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「2023年は専業トレーダーに転身、FX取引以外の金融商品も研究開始」兼業トレーダー田江忍(たえしのぶ)氏 トップトレーダーに聞く(後編)

トップトレーダーに聞く!

以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものであり、また、お客様の収支については、「取材依頼時点」のものとなり、その内容については、当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。

株と先物のシストレで800万円を超える損失を出してしまった兼業トレーダーの田江忍(たえしのぶ)さんは、レバレッジの使えるFX取引に出会い、指標発表後に大きく相場が動くタイミングを狙ったスキャルピング手法で投資の損失を回復向上させます。研究熱心で向上心の高い田江忍さんは、その後、自身のトレードスタイルを確立し、長期に渡って大きな利益を獲得してきました。前編に引き続き、チャートの見方、損切りのタイミングなど、そのトレードテクニックを詳しく伺うとともに、今後の目標などについて語っていただきました。

ハンドルネーム:田江忍(たえしのぶ)
年齢・性別:50代男性
職業:会社員(兼業トレーダー)
FX歴:約13年
トレードスタイル:短期売買(スキャルピング、デイトレード)
投資商品:FX、仮想通貨(過去に株式、先物)
収支:約 7年で3,700万円超(2016年〜2022年10月取材申込時点/外為どっとコム口座のみでの収支)
趣味:ドライブ、アウトドア、スキーなど

▼目次

1.逆行したら「即切り」が基本
2.短期線のバンドウォークは狙い目
3.他人に説明できないことは再現性がない!?
4.取引はビデオ録画で記録
5.熱くなりすぎないために
6.来年からは専業トレーダーに
7.中学生の子どもにトレードを教えています

逆行したら「即切り」が基本

編集部
編集部:
エントリーするときに、ストップレートは決めていらっしゃいますか?
田江忍さん
田江忍さん:
基本的には決めてません。ただ、不意に何かがあって、”アルゴ”が反応して動くことがあるので、事故らないようにストップ注文を入れるというやり方です。決済注文を同時に入れられるFX業者さんもあるので、10pipsとか15 pipsとかで「逆指値注文」を置くこともありますが、基本は入れていないです。あくまでも事故らないための逆指しで、基本的に逆行したら、損切りするスタイルで取引しています。 私の取引手法は「ちょっと取ってちょっとロスって、ちょっと取ってちょっとロスって、どっかで大きく取る」みたいな感じの取引スタイルなので「違う」と思ったら「即損切り」が基本です。
編集部
編集部:
どれくらい逆行したら損切りするのでしょうか?
田江忍さん
田江忍さん:
pips数は決めていません。ただ、例えば「上に行く」と思ったのに、1分足で陰線を引いたら「即損切り」のイメージです。どこかで動くときに、きっちり取ればいい。昨日(2022年10月7日)の米雇用統計の後に、“介入もどき”の動きがありましたが、そのタイミングで一回とっただけですよ。
編集部
編集部:
あれはすごかったですね。わずか15秒ですよね。それはパターン認識ができているから分かったということでしょうか?
田江忍さん
田江忍さん:
介入はパターン認識というか雰囲気です。介入相場は下げそうな雰囲気が増せば連鎖的に下落するのでその兆候を読み取る・・・という感じです。
編集部
編集部:
指標の発表前にエントリーされることはありますか?
田江忍さん
田江忍さん:
発表前のエントリーは「ギャンブル」になるのでやらないです。一時期、雇用統計などの発表前に、各社の予想をもとに、予想がどのくらい相場に織り込まれているかを分析しようとしたんですが、相場への織り込み度が定量的に出せなくて諦めましたね。

短期線のバンドウォークは狙い目

編集部
編集部:
テクニカル分析は移動平均線『短期・中期・長期の3本表示』でしょうか?
田江忍さん
田江忍さん:
基本的には自分が見やすい線を数本出していればよいと思います。自分は1分足と5分足それぞれで10本移動平均線(EMA)、20本移動平均線(EMA)、60本移動平均線(EMA)を出しています。
10本の短期線に、バンドウォークというのか、線に沿って、チャートが動くときがありますよね。横ばいの場合は、上か下かのギャンブルになりがちですが、短期線に沿って、上昇または下落している場所を狙えば、利益獲得の確度が上がると思うんです。
編集部
編集部:
それに沿って上がっていくのかどうかで、トレンドというか、どっち方向に行くかの判断をしているということでしょうか?
田江忍さん
田江忍さん:
デイトレではなくスキャルピングなので、要は1,2,3分先が読めればよいということですね。なので移動平均線の並びや順番を見ながら短期線が立って上げそうならロングで入る、間違ったら損切る・・・というだけです。それを繰り返すのです。

他人に説明できないことは再現性がない!?

編集部
編集部:
田江忍さんの話は、とても分かりやすく、頭の中をしっかり言語化していただける感じですね?
田江忍さん
田江忍さん:
ちゃんと自分で認識して、他人にも分かるような説明ができないと、自分が心底分かっていない可能性があると思っています。なんてことを言ったりもしますが、結局は場の雰囲気でスキャルピングしています。ただそこにチャートのパターン認識が入ると確率が上がるんです。
編集部
編集部:
雇用統計の直後など、大きく動くとスプレッドが広がって、エントリーがかなり難しいと思いますが、うまくエントリーするコツ等はありますか?
田江忍さん
田江忍さん:
トレンドが出るときと、出ないときがありますからね。昨日の雇用統計も発表直後はスプレッドが広いので、入れていないんですよ。
編集部
編集部:
その後のグッと動くところでエントリーすると?
田江忍さん
田江忍さん:
そうです。直後なんてとても入れないスプレッドなので。スプレッドが収まってからエントリーするんです。
初動でどちらかに大きく動いていれば、リバウンドがありますから、そのリバウンドを取りにいくか、リバウンドした後に、もう一回順行するところ(第2波)を取りいくというやり方ですね。発表後15分程度の間にトレンドが出ているとそのまま継続する傾向があるので、レンジ内に収束するのか、トレンドが発生するのかを見ながらトレードをしています。

取引はビデオ録画で記録

編集部
編集部:
エントリー時の取引データ等は記録して残していますか?
田江忍さん
田江忍さん:
デスクトップPCを録画するソフトでビデオ撮影しています。昨日の雇用統計も撮っていて、各FX業者さんのスプレッドの開きを確認したり、自分のエントリーのタイミングを振り返ったりしています。
編集部
編集部:
そこまでの努力というか、研究をやはり日々されているのですね?
田江忍さん
田江忍さん:
当然です。それをやらないと絶対に到達できません。研究なしには成功に到達できません、絶対に。とにかく自分でいろいろチャートを見て、考えながらやる。イチローほどの選手だってずっと研究・鍛錬し続けたわけじゃないですか。それと同じですよ。
編集部
編集部:
録画したビデオで、どんな点を主に振り返るのでしょうか?
田江忍さん
田江忍さん:
まずトレードしたエントリーとエグジットのタイミングが適切だったのかを確かめます。そして、エントリーを躊躇した部分や回避してよかった部分などの振り返りもします。エグジットは難しいですね、自分の取引スタイルは「ちょっと取ってちょっと損切って、どっかで大きく取る」タイプなので、どこで値幅がとれるのかを常に意識します。
編集部
編集部:
FX取引で大きな失敗したという経験等はありますか?
田江忍さん
田江忍さん:
ナンピン(難平)はしないし、損切りは早いので1トレードで大きな損失を出すということはないです。相場がちゃぶつく際にむきになってポジることがあって、そこで損を累積する時があります。また、メンタルの不調でダウンすることがあります。 過去を振り返ると、大きくダウンしたまま終わってしまった年もあって、それはすごく反省しています。 今年も6月に収支が(全体で)1億円くらいまでいったんですが、その後、6000万円くらいまで減らしてしまったんです。今は9000万円台に戻ってきたんですけれど、(大きく減らしたのには)メンタルが影響したと痛感していますね。

そのときは、「あまりにも短期で売買するとFX業者さんに負担をかけてしまうのかな」と思って、やり方を少し変えたり、今年は周りの人たちが結構儲けていて、そういう話が耳に入ってくると「自分ももっと儲けたい」という気持ちが出たりして、そうすると、思わぬところでLotを張ったり普通ではやらないようなことをやったりしてしまう。シストレとは違う裁量の怖いところって、そういうところですね。

熱くなりすぎないために

編集部
編集部:
メンタルが大事ということですね?
田江忍さん
田江忍さん:
本当に大事です。これくらい長くやっていれば、ある程度の技術は確立しているので、大事なのは気持ちをどうコントロールするかです。それができる人もいますが、私はきっと欲深い人間なので、周りが儲けているなら自分も儲けたくなるし、すぐ熱くなってしまう。熱くなるとダメなんです。
編集部
編集部:
冷静さを維持するために何か秘訣はありますか?
田江忍さん
田江忍さん:
自身のトレードのスタイルを紙に貼ったり、奥さんにトレード収支を報告したりしています。ちょっと冷水を浴びせてくれるんでね(笑)。
編集部
編集部:
奥様にはFX取引の収支を共有されているのですね?
田江忍さん
田江忍さん:
そうですね。たとえば「500万円の損失を出した」みたいなことをいうと、冷水を浴びせてきますからね。要はブレーキのようなものを用意すればいいわけです(笑)。
編集部
編集部:
トレーダーの方々の中には「利益が出た時は共有するけど損失が出たときは言わない」とか、そういう方も少なからぬ数でいらっしゃいました。田江忍さんの奥様はFX取引を応援してくださっているのですね?
田江忍さん
田江忍さん:
基本的に前向きですね。儲けたお金を生活費として渡していますし。そもそも家族の理解がないとできないですよ。もうだって夜もずっと取引やっていますからね(笑)。

来年からは専業トレーダーに

編集部
編集部:
FX取引する平日の時間の使い方を教えていただけますか?
田江忍さん
田江忍さん:
仕事から帰ってきて午後6時、7時くらいから相場を見て、夜は動き次第です。動けば午前1時、2時まで相場を見ていますね。
編集部
編集部:
仕事で早起きされることもありますよね?大変なのでは?
田江忍さん
田江忍さん:
実は私、来年から専業トレーダーになろうと計画しています。もう50代ですし、それなりに確立したものもあるので、アーリーリタイアしてもっと試してみたいなと思っているんです。
前から専業トレーダーに憧れていたんですが、ある程度、投資だけで稼げる確信が得られないと、なかなか仕事を辞められないじゃないですか。子どもたちもいますし、背負うものがありますから。でも、借金もないし貯蓄もある程度できてきたので。覚悟を決めたって感じですね。
編集部
編集部:
収益の目標金額等はいつも定めていますか?
田江忍さん
田江忍さん:
個人的には「月500万円程度を稼げればいいかな」と思っていますが、あくまでも「いいな」と思っているだけで目標ではありません。目標にしてしまうと、下回った時に嫌な気分になりますから。この辺りのマインドコントロールが結構大事ですね。
編集部
編集部:
FX取引で楽しい瞬間はどんなときでしょうか?
田江忍さん
田江忍さん:
それは、やはり相場が動いているときでしょう。相場の波に乗って利益を追求できていると、やはり最高に気持ちいいですね。
編集部
編集部:
それでは、FXトレーダーから「専業になろうか迷っている」と相談されたらどう回答してあげますか?
田江忍さん
田江忍さん:
独身かどうか、家族持ちでローンがあるかどうか、その人の状況にもよりますが、無借金でそこそこの蓄えがあって、自分に自信があるならいいんじゃないでしょうか。ローンがいっぱいあったり、背負うものがあったりするとプレッシャーになって、夜も眠れなくなっちゃう。だからなるべく不安材料は排除する。排除できているならオッケーだと思いますね。
編集部
編集部:
専業トレーダーになってからも収益の柱はFX取引でしょうか?
田江忍さん
田江忍さん:
そうですね。ただ専業で時間が増えれば、株をまたやりたいですね。ほかにもアイデアはあって。研究が好きなので、他の投資商品も仮想通貨を含めて研究したいですね。ボラティリティがある相場のものをやっていく。テーマは年ごとに変わるので、それも追いかけたいと思っています。

中学生の子どもにトレードを教えています

編集部
編集部:
ハンドルネームが「田江忍(たえしのぶ)」なのはどうしてですか?
田江忍さん
田江忍さん:
私の話を聞いてくださったから分かると思いますが、執念でここまで来ていますからね(笑)。なんとしてでも成功するために、株でも先物でもめげずに「耐え忍ぶ」精神でやってきましたから!
編集部
編集部:
では、田江忍さんのお子さんから「FX取引って面白そうだから教えて」と言われたら教えてあげますか?
田江忍さん
田江忍さん:
もうすでに教えていますよ。上の子は中3ですが、相場を見るのが大事だと思っているので、実際に私がやるところを見せてチャートを解説したり、上がるか下がるかを予想させたりしています。
編集部
編集部:
そうなのですね。お父さんの血を受け継いで才能はありそうですか?
田江忍さん
田江忍さん:
分からないです(笑)。でも、「お財布」は給料以外にも、いくつか持っていたほうがいいと思いますから。
編集部
編集部:
若年層、20代の人たちにインタビューすると「FX取引は古い」と思われていて、暗号資産とか新しいものに目がいくようです。この点をどう思われますか?
田江忍さん
田江忍さん:
それはFX取引の魅力を伝え切れていないだけじゃないでしょうか。若い人たちの金融リテラシーが低くて、まだ知らないだけですよ。 為替は手数料が安いし流動性もあって24時間取引ができます。利点をあげたらきりがありません。金融商品として進化してきた歴史もある。新しい暗号資産とは全然違います。何が違うかをちゃんと正確に伝えるのは、皆さん(外為どっとコムさんを始め各FX企業)のお仕事じゃないでしょうか!?
編集部
編集部:
そうですね。私たちも引き続き努力して参りたいと思います。貴重なご意見を有難うございます。さて、最後の質問です。人生100年時代「投資はいつまで続けたい」という目標はありますか?
田江忍さん
田江忍さん:
今はイメージがありませんが、チャートを見るにも、老眼鏡が必要になりました(笑)。さすがに70、80歳まではやらないでしょうね。もっと年をとったら、時間軸の長いトレーディングスタイルにかえるかもしれないです。今はまだ分かりませんが・・・可能な限り長くトレードしたいですね。
編集部
編集部:
今日いただいた「研究なしには到達なし」という言葉を肝に銘じたいと思います。お忙しい中、本日はどうもありがとうございました。

マネ育PickUp編集部より

チャートの見方や損切りの仕方など、ご自身のトレードテクニックについて、迷うことなく、理路整然と説明してくださる田江忍さん。平日は会社の仕事で忙しいはずの田江忍さんに、分析・研究の重要性を説かれると、頷かないわけにはいきませんでした。いよいよ会社を辞めて来年には専業トレーダーデビューをするという田江忍さんですが、FX取引のみならず、さまざまな金融商品で、きっと素晴らしい成績を収められることでしょう。今後のさらなる活躍に期待しています。

【前編】

【トップトレーダーに聞く!インタビュー記事まとめ】

 
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