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FOMCそれぞれのシナリオ その時ドル円は… 為替介入の舞台裏も!  和田仁志氏 2022/11/1【ダイジェスト】

FOMCそれぞれのシナリオ その時ドル円は‥ 為替介入の舞台裏も!

動画配信期間

2022/11/1~

概要

元外銀ディーラーで現在はマーケットについて幅広い投資情報を発信する和田仁志氏による為替相場の解説セミナーです。
今、注目したい通貨ペアの動向や今後の展望とは!?マーケットの最新情報などに基づき、徹底解説します!

セミナーダイジェスト

■超長期チャートで振り返るドル/円相場
(01:02頃から)
最初に、ドル/円がどういう位置関係にあるか見てゆきましょう。こちらは長期の月足チャートです。こちらは1982年位からのチャートになっています。

1985年のときに非常に大きな動きがありました。この年、実はプラザ合意がありました。ドル/円は3年後に128円台まで急落。その後1991年に160円まで買い戻りが入りましたが、その後は緩やかな円高局円が続き、2011年に史上最安値の75円を付けた後はドル高局面へと移行すると、今年に入り1990年高値からの抵抗線を一気に上抜けており、ファンド勢など一気に買い上げました。

戻り幅について市場で最も注目されていたのが、1990年高値160.16円ではなく、その次の戻り高値1998年8月の147.66円でした。10月には151.95円まで上昇しており、ファンド勢の目標水準はすでに到達したことになります。そうなると、次に目指すのは先ほど触れた1990年高値しかない、との見方につながってきます

 

■円買い介入(9/22)について、介入手法について
(15:18頃から)
政府・日銀は9月22日に大規模介入を行いました。実際、どういう形で行われたか、皆さんにお伝えしたいと思います。

介入は英語でInterventionといいますが、海外勢はそれをもじってYenterventionと言ったりもしています。

実は、神田財務官が、非常にやりたくてやりたくて、ある時はしょうがなくて、介入を実施したとの声もささやかれているんですけれども、この介入は9月22日の夕刻に行われました。この日は日銀金融政策決定会合後に黒田日銀総裁が会見を行っている最中に介入が実施されました。こちらも驚きました。

介入は厳格なルールに則って行われます。介入のときは、財務省から日銀に指示が出て、日銀が介入を実行します。日銀の担当者は、各銀行のあらかじめ決められた担当者に電話をします。

その際、介入の担当者リストってのが実はあるんですよ。日銀には予め、各銀行の担当ディーラーのリストが提出されています。そこには、一番上から順に順位がつけられてんですね。一番偉い人から一位、二位、三位、・・・十位まであり、一番最初上の人の秘書から呼び出すわけです。

担当者につながると、日銀は介入をこれから行いますので、「strictly confidential(極秘)でお願いします」と言います。必ずですね。英語で言うんですね。実はstrictly confidentialっていうのは、極秘って絶対言わないでくださいって意味なんですけれども、なぜかstrictly confidentialでお願いしますってことを必ず最初に言っておきます。日本人同士なので、何でこんなことを言うのかと思いますけれども、こういうことがもう決まってるんですねで、strictly confidentialでお願いしますと言って、今いくらですかと聞いてくる訳ですね。

例えばですけども、今ですと147円台ですので、銀行サイドは147.85-90円ですとか、85-90円ですという言い方をする訳ですね。そうすると、日銀は147.75円に100本(1本=100万ドル)の売りを入れてくださいという訳ですね。

147.85円がビット(売りの値段)でオファー(買いの値段)が147.90円の時に、147.85円も売って147.84円も売ると、ビットは147.84円ですから、今度は147.84円を売って147.83円も売って、147.80円も売るといった具合に、どんどん売っていけばいいんですけれども、そういうやり方ではなくて。

もういきなりですね。147.85円の売りや147.89円の買いがあるのに、147.75円で売りにしてくださいという訳ですね。そうするとどういうことが起きるかというと、147.75円までの買い注文が一瞬にして成立する訳です。だから、147.85-90円だったレートがいきなり147.75円にいきなり下がっちゃうんですね。

そうすると、「じゃあいくらできましたか?」って聞かれたら、「百本できました、売れましたよ」と答えると、また畳みかけるように「今いくらですか」って聞いてくる訳ですね。そうすると、じゃあ今147.75円ですと仮に言ったとしましょう。そうしたら10銭下147.65円にまた百本の売りを入れてください、という言い方をしてくる訳です。そうすると147.65円までの買いオーダーが全部成立します。そういうことをどんどん行います。そして「90本しか成立しませんでした」って言っても別に問題ない訳です。

さらにこの後、「今いくらですか」ってまた聞いて来ますから、今度はもう147.50-55円ですと言ったら、「147.40円に売りを100本に行ってください」って言って、それをどんどん続けてばいいです。

でも、電話はずっと繋げたものですね。頭は繋げたままで、銀行の電話はミュートボタンがついていて、カチっとすると相手に聞こえなくなったりするんですね。だけども、絶対にオフにしないでくださいと言われ、繋ぎっぱなしにしてくださいって言われる訳です。 相手(日銀)に聞こえなくなると怒られちゃいますから、常に自分達と日銀との話が通じるようにしておいて、ずっとつきっきりでやるをやる訳です。例えば、私が担当の銀行ディーラーであれば、ずっと電話を繋いだままで「147.75円に売り100本できました」「147.65円に売り100本できました」をずっと行い、介入が終わると終了となります。

今回はこのような手順で、大手3行に断続的に行ったようです

ただ、当日に財務省や当局がちょっと下手を打ってしまいました。なぜかというと、かなり久しぶりの介入だったんですね。「記者会見をする」って言っちゃったんですね。介入が終わった六時二十分ぐらいだったでしょう。私もよく覚えてますけれども、その十分後、六時半から記者会見を行いますよっていうことをもうあらかじめ言っちゃったわけなんですね。

記者会見をするってことは、介入をやって、これだけやりましたよっていうに決まってるわけですから、結局「ああじゃあもう終わったのか」ということがマーケットとしてはすぐわかっちゃうわけです。記者会見をやるなんていうことを黙っていればいいんですけれども、言ってしまったがゆえに「ああ無冠に終わったんだな」っていうことがすぐ分かっちゃうわけですね。だから、ヘッジファンドなどから一斉に買い戻しが出ましたっていうような、非常に臨場感のある動きがあったというところなんですね。

f:id:gaitamesk:20190904150909j:plain和田仁志 氏
1968年長野県生まれ。立命館大学卒業後、米シティバンク・英スタンダードチャータード銀行で十数年間に渡りインターバンクディーラーとして一線で活躍。その後は、証券会社などで外国為替証拠金業務を立ち上げるなど、当業界にも精通している。2006年8月からはニューヨークからホットな金融情報を提供する。グローバルインフォ代表取締役社長を経て、2017年8月よりDZHフィナンシャルリサーチ常務執行役員に就任。
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