 日足、ボリバン2σ下限から反発も雲の上に出られず反落。11月22日、23日と上ヒゲが長かった。11月24日-28日の上昇ラインがサポート。11月23日-28日の下降ラインが上値抵抗。5日線、21日線下向き。
 週足、先週は上ヒゲ長く、今週は下落スタート。10月3日週-11月21日週の上昇ラインを下抜くか。ボリバン2σ下限に近い。11月7日週-11月21日週の下降ラインが上値抵抗。
 月足、3か月続いた上昇も11月は続かず。21年12月-22年10月の上昇ラインがサポート。21年3月-9月の下降ラインが上値抵抗。
 年足、7年連続陰線。22年は一時寄り引き同時に近づいたが、また円に引き離される。18年-21年の下降ラインが上値抵抗。



メルハバ

トルコはシリア北部のクルド系武装勢力へ空爆

 エルドアン大統領は、シリア北部のクルド系武装勢力を標的とした空爆は作戦の始まりに過ぎず、「われわれにとって最適なタイミングで」地上戦を開始するとの考えを示した。
11月13日にトルコ最大都市イスタンブールで起きた爆弾攻撃への報復としてトルコはクルド系武装勢力を標的とした空爆を開始。アカル国防相は週末以降、シリアとイラクで471の標的を攻撃したと明らかにした。エルドアン氏は議会で演説し、トルコはシリアとイラクの領土の一体性を支持すると同時に、トルコ南部国境に安全地帯を作る決意を一層強めたと述べた。
米国は、シリア北部の緊張激化は同国の過激派組織「イスラム国」との戦い影響するとして、深刻な懸念をトルコに伝えている。


情報提供元:FX湘南投資グループ
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