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メキシコペソ/円、中銀の今後の金融政策スタンスに注目 注目の高金利通貨 メキシコペソ/円 11月9日号

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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也

メキシコペソ/円(4時間足)

MXN/JPY 4時間足

※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照

直近1週間のポイント

・ドル/円の下落が重し
・ドル/ペソの下落が支え
・自動車生産、正規雇用が増加
・原油安が重し

足元のメキシコペソ/円は伸び悩む展開

4日に7.557円前後まで上昇しましたが、10月高値の7.578円前後を超えられずに失速。
米10月雇用統計後にドルが広範囲に下落しており、ドル/円の下落が重しになったようです。
一方で、ドルに対してペソが上昇した影響からペソ/円の下値も限定的で、7日には7.50円割れから切り返す動きとなりました。
なお、この日発表されたメキシコの10月自動車生産は前月比で1.9%増加、同月の正規登録雇用者数は前月比20.8万人増加と好調でした。
ただ、8日になるとペソ/円は7.4円台に再び下落。
原油価格の下落などを背景とする資源国通貨安に沿った動きです。
9日の東京市場では一時7.429円前後まで弱含む場面もありました。

注目ポイントはメキシコ中銀

メキシコ中銀は10日に政策金利を発表します。
インフレの高止まりを踏まえ、4会合連続の75bp(0.75%ポイント)が濃厚と見られています。
予想通りなら、政策金利は10.00%となり、ついに2ケタに乗せて過去最高となります。
ただ、市場としては今回の75bp利上げは織り込み済みでしょう。
ペソ相場の反応については、次回以降の利上げに関する姿勢がカギとなりそうです。
これまで通り、インフレ抑制に向けた決意を示した上で利上げを継続する方針を堅持すれば、ペソは底堅く推移する見通しです。
ただ、メキシコ中銀のエスキベル副総裁は10月に、「金融引き締めは、政策金利が10-10.25%の水準で終了する可能性がある」との見解を示しました。
いまのところ、中銀内では少数意見のようですが、こうした主張が今回の声明に少しでも滲むようだと利上げの減速や利上げの停止が意識されてペソが下落する可能性があります。

来週までのメキシコペソ/円の見通し

予想レンジ
7.300円~7.600円
基調
方向感模索

来週までの注目ポイント

・11/9 メキシコ10月消費者物価指数
☆11/10 メキシコ中銀政策金利
・ 主要国株価、国際商品価格

「為替チャート|メキシコペソ/円(MXNJPY)|60分足」はこちら

kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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